$n$ を自然数とするとき、$11^n - 1$ が $10$ の倍数であることを数学的帰納法によって証明する。

数論数学的帰納法倍数不等式整数の性質
2025/3/26
## 問題75

1. 問題の内容

nn を自然数とするとき、11n111^n - 11010 の倍数であることを数学的帰納法によって証明する。

2. 解き方の手順

(1) n=1n=1 のとき
1111=111=1011^1 - 1 = 11 - 1 = 10 であり、10101010 の倍数であるから、n=1n=1 のとき成り立つ。
(2) n=kn=k のとき成り立つと仮定する。
すなわち、11k1=10m11^k - 1 = 10m (mm は整数) と仮定する。
(3) n=k+1n=k+1 のときを考える。
11k+11=1111k111^{k+1} - 1 = 11 \cdot 11^k - 1
ここで、11k=10m+111^k = 10m + 1 (仮定より) なので、
11k+11=11(10m+1)1=110m+111=110m+10=10(11m+1)11^{k+1} - 1 = 11(10m + 1) - 1 = 110m + 11 - 1 = 110m + 10 = 10(11m + 1)
11m+111m + 1 は整数なので、10(11m+1)10(11m+1)1010 の倍数である。したがって、n=k+1n=k+1 のときも成り立つ。
(1), (2), (3) より、すべての自然数 nn に対して、11n111^n - 11010 の倍数である。

3. 最終的な答え

すべての自然数 nn に対して、11n111^n - 11010 の倍数である。
## 問題76

1. 問題の内容

n5n \geq 5 を満たす自然数 nn に対して、2n>n22^n > n^2 が成り立つことを数学的帰納法によって証明する。

2. 解き方の手順

(1) n=5n=5 のとき
25=322^5 = 32, 52=255^2 = 25 なので、25>522^5 > 5^2 が成り立つ。
(2) n=kn=k (k5k \geq 5) のとき成り立つと仮定する。
すなわち、2k>k22^k > k^2 と仮定する。
(3) n=k+1n=k+1 のときを考える。
2k+1=22k>2k22^{k+1} = 2 \cdot 2^k > 2k^2 (仮定より)
ここで、2k2>(k+1)2=k2+2k+12k^2 > (k+1)^2 = k^2 + 2k + 1 を示す必要がある。
すなわち、k22k1>0k^2 - 2k - 1 > 0 を示す。
k22k1=(k1)22k^2 - 2k - 1 = (k-1)^2 - 2
k5k \geq 5 より、k14k-1 \geq 4 なので、(k1)216(k-1)^2 \geq 16
したがって、(k1)22162=14>0(k-1)^2 - 2 \geq 16 - 2 = 14 > 0
よって、k22k1>0k^2 - 2k - 1 > 0 であるから、2k2>(k+1)22k^2 > (k+1)^2 が成り立つ。
したがって、2k+1>2k2>(k+1)22^{k+1} > 2k^2 > (k+1)^2 より、2k+1>(k+1)22^{k+1} > (k+1)^2 が成り立つ。つまり、n=k+1n=k+1 のときも成り立つ。
(1), (2), (3) より、n5n \geq 5 を満たすすべての自然数 nn に対して、2n>n22^n > n^2 が成り立つ。

3. 最終的な答え

n5n \geq 5 を満たすすべての自然数 nn に対して、2n>n22^n > n^2 が成り立つ。

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