2枚のコインA, Bがある。コインAは表が出る確率が $1/2$ の公平なコインだが、コインBは表が出る確率が不明な歪んだコインである。2つのコインを同時に140回投げたとき、表が出た枚数X(0, 1, 2のいずれか)の出現回数が与えられている。コインBの表が出る確率を最尤推定により求める。

確率論・統計学確率最尤推定尤度関数コイン
2025/5/29

1. 問題の内容

2枚のコインA, Bがある。コインAは表が出る確率が 1/21/2 の公平なコインだが、コインBは表が出る確率が不明な歪んだコインである。2つのコインを同時に140回投げたとき、表が出た枚数X(0, 1, 2のいずれか)の出現回数が与えられている。コインBの表が出る確率を最尤推定により求める。

2. 解き方の手順

コインBの表が出る確率を pp とする。
X = 0, 1, 2となる確率をそれぞれ計算する。
X=0となる確率:コインAが裏で、コインBが裏の場合。
P(X=0)=(1/2)(1p)P(X=0) = (1/2)(1-p)
X=1となる確率:コインAが表でコインBが裏の場合、またはコインAが裏でコインBが表の場合。
P(X=1)=(1/2)(1p)+(1/2)p=(1/2)(1p+p)=1/2P(X=1) = (1/2)(1-p) + (1/2)p = (1/2)(1-p+p) = 1/2
X=2となる確率:コインAが表で、コインBが表の場合。
P(X=2)=(1/2)pP(X=2) = (1/2)p
尤度関数Lを定義する。
L(p)=P(X=0)42P(X=1)70P(X=2)28=[(1/2)(1p)]42(1/2)70[(1/2)p]28L(p) = P(X=0)^{42} P(X=1)^{70} P(X=2)^{28} = [(1/2)(1-p)]^{42} (1/2)^{70} [(1/2)p]^{28}
対数尤度関数を求める。
logL(p)=42log[(1/2)(1p)]+70log(1/2)+28log[(1/2)p]log L(p) = 42log[(1/2)(1-p)] + 70log(1/2) + 28log[(1/2)p]
=42[log(1/2)+log(1p)]+70log(1/2)+28[log(1/2)+log(p)]= 42[log(1/2) + log(1-p)] + 70log(1/2) + 28[log(1/2) + log(p)]
=42log(1/2)+42log(1p)+70log(1/2)+28log(1/2)+28log(p)= 42log(1/2) + 42log(1-p) + 70log(1/2) + 28log(1/2) + 28log(p)
=140log(1/2)+42log(1p)+28log(p)= 140log(1/2) + 42log(1-p) + 28log(p)
logL(p)log L(p)pp で微分する。
ddplogL(p)=0+4211p+281p=421p+28p\frac{d}{dp}log L(p) = 0 + 42\frac{-1}{1-p} + 28\frac{1}{p} = \frac{-42}{1-p} + \frac{28}{p}
微分した関数が0になるppを求める。
421p+28p=0\frac{-42}{1-p} + \frac{28}{p} = 0
28p=421p\frac{28}{p} = \frac{42}{1-p}
28(1p)=42p28(1-p) = 42p
2828p=42p28 - 28p = 42p
28=70p28 = 70p
p=2870=25=0.4p = \frac{28}{70} = \frac{2}{5} = 0.4
小数第3位を四捨五入する指示があるため、0.400と考える。

3. 最終的な答え

0. 40

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