整式 $P(x) = x^3 + 2(a+1)x^2 + 3ax - 2a$ が与えられている。ただし、$a$ は実数の定数である。 (1) $P(-2)$ の値を求める。 (2) $P(x)$ を因数分解する。 (3) 方程式 $P(x) = 0$ の解がすべて実数となるような $a$ の値の範囲を求め、また、方程式 $P(x) = 0$ が異なる実数解をちょうど 2 個もつような $a$ の値と、そのときの実数解をそれぞれ求める。

1. 問題の内容

整式 $P(x) = x^3 + 2(a+1)x^2 + 3ax - 2a$ が与えられている。ただし、$a$ は実数の定数である。

(1) $P(-2)$ の値を求める。

(2) $P(x)$ を因数分解する。

(3) 方程式 $P(x) = 0$ の解がすべて実数となるような $a$ の値の範囲を求め、また、方程式 $P(x) = 0$ が異なる実数解をちょうど 2 個もつような $a$ の値と、そのときの実数解をそれぞれ求める。

2. 解き方の手順

(1) $P(-2)$ を計算する。

$P(-2) = (-2)^3 + 2(a+1)(-2)^2 + 3a(-2) - 2a = -8 + 8(a+1) - 6a - 2a = -8 + 8a + 8 - 6a - 2a = 0$.

(2) $P(-2) = 0$ より、$P(x)$ は $(x+2)$ を因数に持つ。

$P(x) = (x+2)(x^2 + Ax + B)$ とおいて展開すると、

$P(x) = x^3 + (A+2)x^2 + (B+2A)x + 2B$.

係数を比較して、

$A+2 = 2(a+1) = 2a+2$,

$B+2A = 3a$,

$2B = -2a$.

よって、$A = 2a$, $B = -a$ であり、

$-a+2(2a) = 3a$ が成立する。

従って、$P(x) = (x+2)(x^2+2ax-a)$.

(3) $P(x) = 0$ より、$x = -2$ または $x^2+2ax-a = 0$ である。

方程式 $x^2+2ax-a = 0$ の判別式を $D$ とすると、$D/4 = a^2 - (-a) = a^2 + a = a(a+1)$.

$P(x) = 0$ の解がすべて実数となる条件は、$D \ge 0$ より、$a \le -1$ または $a \ge 0$.

$P(x) = 0$ が異なる実数解をちょうど 2 個持つ条件は、以下のいずれか。

(i) $a(a+1) > 0$ かつ $x^2+2ax-a=0$ が $x=-2$ を解に持つとき。

$(-2)^2 + 2a(-2) - a = 0 \Leftrightarrow 4 - 4a - a = 0 \Leftrightarrow 5a = 4 \Leftrightarrow a = 4/5$.

$x^2 + (8/5)x - 4/5 = 0 \Leftrightarrow 5x^2+8x-4 = 0 \Leftrightarrow (5x-2)(x+2) = 0 \Leftrightarrow x = -2, 2/5$.

このとき、$x = -2, 2/5$ となり、異なる実数解は 2 個。

(ii) $a(a+1) = 0$ のとき。

$a = 0$ のとき、$x^2 = 0$ より、$x=0$. このとき、$x=-2, 0$ となり、異なる実数解は 2 個。

$a = -1$ のとき、$x^2 - 2x + 1 = 0$ より、$(x-1)^2 = 0$ より、$x = 1$. このとき、$x=-2, 1$ となり、異なる実数解は 2 個。

3. 最終的な答え

(1) $P(-2) = 0$

(2) $P(x) = (x+2)(x^2+2ax-a)$

(3) 解がすべて実数となるような $a$ の範囲：$a \le -1$ または $a \ge 0$.

異なる実数解をちょうど 2 個もつ $a$ の値と実数解：

$a = 4/5$ のとき、$x = -2, 2/5$.

$a = 0$ のとき、$x = -2, 0$.

$a = -1$ のとき、$x = -2, 1$.