ある国の経済が有効需要モデルに従っている。 モデルは以下の式で表される。 $Y = C + I + G$ $C = 100 + 0.8Y$ ここで、$Y$は国民所得、$C$は消費、$I$は民間投資、$G$は政府支出である。 (1) 民間投資 $I$ が100、政府支出 $G$ が200であるときの均衡国民所得 $Y^B$ を求める。 (2) 政府支出 $G$ がさらに10増加したときの均衡国民所得 $Y^A$ を求める。 (3) 需要が増加した場合の、この経済の乗数を求める。

応用数学経済モデル有効需要モデル均衡国民所得乗数
2025/5/30

1. 問題の内容

ある国の経済が有効需要モデルに従っている。
モデルは以下の式で表される。
Y=C+I+GY = C + I + G
C=100+0.8YC = 100 + 0.8Y
ここで、YYは国民所得、CCは消費、IIは民間投資、GGは政府支出である。
(1) 民間投資 II が100、政府支出 GG が200であるときの均衡国民所得 YBY^B を求める。
(2) 政府支出 GG がさらに10増加したときの均衡国民所得 YAY^A を求める。
(3) 需要が増加した場合の、この経済の乗数を求める。

2. 解き方の手順

(1) 均衡国民所得 YBY^B を求める。
Y=C+I+GY = C + I + GC=100+0.8YC = 100 + 0.8Y, I=100I = 100, G=200G = 200を代入する。
Y=(100+0.8Y)+100+200Y = (100 + 0.8Y) + 100 + 200
Y=400+0.8YY = 400 + 0.8Y
0.2Y=4000.2Y = 400
Y=4000.2=2000Y = \frac{400}{0.2} = 2000
よって、YB=2000Y^B = 2000
(2) 政府支出が10増加したときの均衡国民所得 YAY^A を求める。
I=100I = 100, G=200+10=210G = 200 + 10 = 210を代入する。
Y=(100+0.8Y)+100+210Y = (100 + 0.8Y) + 100 + 210
Y=410+0.8YY = 410 + 0.8Y
0.2Y=4100.2Y = 410
Y=4100.2=2050Y = \frac{410}{0.2} = 2050
よって、YA=2050Y^A = 2050
(3) 需要が増加した場合の乗数を求める。
乗数は、政府支出の変化に対する国民所得の変化の比率である。
政府支出が10増加したとき、国民所得は20502000=502050 - 2000 = 50増加した。
したがって、乗数は 5010=5\frac{50}{10} = 5 である。
別解:
Y=C+I+GY = C + I + G
C=100+0.8YC = 100 + 0.8Y
Y=100+0.8Y+I+GY = 100 + 0.8Y + I + G
Y0.8Y=100+I+GY - 0.8Y = 100 + I + G
0.2Y=100+I+G0.2Y = 100 + I + G
Y=5(100+I+G)Y = 5(100 + I + G)
Y=500+5I+5GY = 500 + 5I + 5G
Y=500+5I+5GY = 500 + 5I + 5G
乗数は政府支出の係数なので、5である。

3. 最終的な答え

(1) YB=2000Y^B = 2000
(2) YA=2050Y^A = 2050
(3) 乗数 = 5

「応用数学」の関連問題

ラスパイレス価格指数($P_L$)とパーシェ価格指数($P_P$)の関係について述べられています。具体的には、まず基準時点の支出シェアのウェイト$w_{i0}$が定義され、$P_L$, 数量指数($Q...

価格指数統計学経済学共分散
2025/5/31

空欄 1 から 5 に当てはまるものを、選択肢 1 から 10 の中から選ぶ問題です。 与えられた情報から、ラスパイレス価格指数($P_L$)、パーシェ価格指数($P_P$)、数量指数($Q_L$)、...

価格指数ラスパイレス指数パーシェ指数数量指数経済指標
2025/5/31

x-z平面上の2次元ベクトル場 $\vec{F} = -\frac{1}{2}z\hat{i} + x\hat{k}$ の回転を計算します。ここで $\hat{i}$ はx軸方向の単位ベクトル、$\h...

ベクトル場回転偏微分ベクトル解析
2025/5/31

$x$-$y$ 平面上の2次元ベクトル場 $\vec{F} = -2\vec{i} + x\vec{j}$ を図示せよ。

ベクトル場ベクトル解析図示
2025/5/31

バネ定数$k$のバネで壁に取り付けられた、質量$m$の2つの振動子が、バネ定数$k'$のバネで繋がれた連成振動系について考察します。 (a) それぞれの質点の平衡位置からの変位を$x_1$, $x_2...

力学振動連成振動微分方程式線形代数
2025/5/31

与えられた式 $T = 2\pi \sqrt{\frac{I}{Mgh}}$, $h = l+r$, $I = m(l+r)^2 + \frac{2}{5}mr^2$ から、$g = \frac{4\...

物理公式変形数式処理力学
2025/5/31

空欄1~5に当てはまる選択肢を1~10の中から選ぶ問題です。

統計共分散相関係数
2025/5/30

与えられた経済学の問題は、ラスパイレス価格指数($P_L$)とパーシェ価格指数($P_P$)の関係について考察し、文章中の空欄を埋める問題です。空欄は全部で5つあります。

経済学価格指数統計学共分散数式展開
2025/5/30

ラスパイレス価格指数 $P_L$ とパーシェ価格指数 $P_P$ の関係に関する穴埋め問題です。 与えられた式を参考に、空欄1から5に当てはまるものを選択します。

経済学価格指数ラスパイレス指数パーシェ指数統計
2025/5/30

画像に示された数式に基づいて、空欄 [2] と [3] を埋める問題です。特に、共分散 $s_{PQ}$ の式 $s_{PQ} = \sum_{i=1}^{n} w_{i0} (\frac{P_{it...

統計共分散数式展開データ分析
2025/5/30