問題は、人工衛星の運動に関する3つの問いから構成されています。 (i) 半径 $r$ の円運動をする質量 $m$ の人工衛星の速度と周期を、万有引力定数 $G$ と地球の質量 $M$ を用いて求める。 (ii) 地球付近での重力加速度 $g$ が、$g = \frac{GM}{R^2}$ で与えられることを、万有引力の式と $mg$ が等しいことから示す。ここで、$R$ は地球の半径です。 (iii) 地表すれすれの円軌道上を等速で回る人工衛星の速度を、地表付近での重力加速度 $g = 9.8 \ m/s^2$ と地球の半径 $R = 6.4 \times 10^6 \ m$ を用いて求める。

応用数学力学万有引力円運動物理
2025/5/30

1. 問題の内容

問題は、人工衛星の運動に関する3つの問いから構成されています。
(i) 半径 rr の円運動をする質量 mm の人工衛星の速度と周期を、万有引力定数 GG と地球の質量 MM を用いて求める。
(ii) 地球付近での重力加速度 gg が、g=GMR2g = \frac{GM}{R^2} で与えられることを、万有引力の式と mgmg が等しいことから示す。ここで、RR は地球の半径です。
(iii) 地表すれすれの円軌道上を等速で回る人工衛星の速度を、地表付近での重力加速度 g=9.8 m/s2g = 9.8 \ m/s^2 と地球の半径 R=6.4×106 mR = 6.4 \times 10^6 \ m を用いて求める。

2. 解き方の手順

(i) 人工衛星の円運動において、万有引力が向心力となる。万有引力は GMmr2\frac{GMm}{r^2} であり、向心力は mv2rm\frac{v^2}{r} であるから、
GMmr2=mv2r \frac{GMm}{r^2} = m\frac{v^2}{r}
これを vv について解くと、
v=GMr v = \sqrt{\frac{GM}{r}}
周期 TT は円周 2πr2\pi r を速度 vv で割ったものなので、
T=2πrv=2πrGMr=2πr3GM T = \frac{2\pi r}{v} = \frac{2\pi r}{\sqrt{\frac{GM}{r}}} = 2\pi \sqrt{\frac{r^3}{GM}}
(ii) 地球の質量を MM、半径を RR とすると、地球表面にある質量 mm の物体に働く万有引力は GMmR2\frac{GMm}{R^2} である。
一方、重力は mgmg であるから、
mg=GMmR2 mg = \frac{GMm}{R^2}
両辺を mm で割ると、
g=GMR2 g = \frac{GM}{R^2}
が示される。
(iii) 地表すれすれの円軌道を回る人工衛星の半径は、地球の半径 RR に等しい。したがって、(i) で求めた速度の式において、r=Rr = R とすればよい。
v=GMR v = \sqrt{\frac{GM}{R}}
(ii)より、GM=gR2GM = gR^2 であるから、
v=gR2R=gR v = \sqrt{\frac{gR^2}{R}} = \sqrt{gR}
g=9.8 m/s2g = 9.8 \ m/s^2R=6.4×106 mR = 6.4 \times 10^6 \ m を代入すると、
v=9.8×6.4×106=62.72×106=7.92×103 m/s=7.92 km/s v = \sqrt{9.8 \times 6.4 \times 10^6} = \sqrt{62.72 \times 10^6} = 7.92 \times 10^3 \ m/s = 7.92 \ km/s

3. 最終的な答え

(i) 人工衛星の速度: v=GMrv = \sqrt{\frac{GM}{r}}
人工衛星の周期: T=2πr3GMT = 2\pi \sqrt{\frac{r^3}{GM}}
(ii) g=GMR2g = \frac{GM}{R^2} (証明終わり)
(iii) 地表すれすれの円軌道上の人工衛星の速度: 7.92 km/s7.92 \ km/s

「応用数学」の関連問題

関数 $f(x, y) = \frac{xy}{2}$ の、条件 $g(x, y) = (\frac{x}{2})^2 + y^2 - 1 = 0$ の下での最大値と最小値を、ラグランジュの未定乗数法...

ラグランジュの未定乗数法最大値最小値多変数関数
2025/5/31

(i) 厚さ12mmのガラス板の熱貫流率を求め、面積1.0 m$^2$、温度差10℃のときの熱流H[W]を求める。ガラスの熱伝導率は0.55 W/(m・K)。 (ii) 熱貫流率が$\lambda_1...

熱伝導熱貫流率物理
2025/5/31

問題は、板材の熱貫流率に関する以下の3つの部分から構成されています。 (i) 厚さ12mmのガラス板の熱貫流率から、面積1.0 m²、温度差10℃の時の熱の流れ $H$ を求める。 (ii) 熱貫流率...

熱伝導物理方程式計算
2025/5/31

0.2 mol/kgの塩化マグネシウム水溶液の25℃における化学ポテンシャルを計算します。塩化マグネシウムの標準状態化学ポテンシャルは$\mu^\circ$、気体定数$R = 8.314$ J/(mo...

化学ポテンシャル熱力学活量モル濃度理想溶液
2025/5/31

関数 $f(x, y) = \frac{xy}{2}$ の条件 $g(x, y) = (\frac{x}{2})^2 + y^2 - 1 = 0$ の下での最大値と最小値を、Lagrangeの未定乗数...

Lagrangeの未定乗数法多変数関数最大値最小値制約条件
2025/5/31

関数 $f(x, y) = \frac{xy}{2}$ について、条件 $g(x, y) = (\frac{x}{2})^2 + y^2 - 1 = 0$ のもとで、ラグランジュの未定乗数法を用いて最...

ラグランジュの未定乗数法多変数関数最大値最小値偏微分
2025/5/31

与えられた関数 $f(x,y)$ に対して、制約条件 $g(x,y) = 0$ の下で、ラグランジュの未定乗数法を用いて最大値と最小値を求めます。問題は2つあります。 (5) $f(x,y) = x+...

ラグランジュの未定乗数法最大値最小値多変数関数偏微分
2025/5/31

問題は、ラグランジュの未定乗数法を用いて、制約条件 $g(x, y) = 0$ の下で関数 $f(x, y)$ の最大値と最小値を求める問題です。具体的には、以下の2つの問題が与えられています。 5)...

ラグランジュの未定乗数法最大値最小値偏微分制約条件
2025/5/31

(i) 厚さ12mmのガラス板の熱貫流率から、面積1.0 $m^2$、温度差10℃のときの熱流H [W]を求める。ガラスの熱伝導率は0.55 W/(m・K)。 (ii) 熱貫流率$\lambda_1$...

熱伝導熱貫流率熱流物理
2025/5/31

1 mol の理想気体を温度 $T$ の環境下で体積 $V_1$ から $V_2$ まで膨張させる。 (1) 内部エネルギーの変化量を求める。 (2) 以下の 3 つの方法でピストンを動かしたとき、気...

熱力学理想気体内部エネルギー仕事積分
2025/5/31