与えられた $n$ 次正方行列の行列式を計算し、その結果が $1 + x^2 + x^4 + \dots + x^{2n}$ であることを示します。 行列の要素は、$1+x^2$ が対角成分、$x$ が対角成分のすぐ隣の成分、$0$ がその他の成分です。

代数学行列式数学的帰納法正方行列
2025/5/30

1. 問題の内容

与えられた nn 次正方行列の行列式を計算し、その結果が 1+x2+x4++x2n1 + x^2 + x^4 + \dots + x^{2n} であることを示します。 行列の要素は、1+x21+x^2 が対角成分、xx が対角成分のすぐ隣の成分、00 がその他の成分です。

2. 解き方の手順

行列式を DnD_n とします。
n=1n=1 のとき、D1=1+x2D_1 = 1+x^2 です。
n=2n=2 のとき、
D2=1+x2xx1+x2=(1+x2)2x2=1+2x2+x4x2=1+x2+x4D_2 = \begin{vmatrix} 1+x^2 & x \\ x & 1+x^2 \end{vmatrix} = (1+x^2)^2 - x^2 = 1+2x^2+x^4-x^2 = 1+x^2+x^4
一般に、DnD_n は次のように表されます。
Dn=(1+x2)Dn1x2Dn2D_n = (1+x^2)D_{n-1} - x^2D_{n-2}
数学的帰納法を用いて、Dn=1+x2+x4++x2nD_n = 1 + x^2 + x^4 + \dots + x^{2n} を証明します。
n=1,2n=1, 2 のとき、成り立つことは既に示しました。
kk まで成り立つと仮定します。つまり、Dk=1+x2+x4++x2kD_k = 1 + x^2 + x^4 + \dots + x^{2k} です。
k+1k+1 のとき、
Dk+1=(1+x2)Dkx2Dk1D_{k+1} = (1+x^2)D_k - x^2 D_{k-1}
=(1+x2)(1+x2+x4++x2k)x2(1+x2+x4++x2(k1))= (1+x^2)(1 + x^2 + x^4 + \dots + x^{2k}) - x^2(1 + x^2 + x^4 + \dots + x^{2(k-1)})
=(1+x2+x4++x2k)+(x2+x4+x6++x2k+2)(x2+x4+x6++x2k)= (1 + x^2 + x^4 + \dots + x^{2k}) + (x^2 + x^4 + x^6 + \dots + x^{2k+2}) - (x^2 + x^4 + x^6 + \dots + x^{2k})
=1+x2+x4++x2k+x2k+2= 1 + x^2 + x^4 + \dots + x^{2k} + x^{2k+2}
=1+x2+x4++x2(k+1)= 1 + x^2 + x^4 + \dots + x^{2(k+1)}
したがって、n=k+1n=k+1 のときも成り立ちます。
数学的帰納法により、すべての nn に対して、Dn=1+x2+x4++x2nD_n = 1 + x^2 + x^4 + \dots + x^{2n} が成り立ちます。

3. 最終的な答え

1+x2+x4++x2n1 + x^2 + x^4 + \dots + x^{2n}

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