質量 $m$ の小物体を、地面から初速度 $v_0$、水平面からの角度 $\theta$ で斜め上に投げた。水平方向を $x$ 軸、鉛直上向きを $y$ 軸とし、投げた時刻を $0$、投げた位置を原点とする。重力加速度を $g$ として、以下の問いに答えよ。 (1) 初速度の水平成分 $v_{0x}$ を求めよ。 (2) 初速度の鉛直成分 $v_{0y}$ を求めよ。 (3) 投げてから $t$ 秒後の速度の $x$ 成分 $v_x$ を求めよ。 (4) 投げてから $t$ 秒後の速度の $y$ 成分 $v_y$ を求めよ。 (5) 投げてから $t$ 秒後の小物体の位置 $(x, y)$ を求めよ。 (6) 最高点に達する時間を求め、その時の速度の $x$ 成分と $y$ 成分を求めよ。 (7) 投げた位置から最高点までの水平距離と高さを求めよ。 (8) 投げてから再び地面に達するまでの時間と、その時の水平距離を求めよ。

応用数学力学放物運動ベクトル重力
2025/5/29

1. 問題の内容

質量 mm の小物体を、地面から初速度 v0v_0、水平面からの角度 θ\theta で斜め上に投げた。水平方向を xx 軸、鉛直上向きを yy 軸とし、投げた時刻を 00、投げた位置を原点とする。重力加速度を gg として、以下の問いに答えよ。
(1) 初速度の水平成分 v0xv_{0x} を求めよ。
(2) 初速度の鉛直成分 v0yv_{0y} を求めよ。
(3) 投げてから tt 秒後の速度の xx 成分 vxv_x を求めよ。
(4) 投げてから tt 秒後の速度の yy 成分 vyv_y を求めよ。
(5) 投げてから tt 秒後の小物体の位置 (x,y)(x, y) を求めよ。
(6) 最高点に達する時間を求め、その時の速度の xx 成分と yy 成分を求めよ。
(7) 投げた位置から最高点までの水平距離と高さを求めよ。
(8) 投げてから再び地面に達するまでの時間と、その時の水平距離を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 初速度の水平成分 v0xv_{0x} は、初速度 v0v_0xx 軸に射影したものであるから、
v0x=v0cosθv_{0x} = v_0 \cos\theta
(2) 初速度の鉛直成分 v0yv_{0y} は、初速度 v0v_0yy 軸に射影したものであるから、
v0y=v0sinθv_{0y} = v_0 \sin\theta
(3) 水平方向には力が働かないので、速度は一定である。したがって、
vx=v0x=v0cosθv_x = v_{0x} = v_0 \cos\theta
(4) 鉛直方向には重力加速度 g-g が働くので、
vy=v0ygt=v0sinθgtv_y = v_{0y} - gt = v_0 \sin\theta - gt
(5) 水平方向の運動は等速運動なので、
x=v0xt=v0cosθtx = v_{0x}t = v_0 \cos\theta \cdot t
鉛直方向の運動は等加速度運動なので、
y=v0yt12gt2=v0sinθt12gt2y = v_{0y}t - \frac{1}{2}gt^2 = v_0 \sin\theta \cdot t - \frac{1}{2}gt^2
(6) 最高点では vy=0v_y = 0 となるので、
0=v0sinθgttop0 = v_0 \sin\theta - gt_{top}
ttop=v0sinθgt_{top} = \frac{v_0 \sin\theta}{g}
このときの xx 成分は vx=v0cosθv_x = v_0 \cos\theta であり、yy 成分は vy=0v_y=0である。
(7) 最高点までの水平距離は、
xtop=v0cosθttop=v0cosθv0sinθg=v02sinθcosθg=v02sin(2θ)2gx_{top} = v_0 \cos\theta \cdot t_{top} = v_0 \cos\theta \cdot \frac{v_0 \sin\theta}{g} = \frac{v_0^2 \sin\theta \cos\theta}{g} = \frac{v_0^2 \sin(2\theta)}{2g}
最高点の高さは、
ytop=v0sinθttop12gttop2=v0sinθv0sinθg12g(v0sinθg)2=v02sin2θg12v02sin2θg=v02sin2θ2gy_{top} = v_0 \sin\theta \cdot t_{top} - \frac{1}{2}g t_{top}^2 = v_0 \sin\theta \cdot \frac{v_0 \sin\theta}{g} - \frac{1}{2}g \left(\frac{v_0 \sin\theta}{g}\right)^2 = \frac{v_0^2 \sin^2\theta}{g} - \frac{1}{2} \frac{v_0^2 \sin^2\theta}{g} = \frac{v_0^2 \sin^2\theta}{2g}
(8) 再び地面に達するまでの時間は、y=0y = 0 となる tt を求める。
0=v0sinθt12gt2=t(v0sinθ12gt)0 = v_0 \sin\theta \cdot t - \frac{1}{2}gt^2 = t(v_0 \sin\theta - \frac{1}{2}gt)
t=0t = 0 または v0sinθ12gt=0v_0 \sin\theta - \frac{1}{2}gt = 0 より、 t=2v0sinθgt = \frac{2v_0 \sin\theta}{g}
t=0t = 0 は初期状態なので、t=2v0sinθgt = \frac{2v_0 \sin\theta}{g} が求める時間である。
そのときの水平距離は、
x=v0cosθ2v0sinθg=2v02sinθcosθg=v02sin(2θ)gx = v_0 \cos\theta \cdot \frac{2v_0 \sin\theta}{g} = \frac{2v_0^2 \sin\theta \cos\theta}{g} = \frac{v_0^2 \sin(2\theta)}{g}

3. 最終的な答え

(1) v0x=v0cosθv_{0x} = v_0 \cos\theta
(2) v0y=v0sinθv_{0y} = v_0 \sin\theta
(3) vx=v0cosθv_x = v_0 \cos\theta
(4) vy=v0sinθgtv_y = v_0 \sin\theta - gt
(5) x=v0cosθtx = v_0 \cos\theta \cdot t, y=v0sinθt12gt2y = v_0 \sin\theta \cdot t - \frac{1}{2}gt^2
(6) ttop=v0sinθgt_{top} = \frac{v_0 \sin\theta}{g}, vx=v0cosθv_x = v_0 \cos\theta, vy=0v_y = 0
(7) xtop=v02sin(2θ)2gx_{top} = \frac{v_0^2 \sin(2\theta)}{2g}, ytop=v02sin2θ2gy_{top} = \frac{v_0^2 \sin^2\theta}{2g}
(8) t=2v0sinθgt = \frac{2v_0 \sin\theta}{g}, x=v02sin(2θ)gx = \frac{v_0^2 \sin(2\theta)}{g}

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