次の極限を求めよ: $\lim_{x \to 0} \frac{x}{e^x - e^{-x}}$

解析学極限ロピタルの定理指数関数微分
2025/5/30

1. 問題の内容

次の極限を求めよ:
limx0xexex\lim_{x \to 0} \frac{x}{e^x - e^{-x}}

2. 解き方の手順

まず、与えられた極限にx=0x=0を代入してみると、分子は0、分母はe0e0=11=0e^0 - e^{-0} = 1 - 1 = 0となるため、00\frac{0}{0}の不定形であることがわかります。
したがって、ロピタルの定理を適用できます。
ロピタルの定理とは、limxaf(x)g(x)\lim_{x \to a} \frac{f(x)}{g(x)}00\frac{0}{0}または\frac{\infty}{\infty}の不定形であるとき、もしlimxaf(x)g(x)\lim_{x \to a} \frac{f'(x)}{g'(x)}が存在すれば、
limxaf(x)g(x)=limxaf(x)g(x)\lim_{x \to a} \frac{f(x)}{g(x)} = \lim_{x \to a} \frac{f'(x)}{g'(x)}
が成り立つというものです。
今回の問題では、f(x)=xf(x) = xg(x)=exexg(x) = e^x - e^{-x}なので、それぞれの導関数を求めます。
f(x)=1f'(x) = 1
g(x)=ex(1)ex=ex+exg'(x) = e^x - (-1)e^{-x} = e^x + e^{-x}
したがって、ロピタルの定理より、
limx0xexex=limx01ex+ex\lim_{x \to 0} \frac{x}{e^x - e^{-x}} = \lim_{x \to 0} \frac{1}{e^x + e^{-x}}
ここで、x=0x = 0を代入すると、
limx01ex+ex=1e0+e0=11+1=12\lim_{x \to 0} \frac{1}{e^x + e^{-x}} = \frac{1}{e^0 + e^{-0}} = \frac{1}{1 + 1} = \frac{1}{2}

3. 最終的な答え

12\frac{1}{2}

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