複素数 $z$ に対して、自然数 $n$ に対する $z^n = x_n + iy_n$ ($x_n, y_n$ は実数、$i$ は虚数単位)について、以下の問いに答える。 (1) $z = \cos \theta + i \sin \theta$ のとき、$x_n = \cos(n\theta)$ と $y_n = \sin(n\theta)$ が成り立つことを数学的帰納法で証明する。 (2) $z = r(\cos \theta + i \sin \theta)$ ($r$ は正の実数、$\theta$ は実数)のとき、数列 $\{x_n\}, \{y_n\}$ がともに $0$ に収束するための必要十分条件を、$r$ と $\theta$ の範囲で表す。また、$r$ が数列 $\{x_n\}, \{y_n\}$ がともに $0$ に収束するための十分条件であること、および必要条件であることの証明も行う。 (3) $z = \frac{1 + \sqrt{3}i}{10}$ のとき、無限級数 $\sum_{n=1}^{\infty} x_n$ と $\sum_{n=1}^{\infty} y_n$ はともに収束し、それぞれの和を求める。
2025/5/26
1. 問題の内容
複素数 に対して、自然数 に対する ( は実数、 は虚数単位)について、以下の問いに答える。
(1) のとき、 と が成り立つことを数学的帰納法で証明する。
(2) ( は正の実数、 は実数)のとき、数列 がともに に収束するための必要十分条件を、 と の範囲で表す。また、 が数列 がともに に収束するための十分条件であること、および必要条件であることの証明も行う。
(3) のとき、無限級数 と はともに収束し、それぞれの和を求める。
2. 解き方の手順
(1) 数学的帰納法で証明する。
* のとき、 となり成立する。
* のとき、 が成立すると仮定する。
* のとき、
* よって、 となり、 でも成立する。
* 以上より、数学的帰納法により、 と が任意の自然数 に対して成り立つ。
(2) より、 となる。数列 と がともに に収束するための必要十分条件は、 かつ である。
* に関して: ならば、 となり、数列 はともに に収束する。 ならば、 となるので、数列 はともに に収束しない。 ならば、 となり、 が の有理数倍でない限り収束しない。 が の有理数倍の場合は、 は周期的に変化するので、 ( は整数)のときのみとなり、はかを繰り返すため、0に収束しない。
* よって、 は数列 がともに に収束するための十分条件である。
* また、数列 がともに に収束するための必要条件は である。
* 必要十分条件は 。
(3) と表すと、
, より、
,
,
が成立する。
,
3. 最終的な答え
(2)
(3) ,