$n$ は自然数とする。1 から $n$ までの自然数で、$n$ と互いに素であるものの個数を $f(n)$ とするとき、$f(85)$ を求め、また $f(pq) = 120$ となる 2 つの素数 $p$, $q$ ($p < q$) の組の個数とそのうち最も大きい $q$ を求めよ。

数論素数互いに素最大公約数オイラー関数
2025/5/29

1. 問題の内容

nn は自然数とする。1 から nn までの自然数で、nn と互いに素であるものの個数を f(n)f(n) とするとき、f(85)f(85) を求め、また f(pq)=120f(pq) = 120 となる 2 つの素数 pp, qq (p<qp < q) の組の個数とそのうち最も大きい qq を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) f(85)f(85) を求める。
85=5×1785 = 5 \times 17 であるから、f(85)f(85) は 1 から 85 までの自然数で、5 と 17 のどちらでも割り切れないものの個数である。
1 から 85 までの自然数の中で、5 で割り切れるものは 85/5=1785/5 = 17 個、17 で割り切れるものは 85/17=585/17 = 5 個ある。また、5 と 17 の両方で割り切れるもの (すなわち 85 で割り切れるもの) は 1 個である。したがって、5 または 17 で割り切れるものの個数は 17+51=2117 + 5 - 1 = 21 個である。
よって、5 と 17 のどちらでも割り切れないものの個数は 8521=6485 - 21 = 64 個である。
したがって、f(85)=64f(85) = 64 である。
(2) f(pq)=120f(pq) = 120 となる素数 pp, qq (p<qp < q) の組を求める。
f(pq)f(pq)11 から pqpq までの自然数の中で、ppqq のどちらでも割り切れないものの個数である。11 から pqpq までの自然数の中で、pp で割り切れるものは qq 個、qq で割り切れるものは pp 個、ppqq の両方で割り切れるものは 1 個である。したがって、pp または qq で割り切れるものの個数は p+q1p + q - 1 個である。
よって、ppqq のどちらでも割り切れないものの個数は pq(p+q1)pq - (p + q - 1) 個であるから、
f(pq)=pqpq+1=(p1)(q1)f(pq) = pq - p - q + 1 = (p-1)(q-1) となる。
f(pq)=120f(pq) = 120 なので、 (p1)(q1)=120(p-1)(q-1) = 120 である。
p1<q1p-1 < q-1 であり、p1p-1q1q-1 は自然数であるから、120120 を 2 つの自然数の積に分解する。
120=1×120=2×60=3×40=4×30=5×24=6×20=8×15=10×12120 = 1 \times 120 = 2 \times 60 = 3 \times 40 = 4 \times 30 = 5 \times 24 = 6 \times 20 = 8 \times 15 = 10 \times 12
ppqq は素数であるから、p1p-1q1q-1 に 1 を足したものが素数になる必要がある。
p1=1p-1 = 1 のとき p=2p = 2, q1=120q-1 = 120 より q=121=112q = 121 = 11^2 (素数ではない)
p1=2p-1 = 2 のとき p=3p = 3, q1=60q-1 = 60 より q=61q = 61 (素数)
p1=3p-1 = 3 のとき p=4p = 4 (素数ではない)
p1=4p-1 = 4 のとき p=5p = 5, q1=30q-1 = 30 より q=31q = 31 (素数)
p1=5p-1 = 5 のとき p=6p = 6 (素数ではない)
p1=6p-1 = 6 のとき p=7p = 7, q1=20q-1 = 20 より q=21q = 21 (素数ではない)
p1=8p-1 = 8 のとき p=9p = 9 (素数ではない)
p1=10p-1 = 10 のとき p=11p = 11, q1=12q-1 = 12 より q=13q = 13 (素数)
したがって、f(pq)=120f(pq) = 120 となる素数 pp, qq (p<qp < q) の組は (3,61)(3, 61), (5,31)(5, 31), (11,13)(11, 13) の 3 組である。
これらのうち、最も大きい qq は 61 である。

3. 最終的な答え

f(85)=64f(85) = 64
f(pq)=120f(pq) = 120 となる 2 つの素数 pp, qq (p<qp < q) の組は全部で 3 組あり、そのうち最も大きい qq は 61 である。

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