まず、行列 A の行列式 ∣A∣ を定義に従って計算する。 次に、第2行に関する余因子展開を計算する。
最後に、両方の結果が等しいことを示す。
行列式 ∣A∣ は、例えば第1行で展開すると、以下のようになる。 ∣A∣=a11(a22a33−a23a32)−a12(a21a33−a23a31)+a13(a21a32−a22a31) 次に、第2行に関する余因子展開を計算する。
余因子 Cij は、行列 A から第 i 行と第 j 列を取り除いた行列の行列式に (−1)i+j をかけたものである。 第2行に関する余因子展開は以下のようになる。
∣A∣=a21C21+a22C22+a23C23 ここで、C21, C22, C23 はそれぞれ以下のようになる。 C21=(−1)2+1a12a32a13a33=−(a12a33−a13a32) C22=(−1)2+2a11a31a13a33=a11a33−a13a31 C23=(−1)2+3a11a31a12a32=−(a11a32−a12a31) したがって、第2行に関する余因子展開は以下のようになる。
∣A∣=a21[−(a12a33−a13a32)]+a22[a11a33−a13a31]+a23[−(a11a32−a12a31)] =−a21a12a33+a21a13a32+a22a11a33−a22a13a31−a23a11a32+a23a12a31 標準的な展開による ∣A∣ は以下のようになる。 ∣A∣=a11a22a33+a12a23a31+a13a21a32−a11a23a32−a12a21a33−a13a22a31 第2行での展開による ∣A∣ は以下のようになる。 ∣A∣=−a21(a12a33−a13a32)+a22(a11a33−a13a31)−a23(a11a32−a12a31) =a11a22a33+a12a23a31+a13a21a32−a11a23a32−a12a21a33−a13a22a31 したがって、標準的な展開と第2行での余因子展開は等しい。