自然数 $a, b$ を用いて $x = 3a + 8b$ と表すことのできない最大の自然数 $x$ を求め、また、$x = 3a + 8b$ ($a, b$ は自然数) と表すことのできない自然数 $x$ の個数を求める問題です。

数論フロベニウスの硬貨問題整数論一次不定方程式
2025/5/29

1. 問題の内容

自然数 a,ba, b を用いて x=3a+8bx = 3a + 8b と表すことのできない最大の自然数 xx を求め、また、x=3a+8bx = 3a + 8b (a,ba, b は自然数) と表すことのできない自然数 xx の個数を求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、x=3a+8bx = 3a + 8b (ただし、a,ba, b は自然数) と表せない最大の整数を求めます。一般に、a,ba, b が自然数の場合、この問題はフロベニウスの硬貨問題と呼ばれます。
x=3a+8bx = 3a + 8b (a,b1a, b \geq 1 の整数) と表せない最大の整数を求めるには、a,b0a, b \geq 0 (非負整数) の場合の最大の整数を求め、そこから調整します。
3388 は互いに素なので、非負整数 a,ba, b を用いて 3a+8b3a + 8b で表せない最大の整数は 3×838=2411=133 \times 8 - 3 - 8 = 24 - 11 = 13 です。
a,b1a, b \geq 1 の場合は、 3a+8b=3(a+1)+8(b+1)=3a+8b+3+8=3a+8b+113a + 8b = 3(a' + 1) + 8(b' + 1) = 3a' + 8b' + 3 + 8 = 3a' + 8b' + 11 (ただし、a=a1,b=b1a' = a - 1, b' = b - 1 なので、a,b0a', b' \geq 0)と表せます。よって、3a+8b3a + 8b (a,b1a, b \geq 1) で表せない最大の整数は、13+11=2413 + 11 = 24 ではありません。
3a+8b3a + 8b で表せない最大の整数を NN とすると、N+11=3a+8bN + 11 = 3a' + 8b' で表せる必要があります。
x=3a+8bx = 3a + 8b (ただし、a,ba, b は自然数) と表せない最大の整数は、3388 が互いに素であることから、
3×838=2411=133 \times 8 - 3 - 8 = 24 - 11 = 13 は、a,ba, b が非負整数の場合の 3a+8b3a+8b で表せない最大の整数です。
3a+8b=n3a + 8b = n と表せるためには、a1,b1a \geq 1, b \geq 1 でなければなりません。
したがって、3(a+1)+8(b+1)=n3(a' + 1) + 8(b' + 1) = n とすると、3a+8b+11=n3a' + 8b' + 11 = n となり、a,b0a', b' \geq 0 です。
3a+8b3a + 8b (a,b1a, b \geq 1) で表せない最大の整数を求めます。
nnが、3a+8b3a+8b (a,bは自然数) で表せるとします。n+3=3(a+1)+8bn+3 = 3(a+1)+8b と表せます。同様に、n+8=3a+8(b+1)n+8=3a+8(b+1)と表せます。
n=3a+8bn=3a+8bと表せない数字を小さい順に並べると、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,221,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,22などが表せません。
一方、21=31+82+4,23,25,26,27,28,29,30,31,32,34,3521=3*1+8*2+4,23,25,26,27,28,29,30,31,32,34,35
a,b1a, b \geq 1 なので、 3a+8b3+8=113a + 8b \geq 3 + 8 = 11 です。14=32+8114 = 3*2 + 8*1
17=33+8117 = 3*3 + 8*1
19=31+8219 = 3*1 + 8*2
20=34+8120=3*4+8*1
22=32+8222=3*2+8*2
x=3a+8bx = 3a + 8b で表せないのは、1,2,4,5,7,10,13,16,191,2,4,5,7,10,13,16,19 があります。n=2a+5bn=2a+5b で表せないのは、1,31,3 です。
x=3a+8bx = 3a + 8bで表せない最大の整数は、1313です。
a,ba, b が自然数なので、x=3a+8bx = 3a+8b で表せないのは、1,2,4,5,7,10,131,2,4,5,7,10,13 だけではなく、3,6,9,123,6,9,12などもダメです。
n=1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,...n = 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, ...
表せる数:11=3+8,12=34,14=32+8,15=35,16=82,17=33+8,18=36,19=3+82,20=34+8,21=37,22=32+82=14+811 = 3 + 8, 12 = 3 * 4, 14 = 3 * 2 + 8, 15 = 3 * 5, 16 = 8 * 2, 17 = 3 * 3 + 8, 18 = 3 * 6, 19 = 3 + 8 * 2, 20 = 3 * 4 + 8, 21 = 3 * 7, 22 = 3 * 2 + 8 * 2 = 14+8
表せない数:1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,13,16,191, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 13, 16, 19
1,2,4,5,7,10,131, 2, 4, 5, 7, 10, 13 です。表せない最大の整数は、13です。
表せない数の個数を求めます。
表せる数は、最小で1111から始まります。11,12,14,15,16,17,18,19,...11, 12, 14, 15, 16, 17, 18, 19,...と続いていきます。
1313以下の表せない数は、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,131, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 13 です。
表せない数は、1,2,4,5,7,10,131, 2, 4, 5, 7, 10, 13 です。
したがって、表せない数の個数は、7です。

3. 最終的な答え

最大の自然数 xx1313 である。
表すことのできない自然数 xx77 個ある。

「数論」の関連問題

問題4(1): 2桁の自然数について、その数の一の位の数の4倍を足すと5の倍数になることを説明せよ。

整数の性質倍数桁数
2025/7/27

7で割ると2余り、9で割ると7余る自然数 $n$ を、63で割ったときの余りを求めよ。

合同式剰余中国剰余定理
2025/7/27

次の2つの不定方程式の整数解を全て求める問題です。 (1) $11x + 8y = 1$ (2) $56x - 23y = 2$

不定方程式整数解ユークリッドの互除法
2025/7/27

7の2022乗の1の位の数を求める問題です。つまり、$7^{2022}$ の一の位を求める問題です。

整数の性質累乗周期性mod
2025/7/27

与えられた線形方程式 $25x - 61y = 12$ を解くことを求められています。ただし、整数解を求めることを想定します。

ディオファントス方程式整数解拡張ユークリッドの互除法
2025/7/27

$n$ は自然数とする。$n+1$ は 6 の倍数であり、$n+4$ は 9 の倍数であるとき、$n+13$ は 18 の倍数であることを証明する。

整数の性質倍数合同式証明
2025/7/27

正の整数 $n$ が与えられたとき、$n$, 175, 250 の最大公約数が 25 であり、最小公倍数が 3500 であるような $n$ をすべて求める問題です。

最大公約数最小公倍数素因数分解
2025/7/27

整数 $n$ について、以下の3つの命題を証明する。 (1) $n^2 + 3n$ は偶数である。 (2) $n^3 + 3n^2 + 2n$ は6の倍数である。 (3) $n$ が奇数ならば、$n^...

整数の性質倍数因数分解偶数奇数
2025/7/27

$m$, $n$, $k$ は自然数とする。命題「積 $mnk$ は偶数ならば、$m$, $n$, $k$ の少なくとも1つは偶数である」が真であることを証明する。

命題対偶整数の性質偶数奇数証明
2025/7/27

整数 $n$ について、「$n^3 + 1$ が奇数ならば、$n$ は偶数である」という命題を、対偶を用いて証明する。

命題証明対偶整数の性質偶数奇数代数
2025/7/27