(1) $n(n+1)(2n+1)$ が $n$ の値によらず6の倍数であることを証明する。 (2) $n(n+1)(2n+1)(3n^2 + 3n - 1)$ が $n$ の値によらず30の倍数であることを証明する。

1. 問題の内容

(1) $n(n+1)(2n+1)$ が $n$ の値によらず6の倍数であることを証明する。

(2) $n(n+1)(2n+1)(3n^2 + 3n - 1)$ が $n$ の値によらず30の倍数であることを証明する。

2. 解き方の手順

(1)

$n(n+1)(2n+1)$ が6の倍数であることを示すためには、2の倍数かつ3の倍数であることを示せばよい。

* 2の倍数であること:

$n$ または $n+1$ が偶数なので、$n(n+1)$ は常に偶数。したがって、$n(n+1)(2n+1)$ も偶数である。

* 3の倍数であること:

$n$, $n+1$, $n+2$ のいずれかは3の倍数である。

- $n$ が3の倍数のとき、$n(n+1)(2n+1)$ は3の倍数。

- $n+1$ が3の倍数のとき、$n(n+1)(2n+1)$ は3の倍数。

- $2n+1$ が3の倍数のとき、 $2n+1 = 3k$ （$k$は整数）とおける。

$n(n+1)(2n+1) = n(n+1)3k$となり、これは3の倍数。

また、$n+2=n-1+3$, $n-1 = n+2-3$より$n+2$が３の倍数なら$n-1$も3の倍数。

$2n+1 = 2(n-1) + 3 = 2(n+2-3) + 3 = 2(n+2) - 3 = 3k$,

$2(n+2) = 3k+3 = 3(k+1)$.

$n+2 = \frac{3}{2}(k+1)$. $n+2$が3の倍数にならない。

したがって、$n(n+1)(2n+1)$ は常に3の倍数である。

以上より、$n(n+1)(2n+1)$ は2の倍数かつ3の倍数なので、6の倍数である。

(2)

$n(n+1)(2n+1)(3n^2 + 3n - 1)$ が30の倍数であることを示すためには、2の倍数、3の倍数、5の倍数であることを示せばよい。

* 2の倍数であること:

$n$ または $n+1$ が偶数なので、$n(n+1)$ は常に偶数。したがって、$n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)$ も偶数である。

* 3の倍数であること:

(1)と同様に、$n(n+1)(2n+1)$ は3の倍数である。したがって、$n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)$ も3の倍数である。

* 5の倍数であること:

$n$ を5で割った余りを $r$ とすると、$r$ は 0, 1, 2, 3, 4 のいずれかである。

- $r=0$ のとき、$n$ は5の倍数なので、$n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)$ は5の倍数である。

- $r=1$ のとき、$3n^2 + 3n - 1 = 3(1)^2 + 3(1) - 1 = 3+3-1 = 5$ となり、5の倍数である。したがって、$n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)$ は5の倍数である。

- $r=2$ のとき、$2n+1 = 2(2)+1 = 5$となり、5の倍数である。したがって、$n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)$ は5の倍数である。

- $r=3$ のとき、$2n+1 = 2(3)+1 = 7$

$3n^2+3n-1 = 3(3)^2+3(3)-1 = 27+9-1 = 35$となるため、5の倍数である。

- $r=4$ のとき、$n+1=4+1=5$となるため、$n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)$ は5の倍数である。

したがって、$n(n+1)(2n+1)(3n^2 + 3n - 1)$ は常に5の倍数である。

以上より、$n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)$ は2の倍数、3の倍数、5の倍数なので、30の倍数である。

3. 最終的な答え

(1) $n(n+1)(2n+1)$ は6の倍数である。

(2) $n(n+1)(2n+1)(3n^2 + 3n - 1)$ は30の倍数である。