関数 $f: \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ と関数 $g: \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ の合成関数 $g \circ f: \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ について、以下の命題が正しいかどうかを判定し、正しければ証明し、正しくなければ反例を挙げよ。 (1) $g \circ f$ が連続関数ならば、$f$ も連続関数である。 (2) $g \circ f$ が連続関数ならば、$g$ も連続関数である。

解析学連続性合成関数関数反例
2025/5/27

1. 問題の内容

関数 f:RRf: \mathbb{R} \to \mathbb{R} と関数 g:RRg: \mathbb{R} \to \mathbb{R} の合成関数 gf:RRg \circ f: \mathbb{R} \to \mathbb{R} について、以下の命題が正しいかどうかを判定し、正しければ証明し、正しくなければ反例を挙げよ。
(1) gfg \circ f が連続関数ならば、ff も連続関数である。
(2) gfg \circ f が連続関数ならば、gg も連続関数である。

2. 解き方の手順

(1) gfg \circ f が連続関数ならば、ff も連続関数であるか?
これは正しくありません。反例を挙げます。
f(x)={0,x01,x=0f(x) = \begin{cases} 0, & x \ne 0 \\ 1, & x = 0 \end{cases}
g(x)={1,x=00,x0g(x) = \begin{cases} 1, & x = 0 \\ 0, & x \ne 0 \end{cases}
このとき、
(gf)(x)=g(f(x))={g(0),x0g(1),x=0={1,x00,x=0=g(x)(g \circ f)(x) = g(f(x)) = \begin{cases} g(0), & x \ne 0 \\ g(1), & x = 0 \end{cases} = \begin{cases} 1, & x \ne 0 \\ 0, & x = 0 \end{cases} = g(x)
しかし、これは定数関数 11 に等しくありません。正しくは、
(gf)(x)={1,x00,x=0(g \circ f)(x) = \begin{cases} 1, & x \ne 0 \\ 0, & x = 0 \end{cases}
これは、 f(x)f(x)x=0x=0 で連続ではなく、g(x)g(x)x=0x=0 で連続ではありません。しかし、
g(f(x))={g(0),x0g(1),x=0={1,x00,x=0g(f(x)) = \begin{cases} g(0), & x \ne 0 \\ g(1), & x = 0 \end{cases} = \begin{cases} 1, & x \ne 0 \\ 0, & x = 0 \end{cases}
より、gfg \circ fx=0x=0 で連続ではありません。
別の反例として、g(x)=0g(x)=0 という恒等的にゼロになる関数を選びます。この時、g(f(x))=0g(f(x))=0 となり、これは明らかに連続です。しかし、ff は連続である必要はありません。例えば、f(x)f(x) がどこか一点で不連続であれば、gfg \circ f は連続でも、ff は連続ではありません。
(2) gfg \circ f が連続関数ならば、gg も連続関数であるか?
これも正しくありません。反例を挙げます。
f(x)=0f(x) = 0 (恒等的にゼロ)
g(x)={0,x=01,x0g(x) = \begin{cases} 0, & x = 0 \\ 1, & x \ne 0 \end{cases}
このとき、
(gf)(x)=g(f(x))=g(0)=0(g \circ f)(x) = g(f(x)) = g(0) = 0
これは連続関数ですが、g(x)g(x)x=0x=0 で連続ではありません。

3. 最終的な答え

(1) gfg \circ f が連続関数ならば、ff も連続関数である:偽。反例:f(x)=0f(x) = 0, g(x)={0,x=01,x0g(x) = \begin{cases} 0, & x = 0 \\ 1, & x \ne 0 \end{cases}
(2) gfg \circ f が連続関数ならば、gg も連続関数である:偽。反例:f(x)=0f(x) = 0, g(x)={0,x=01,x0g(x) = \begin{cases} 0, & x = 0 \\ 1, & x \ne 0 \end{cases}

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