(1) 曲線 $y = x^3 - ax^2$ (a は正の定数)において、接線の傾きが $-a$ となる点がただ1つしか存在しないとき、$a$ の値を求めよ。また、このとき、この点における接線の方程式を求めよ。 (2) 2つの放物線 $y = x^2 + ax + a$ と $y = -2x^2 + x + 1$ が点 A を共有し、その点で共通な接線をもつとき、点 A の座標を求めよ。

解析学微分接線放物線二次関数
2025/5/28

1. 問題の内容

(1) 曲線 y=x3ax2y = x^3 - ax^2 (a は正の定数)において、接線の傾きが a-a となる点がただ1つしか存在しないとき、aa の値を求めよ。また、このとき、この点における接線の方程式を求めよ。
(2) 2つの放物線 y=x2+ax+ay = x^2 + ax + ay=2x2+x+1y = -2x^2 + x + 1 が点 A を共有し、その点で共通な接線をもつとき、点 A の座標を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
まず、y=x3ax2y = x^3 - ax^2 を微分して、接線の傾きを求める。
y=3x22axy' = 3x^2 - 2ax
接線の傾きが a-a となる点を求めるので、
3x22ax=a3x^2 - 2ax = -a
3x22ax+a=03x^2 - 2ax + a = 0
この2次方程式の解がただ1つである条件は、判別式 D=0D = 0 であること。
D=(2a)24(3)(a)=4a212a=4a(a3)=0D = (-2a)^2 - 4(3)(a) = 4a^2 - 12a = 4a(a - 3) = 0
aa は正の定数なので、a=3a = 3
このとき、3x26x+3=03x^2 - 6x + 3 = 0
x22x+1=0x^2 - 2x + 1 = 0
(x1)2=0(x - 1)^2 = 0
x=1x = 1
x=1x = 1 のとき、y=133(12)=13=2y = 1^3 - 3(1^2) = 1 - 3 = -2
接点は (1,2)(1, -2)
接線の方程式は、y(2)=3(x1)y - (-2) = -3(x - 1)
y+2=3x+3y + 2 = -3x + 3
y=3x+1y = -3x + 1
(2)
2つの放物線が点Aを共有するので、その点の xx 座標を tt とすると、
t2+at+a=2t2+t+1t^2 + at + a = -2t^2 + t + 1
3t2+(a1)t+(a1)=03t^2 + (a - 1)t + (a - 1) = 0 (1)
2つの放物線の導関数をそれぞれ計算する。
y=2x+ay' = 2x + a
y=4x+1y' = -4x + 1
点Aで共通の接線を持つので、接線の傾きが等しい。
2t+a=4t+12t + a = -4t + 1
6t=1a6t = 1 - a
t=1a6t = \frac{1 - a}{6} (2)
(2)を(1)に代入する。
3(1a6)2+(a1)(1a6)+(a1)=03(\frac{1 - a}{6})^2 + (a - 1)(\frac{1 - a}{6}) + (a - 1) = 0
3(1a)236+(a1)26+(a1)=0\frac{3(1 - a)^2}{36} + \frac{(a - 1)^2}{-6} + (a - 1) = 0
(1a)2122(a1)212+12(a1)12=0\frac{(1 - a)^2}{12} - \frac{2(a - 1)^2}{12} + \frac{12(a - 1)}{12} = 0
(1a)22(a1)2+12(a1)=0(1 - a)^2 - 2(a - 1)^2 + 12(a - 1) = 0
(a1)2(1)+12(a1)=0(a - 1)^2(-1) + 12(a - 1) = 0
(a1)2+12(a1)=0-(a - 1)^2 + 12(a - 1) = 0
(a1)(a+1+12)=0(a - 1)(-a + 1 + 12) = 0
(a1)(a+13)=0(a - 1)(-a + 13) = 0
a=1a = 1 または a=13a = 13
a=1a = 1 のとき、t=0t = 0
a=13a = 13 のとき、t=1136=126=2t = \frac{1 - 13}{6} = \frac{-12}{6} = -2
a=1a = 1 のとき、y=x2+x+1y = x^2 + x + 1 に代入して、y=02+0+1=1y = 0^2 + 0 + 1 = 1
a=13a = 13 のとき、y=x2+13x+13y = x^2 + 13x + 13 に代入して、y=(2)2+13(2)+13=426+13=9y = (-2)^2 + 13(-2) + 13 = 4 - 26 + 13 = -9
a=1a = 1 のとき、2つの放物線は y=x2+x+1y = x^2 + x + 1y=2x2+x+1y = -2x^2 + x + 1
a=13a = 13 のとき、2つの放物線は y=x2+13x+13y = x^2 + 13x + 13y=2x2+x+1y = -2x^2 + x + 1
2つの放物線が点Aを共有し、共通の接線を持つので、a=13a = 13
したがって、点 A の座標は (2,9)(-2, -9)

3. 最終的な答え

(1) a=3a = 3 、接線の方程式: y=3x+1y = -3x + 1
(2) 点Aの座標: (2,9)(-2, -9)

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