$a > 0$ とする。$a^b = b^a$, $a < b$ を満たす数 $b$ が存在するような $a$ の範囲を求めよ。

代数学対数関数の増減方程式の解不等式
2025/5/31
はい、承知いたしました。問題6を解きます。

1. 問題の内容

a>0a > 0 とする。ab=baa^b = b^a, a<ba < b を満たす数 bb が存在するような aa の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、ab=baa^b = b^a の両辺の対数をとります。自然対数(底がee)をとると、
bloga=alogbb \log a = a \log b
となります。これを整理すると、
logaa=logbb\frac{\log a}{a} = \frac{\log b}{b}
となります。ここで、f(x)=logxxf(x) = \frac{\log x}{x} という関数を定義します。このとき、f(a)=f(b)f(a) = f(b) であり、a<ba < b です。
f(x)f(x) の増減を調べます。f(x)=1xxlogx1x2=1logxx2f'(x) = \frac{\frac{1}{x} \cdot x - \log x \cdot 1}{x^2} = \frac{1 - \log x}{x^2} となります。
f(x)=0f'(x) = 0 となるのは 1logx=01 - \log x = 0、つまり logx=1\log x = 1 のときなので、x=ex = e です。
したがって、x<ex < e のとき f(x)>0f'(x) > 0 であり、x>ex > e のとき f(x)<0f'(x) < 0 です。つまり、f(x)f(x)x=ex = e で極大値(かつ最大値)を持ちます。
f(a)=f(b)f(a) = f(b) かつ a<ba < b であるためには、a<ea < e かつ b>eb > e でなければなりません。
また、a>0a>0という条件も与えられています。
ここで、a=2a = 2 のとき、24=422^4 = 4^2 なので、b=4b = 4 とすれば a<ba < b を満たします。したがって、a=2a=2は条件を満たします。
a=1a = 1 のとき、1b=b11^b = b^1 より 1=b1 = b となり、a<ba < b を満たしません。
aa を固定したときに条件を満たす bb が存在するためには、0<a<e0 < a < e であり、bbf(b)=f(a)f(b) = f(a) かつ b>ab > a を満たせばよいです。特に、aaeeに近いほど、f(a)f(a)の値は大きくなり、bbが存在できる範囲は狭まります。f(a)=f(b)f(a) = f(b)なるbbが存在する条件から、a<ea < e に加え、a>1a>1も必要となります。
したがって、1<a<e1 < a < e の範囲で、f(a)=f(b)f(a) = f(b) を満たす b>ab > a が存在することが必要十分です。
f(x)f(x) のグラフを描くと、x>1x > 1f(x)f(x) は一度増加して減少するので、1<a<e1 < a < e に対して a<ba < b となる bb が存在します。したがって、1<a<e1 < a < e が答えとなります。ただし、e2.718e \approx 2.718です。

3. 最終的な答え

1<a<e1 < a < e

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