与えられた集合$S$が、$R^2$の部分空間かどうかを判定する問題です。具体的には、以下の8つの集合について、和について閉じているか、定数倍について閉じているかを調べ、部分空間であるかどうかを判定します。 (1) 第1象限 (2) 直線 $y = x$ (3) 線分 $y = x (-1 \le x \le 1)$ (4) 直線 $y = x + 1$ (5) 2直線 $y = \pm x$ の和集合 (6) 単位円周 (7) 1点からなる集合 $\{r\}$ (8) 1点からなる集合 $\{0\}$

代数学線形代数部分空間ベクトル空間集合
2025/5/26

1. 問題の内容

与えられた集合SSが、R2R^2の部分空間かどうかを判定する問題です。具体的には、以下の8つの集合について、和について閉じているか、定数倍について閉じているかを調べ、部分空間であるかどうかを判定します。
(1) 第1象限
(2) 直線 y=xy = x
(3) 線分 y=x(1x1)y = x (-1 \le x \le 1)
(4) 直線 y=x+1y = x + 1
(5) 2直線 y=±xy = \pm x の和集合
(6) 単位円周
(7) 1点からなる集合 {r}\{r\}
(8) 1点からなる集合 {0}\{0\}

2. 解き方の手順

部分空間であるための条件は、以下の3つです。
(1) ゼロベクトルを含む
(2) 和について閉じている
(3) スカラー倍について閉じている
各集合について、これらの条件を満たすかどうかを調べます。
(1) 第1象限: (1,1)+(1,1)=(2,2)(1,1) + (1,1) = (2,2)は第1象限に含まれますが、 (1)(1,1)=(1,1)(-1) \cdot (1,1) = (-1, -1)は第1象限に含まれません。したがって、スカラー倍について閉じていないため、部分空間ではありません。和については閉じています。
(2) 直線 y=xy = x: (x1,x1)+(x2,x2)=(x1+x2,x1+x2)(x_1, x_1) + (x_2, x_2) = (x_1+x_2, x_1+x_2)なので、和について閉じています。また、c(x,x)=(cx,cx)c \cdot (x, x) = (cx, cx)なので、スカラー倍についても閉じています。ゼロベクトル(0,0)(0,0)を含むので、部分空間です。
(3) 線分 y=x(1x1)y = x (-1 \le x \le 1): (1,1)+(1,1)=(2,2)(1,1) + (1,1) = (2,2)は線分に含まれません。したがって、和について閉じていないため、部分空間ではありません。
(4) 直線 y=x+1y = x + 1: ゼロベクトル (0,0)(0,0)0=0+10 = 0 + 1 を満たさないため、直線上にありません。したがって、ゼロベクトルを含まないので、部分空間ではありません。
(5) 2直線 y=±xy = \pm x の和集合: (1,1)+(1,1)=(2,0)(1,1) + (1, -1) = (2,0)ですが、y=±xy = \pm x上にありません。したがって、和について閉じていないので部分空間ではありません。
(6) 単位円周: (1,0)(1,0)(0,1)(0,1)を単位円周上の点とすると、(1,0)+(0,1)=(1,1)(1,0)+(0,1) = (1,1)は単位円周上にありません。また(0,0)(0,0)を含まないので部分空間ではありません。
(7) 1点からなる集合 {r}\{r\}:
もしr0r \neq 0であれば、ゼロベクトルを含まないので部分空間ではありません。
もしr=0r = 0であれば、和とスカラー倍について閉じているので部分空間です。問題文ではrrについての記述がないので、rrが何であるかにより答えが変わります。ここではrrが0でない場合を考えます。
(8) 1点からなる集合 {0}\{0\}: (0,0)+(0,0)=(0,0)(0,0) + (0,0) = (0,0)c(0,0)=(0,0)c \cdot (0,0) = (0,0)なので、和とスカラー倍について閉じています。また、ゼロベクトルを含みます。したがって、部分空間です。

3. 最終的な答え

(1) 第1象限: 和について閉じているが、部分空間ではない。
(2) 直線 y=xy = x: 和について閉じており、部分空間である。
(3) 線分 y=x(1x1)y = x (-1 \le x \le 1): 和について閉じておらず、部分空間ではない。
(4) 直線 y=x+1y = x + 1: 部分空間ではない。
(5) 2直線 y=±xy = \pm x の和集合: 和について閉じておらず、部分空間ではない。
(6) 単位円周: 部分空間ではない。
(7) 1点からなる集合 {r}\{r\}r0r \neq 0の場合): 部分空間ではない。
(8) 1点からなる集合 {0}\{0\}: 和について閉じており、部分空間である。

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