(1) 整数 $n$ が3の倍数でないとき、$n^2 - 1$ が3の倍数であることを証明する。 (2) $n^4 + 2n^3 - 3n^2$ が4の倍数であることを証明する。

数論整数の性質倍数証明合同式
2025/5/29

1. 問題の内容

(1) 整数 nn が3の倍数でないとき、n21n^2 - 1 が3の倍数であることを証明する。
(2) n4+2n33n2n^4 + 2n^3 - 3n^2 が4の倍数であることを証明する。

2. 解き方の手順

(1) nn が3の倍数でないとき、n=3k+1n = 3k+1 または n=3k+2n = 3k+2 (kは整数) と表せる。
- n=3k+1n = 3k+1 のとき、n21=(3k+1)21=9k2+6k+11=9k2+6k=3(3k2+2k)n^2 - 1 = (3k+1)^2 - 1 = 9k^2 + 6k + 1 - 1 = 9k^2 + 6k = 3(3k^2 + 2k)
3k2+2k3k^2+2k は整数なので、n21n^2-1 は3の倍数である。
- n=3k+2n = 3k+2 のとき、n21=(3k+2)21=9k2+12k+41=9k2+12k+3=3(3k2+4k+1)n^2 - 1 = (3k+2)^2 - 1 = 9k^2 + 12k + 4 - 1 = 9k^2 + 12k + 3 = 3(3k^2 + 4k + 1)
3k2+4k+13k^2+4k+1 は整数なので、n21n^2-1 は3の倍数である。
いずれの場合も n21n^2-1 は3の倍数である。
(2) n4+2n33n2=n2(n2+2n3)=n2(n+3)(n1)=(n1)n2(n+3)n^4 + 2n^3 - 3n^2 = n^2(n^2 + 2n - 3) = n^2(n+3)(n-1) = (n-1)n^2(n+3)
- nn が偶数のとき、n=2kn = 2k (kは整数) と表せる。
n4+2n33n2=(2k1)(2k)2(2k+3)=4k2(2k1)(2k+3)n^4 + 2n^3 - 3n^2 = (2k-1)(2k)^2(2k+3) = 4k^2(2k-1)(2k+3)
k2(2k1)(2k+3)k^2(2k-1)(2k+3) は整数なので、n4+2n33n2n^4 + 2n^3 - 3n^2 は4の倍数である。
- nn が奇数のとき、n=2k+1n = 2k+1 (kは整数) と表せる。
n4+2n33n2=(2k+11)(2k+1)2(2k+1+3)=2k(2k+1)2(2k+4)=4k(2k+1)2(k+2)n^4 + 2n^3 - 3n^2 = (2k+1-1)(2k+1)^2(2k+1+3) = 2k(2k+1)^2(2k+4) = 4k(2k+1)^2(k+2)
k(2k+1)2(k+2)k(2k+1)^2(k+2) は整数なので、n4+2n33n2n^4 + 2n^3 - 3n^2 は4の倍数である。
いずれの場合も n4+2n33n2n^4 + 2n^3 - 3n^2 は4の倍数である。

3. 最終的な答え

(1) nn が3の倍数でないならば、n21n^2-1 は3の倍数である。(証明終わり)
(2) n4+2n33n2n^4 + 2n^3 - 3n^2 は4の倍数である。(証明終わり)

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