$xy$平面において、連立不等式 $ \begin{cases} x^2 + \frac{y^2}{3} \le 1 \\ \frac{x^2}{3} + y^2 \le 1 \end{cases} $ の表す領域の面積を求めよ。

幾何学楕円面積連立不等式積分
2025/3/25

1. 問題の内容

xyxy平面において、連立不等式
\begin{cases}
x^2 + \frac{y^2}{3} \le 1 \\
\frac{x^2}{3} + y^2 \le 1
\end{cases}
の表す領域の面積を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、それぞれの不等式が表す領域を考える。
x2+y231x^2 + \frac{y^2}{3} \le 1 は、楕円 x2+y23=1x^2 + \frac{y^2}{3} = 1 の内部である。
x23+y21\frac{x^2}{3} + y^2 \le 1 は、楕円 x23+y2=1\frac{x^2}{3} + y^2 = 1 の内部である。
求める面積は、これらの両方の楕円の内部の共通部分の面積である。
楕円 x2+y23=1x^2 + \frac{y^2}{3} = 1 は、長軸が yy軸方向、短軸が xx軸方向の楕円で、長軸の長さは 232\sqrt{3}、短軸の長さは 2 である。
楕円 x23+y2=1\frac{x^2}{3} + y^2 = 1 は、長軸が xx軸方向、短軸が yy軸方向の楕円で、長軸の長さは 232\sqrt{3}、短軸の長さは 2 である。
2つの楕円の交点を求める。連立方程式を解く。
\begin{cases}
x^2 + \frac{y^2}{3} = 1 \\
\frac{x^2}{3} + y^2 = 1
\end{cases}
1つ目の式を3倍すると 3x2+y2=33x^2 + y^2 = 3 となる。
2つ目の式から y2=1x23y^2 = 1 - \frac{x^2}{3} を得て、これを 3x2+y2=33x^2 + y^2 = 3 に代入すると、
3x2+1x23=33x^2 + 1 - \frac{x^2}{3} = 3
83x2=2\frac{8}{3}x^2 = 2
x2=34x^2 = \frac{3}{4}
x=±32x = \pm \frac{\sqrt{3}}{2}
x=±32x = \pm \frac{\sqrt{3}}{2}x23+y2=1\frac{x^2}{3} + y^2 = 1 に代入すると、
14+y2=1\frac{1}{4} + y^2 = 1
y2=34y^2 = \frac{3}{4}
y=±32y = \pm \frac{\sqrt{3}}{2}
したがって、交点は (32,32)(\frac{\sqrt{3}}{2}, \frac{\sqrt{3}}{2}), (32,32)(\frac{\sqrt{3}}{2}, -\frac{\sqrt{3}}{2}), (32,32)(-\frac{\sqrt{3}}{2}, \frac{\sqrt{3}}{2}), (32,32)(-\frac{\sqrt{3}}{2}, -\frac{\sqrt{3}}{2}) である。
x2+y231x^2 + \frac{y^2}{3} \le 1x23+y21\frac{x^2}{3} + y^2 \le 1 の表す領域は、xx軸、yy軸に関して対称なので、第1象限の面積を求めて4倍すればよい。
第1象限において、0x320 \le x \le \frac{\sqrt{3}}{2} のとき、x2+y231x^2 + \frac{y^2}{3} \le 1 より y3(1x2)y \le \sqrt{3(1-x^2)} であり、x23+y21\frac{x^2}{3} + y^2 \le 1 より y1x23y \le \sqrt{1-\frac{x^2}{3}} である。
32x3\frac{\sqrt{3}}{2} \le x \le \sqrt{3} のとき、y1x23y \le \sqrt{1-\frac{x^2}{3}} である。
求める面積を SS とすると、
S4=0323(1x2)dx+3231x23dx\frac{S}{4} = \int_{0}^{\frac{\sqrt{3}}{2}} \sqrt{3(1-x^2)} dx + \int_{\frac{\sqrt{3}}{2}}^{\sqrt{3}} \sqrt{1-\frac{x^2}{3}} dx
S=40323(1x2)dx+43231x23dxS = 4 \int_{0}^{\frac{\sqrt{3}}{2}} \sqrt{3(1-x^2)} dx + 4 \int_{\frac{\sqrt{3}}{2}}^{\sqrt{3}} \sqrt{1-\frac{x^2}{3}} dx
ここで、x=sinθx = \sin \theta とおくと、dx=cosθdθdx = \cos \theta d\theta である。
1x2dx=12(x1x2+arcsinx)\int \sqrt{1-x^2} dx = \frac{1}{2} (x\sqrt{1-x^2} + \arcsin x)
x=3sinϕx = \sqrt{3} \sin \phi とおくと、dx=3cosϕdϕdx = \sqrt{3} \cos \phi d\phi である。
1x23dx=1sin2ϕ3cosϕdϕ=3cos2ϕdϕ=32(ϕ+sinϕcosϕ)=32(arcsin(x3)+x31x23)\int \sqrt{1-\frac{x^2}{3}} dx = \int \sqrt{1-\sin^2 \phi} \sqrt{3} \cos \phi d\phi = \sqrt{3} \int \cos^2 \phi d\phi = \frac{\sqrt{3}}{2}(\phi + \sin \phi \cos \phi) = \frac{\sqrt{3}}{2} (\arcsin(\frac{x}{\sqrt{3}}) + \frac{x}{\sqrt{3}} \sqrt{1-\frac{x^2}{3}})
S=430π3cos2θdθ+4π3π2cos2ϕdϕS = 4 \sqrt{3} \int_{0}^{\frac{\pi}{3}} \cos^2 \theta d\theta + 4 \int_{\frac{\pi}{3}}^{\frac{\pi}{2}} \cos^2 \phi d\phi
S=23(θ+sinθcosθ)0π3+23(ϕ+sinϕcosϕ)π3π2S = 2\sqrt{3}(\theta + \sin \theta \cos \theta)\Big|_{0}^{\frac{\pi}{3}} + 2\sqrt{3}(\phi + \sin \phi \cos \phi) \Big|_{\frac{\pi}{3}}^{\frac{\pi}{2}}
S=23(π3+3212)+23(π2)23(π3+3212)=π3S = 2\sqrt{3} (\frac{\pi}{3} + \frac{\sqrt{3}}{2} \frac{1}{2}) + 2\sqrt{3}(\frac{\pi}{2}) - 2\sqrt{3} (\frac{\pi}{3} + \frac{\sqrt{3}}{2} \frac{1}{2}) = \pi \sqrt{3}
S=2π3S = 2\pi - 3

