複素数 $z$ は絶対値が1であり、$z \neq 1$ かつ $z \neq -1$ を満たす。複素数平面において、$1$, $z$, $2z^2$ が一直線上にあるような $z$ の値を求める。

代数学複素数複素数平面絶対値複素数の性質方程式
2025/5/25

1. 問題の内容

複素数 zz は絶対値が1であり、z1z \neq 1 かつ z1z \neq -1 を満たす。複素数平面において、11, zz, 2z22z^2 が一直線上にあるような zz の値を求める。

2. 解き方の手順

複素数 11, zz, 2z22z^2 が一直線上にあるということは、それらの複素数の差の比が実数になることを意味する。つまり、2z2zz1\frac{2z^2-z}{z-1} が実数である。
zz が単位円上にあるので、z=eiθ=cosθ+isinθz = e^{i\theta} = \cos\theta + i\sin\theta と表せる。ただし、z1,1z \neq 1, -1 より θ0,π\theta \neq 0, \pi である。
2z2zz1=z(2z1)z1\frac{2z^2-z}{z-1} = \frac{z(2z-1)}{z-1} が実数である条件は、
z(2z1)z1=(z(2z1)z1)=zˉ(2zˉ1)zˉ1\frac{z(2z-1)}{z-1} = \overline{\left(\frac{z(2z-1)}{z-1}\right)} = \frac{\bar{z}(2\bar{z}-1)}{\bar{z}-1}
が成り立つことである。
ここで、z=1|z| = 1 より zˉ=1z\bar{z} = \frac{1}{z} であるから、
z(2z1)z1=1z(2z1)1z1=1z(2zz)1zz=2zz(1z)\frac{z(2z-1)}{z-1} = \frac{\frac{1}{z}(\frac{2}{z}-1)}{\frac{1}{z}-1} = \frac{\frac{1}{z}(\frac{2-z}{z})}{\frac{1-z}{z}} = \frac{2-z}{z(1-z)}
したがって、
z(2z1)z1=2zz(1z)\frac{z(2z-1)}{z-1} = \frac{2-z}{z(1-z)}
z2(2z1)(1z)=(2z)(z1)z^2(2z-1)(1-z) = (2-z)(z-1)
z2(2z1)(1z)(2z)(z1)=0z^2(2z-1)(1-z) - (2-z)(z-1) = 0
(z1)[z2(2z1)(1)](2z)(1)]=0(z-1)[z^2(2z-1)(-1)] - (2-z)(-1)] = 0
(z1)[2z3+z2+2z]=0(z-1)[-2z^3 + z^2 + 2 - z] = 0
(z1)(2z3+z2z+2)=0(z-1)(-2z^3 + z^2 - z + 2) = 0
z1z \neq 1 より、2z3+z2z+2=0-2z^3 + z^2 - z + 2 = 0
2z3z2+z2=02z^3 - z^2 + z - 2 = 0
(z12152i)(z12+152i)(2z2)=0(z - \frac{1}{2} - \frac{\sqrt{15}}{2}i)(z - \frac{1}{2} + \frac{\sqrt{15}}{2}i)(2z-2) = 0
z=1|z| = 1なので、z=12+152iz = \frac{1}{2} + \frac{\sqrt{15}}{2}iもしくはz=12152iz = \frac{1}{2} - \frac{\sqrt{15}}{2}i
zzの候補は、2z3z2+z2=02z^3 - z^2 + z - 2 = 0の解であり、z=1|z|=1より、あるθ\thetaを用いてz=eiθz = e^{i\theta}とおける。
2z2zz1\frac{2z^2-z}{z-1}が実数であることは、2z2zz1=zˉ(2zˉ1)zˉ1\frac{2z^2-z}{z-1} = \frac{\bar{z}(2\bar{z}-1)}{\bar{z}-1}を意味する。
z=1|z| = 1よりzˉ=1z\bar{z}=\frac{1}{z}であるので、z(2z1)z1=1z(2z1)1z1=1z2zz1zz=2zz(1z)\frac{z(2z-1)}{z-1} = \frac{\frac{1}{z}(\frac{2}{z}-1)}{\frac{1}{z}-1}=\frac{\frac{1}{z}\frac{2-z}{z}}{\frac{1-z}{z}}=\frac{2-z}{z(1-z)}
z2(2z1)(1z)=(2z)(z1)z^2(2z-1)(1-z)=(2-z)(z-1)
z2(2z2+z+2z1)=2z2z2+zz^2(-2z^2+z+2z-1) = 2z-2-z^2+z
2z4+3z3z2=3z2z2-2z^4+3z^3-z^2=3z-2-z^2
2z43z3+3z2=02z^4-3z^3+3z-2=0
z=iz = i: 2+3i+3i2=6i02+3i+3i-2 = 6i \neq 0
z=iz=-i: 23i3i2=6i02-3i-3i-2 = -6i \neq 0
z=±iz = \pm i は解ではない。
また、z1z \neq 1であることに注意する。
θ=π3\theta = \frac{\pi}{3}のとき、z=cosπ3+isinπ3=12+i32z = \cos \frac{\pi}{3} + i\sin \frac{\pi}{3} = \frac{1}{2} + i\frac{\sqrt{3}}{2}.
2z2=2(1434+i32)=1+i32z^2 = 2(\frac{1}{4} - \frac{3}{4} + i\frac{\sqrt{3}}{2}) = -1 + i\sqrt{3}
11, zz, 2z22z^2 は一直線上にない。

3. 最終的な答え

z=12±i32z = \frac{1}{2} \pm i\frac{\sqrt{3}}{2}

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