地上に置かれた熱気球に関する問題です。 (1) 地上において気球が受ける浮力を求めます。 (2) 気球が浮上するために必要な、風船内部の空気密度の条件を求めます。 (3) 風船内部の空気密度が(2)で求めた条件を満たすときの、気球内部の絶対温度を求めます。 記号の定義: - $T$: 地上の絶対温度 - $M$: 空気を除いた気球の質量 - $V$: 風船部分の体積 - $\rho$: 絶対温度$T$の時の空気の密度 - $P$: 地上付近の大気圧 - $R$: 気体定数 - $g$: 重力加速度

応用数学物理浮力理想気体の状態方程式数式処理熱力学
2025/5/28

1. 問題の内容

地上に置かれた熱気球に関する問題です。
(1) 地上において気球が受ける浮力を求めます。
(2) 気球が浮上するために必要な、風船内部の空気密度の条件を求めます。
(3) 風船内部の空気密度が(2)で求めた条件を満たすときの、気球内部の絶対温度を求めます。
記号の定義:
- TT: 地上の絶対温度
- MM: 空気を除いた気球の質量
- VV: 風船部分の体積
- ρ\rho: 絶対温度TTの時の空気の密度
- PP: 地上付近の大気圧
- RR: 気体定数
- gg: 重力加速度

2. 解き方の手順

(1) 浮力は、アルキメデスの原理より、排除した空気の重さに等しくなります。気球の体積はVVなので、排除した空気の質量はρV\rho Vとなります。したがって、浮力FBF_B
FB=ρVgF_B = \rho V g
(2) 気球が浮上する条件は、浮力FBF_Bが気球全体の重力FGF_Gより大きくなることです。気球全体の重力FGF_Gは、気球自体の重さMgMgと、風船内部の空気の重さρVg\rho' V gの和になります。ただし、ρ\rho'は風船内部の空気密度です。
したがって、
FG=Mg+ρVgF_G = Mg + \rho' V g
浮上する条件は、FB>FGF_B > F_Gなので、
ρVg>Mg+ρVg\rho V g > Mg + \rho' V g
ρVg<ρVgMg\rho' V g < \rho V g - Mg
ρ<ρMV\rho' < \rho - \frac{M}{V}
したがって、ρ<ρMV\rho' < \rho - \frac{M}{V}のとき、気球は浮上します。よって、ρ=ρMV\rho' = \rho - \frac{M}{V}
(3) 風船内部の空気密度がρ=ρMV\rho' = \rho - \frac{M}{V}のときの絶対温度TT'を求めます。
理想気体の状態方程式より、PV=nRTPV = nRTであり、n=m分子量=ρV分子量n = \frac{m}{分子量} = \frac{\rho V}{分子量}です。したがって、P=ρRT分子量P = \frac{\rho R T}{分子量}となります。
分子量R\frac{分子量}{R}は定数なので、これらをまとめてkkとおくと、P=kρTP = k\rho Tです。
風船内部の圧力は外部の圧力と等しいので、PPは一定です。
したがって、kρT=kρTk\rho T = k\rho' T'より、ρT=ρT\rho T = \rho' T'となります。
T=ρρT=ρρMVT=ρVρVMTT' = \frac{\rho}{\rho'} T = \frac{\rho}{\rho - \frac{M}{V}} T = \frac{\rho V}{\rho V - M} T

3. 最終的な答え

(1) 浮力: ρVg\rho V g
(2) ρ=ρMV\rho' = \rho - \frac{M}{V}
(3) 絶対温度: ρVρVMT\frac{\rho V}{\rho V - M} T

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