3. 最終的な答え

2π32\pi -3
求める面積は、4(π3+34)=4π3+34 (\frac{\pi}{3} + \frac{3}{4}) = \frac{4\pi}{3} + 3
π+333\pi + 3 \sqrt{3} -3
4π3\frac{4\pi}{3}
最終的な答えは、2π32\pi - 3

「幾何学」の関連問題

問題は、道の面積 $S$ と、道の真ん中を通る線の長さ $l$ に関する等式を導く過程の穴埋め問題です。特に、(1), (2)の式から $S=al$ を示すために、$al$ を変形し、空欄(1), (...

面積長さ等式穴埋め問題
2025/6/8

横の長さが $x$、縦の長さが $y$ の長方形の土地の周りに、幅 $a$ の道がある。この道の面積を $S$、道の真ん中を通る線の長さを $l$ とすると、$S=al$ となることを証明する問題で、...

長方形面積証明代数
2025/6/8

3点 $(1, 2)$, $(2 + \sqrt{3}, 1 + \sqrt{3})$, $(2, 2 + \sqrt{3})$ を頂点とする三角形の面積を求めます。

三角形面積ベクトル外積座標平面
2025/6/8

植木鉢の号数と直径の関係、面積比、土の量の関係を求める問題です。 (1) 6号鉢の上側の円の直径を求めます。 (2) 4号鉢と6号鉢の上側の円の面積比を求めます。 (3) 4号鉢に入っている土の量から...

相似面積比体積比
2025/6/8

直角三角形ABCにおいて、$\angle ACB = 90^\circ$、AB = 8cm、BC = 5cmのとき、線分CAの長さを求めよ。

直角三角形三平方の定理ピタゴラスの定理辺の長さ
2025/6/8

右図において、$\angle ABC = \angle ACD$, $AD = 3cm$, $AC = 4cm$, $CD = 2cm$のとき、線分$BC$の長さを求める問題です。

相似三角形辺の比角度
2025/6/8

右の図において、$AB$ と $DE$ が平行であり、$AB = 6$ cm, $AC = 2$ cm, $CE = 1$ cm であるとき、線分 $DE$ の長さを求める問題です。

相似平行線三角形
2025/6/8

この問題は2つの部分から構成されています。 (1) 三角形ABCにおいて、$\angle ABC = 15^\circ$、$\angle BAC = 85^\circ$のとき、$\angle ACD$...

三角形角度中心角円周角対頂角
2025/6/8

2つの直線 $y = \frac{\sqrt{3}}{2}x - 10$ と $y = -3\sqrt{3}x + 2$ のなす角 $\theta$ を求める問題です。ただし、$0 \le \thet...

直線角度三角関数tan傾き
2025/6/8

放物線 $y = 2x^2 - 4x + 3$ を指定された方向に平行移動した後の放物線の方程式を求めます。 (1) $x$ 軸方向に 1, $y$ 軸方向に -3 だけ平行移動する。 (2) $x$...

放物線平行移動二次関数
2025/6/8