問題1は、3次元空間内の4点 A(2,1,3), B(3,3,5), C(4,-1,4), D(3,5,8) が与えられ、3点 A, B, C を含む平面Πについて、以下の問題を解くものです。 (1) ベクトル $\overrightarrow{AB}, \overrightarrow{AC}, \overrightarrow{AB} \cdot \overrightarrow{AC}$ を計算し、$\overrightarrow{AB}$ と $\overrightarrow{AC}$ のなす角$\theta$ ($0 \leq \theta \leq \pi$) を求める。 (2) 平面Πの方程式を $ax+by+cz+d=0$ の形で求める。 (3) 平面Πと点Dの距離を求める。 (4) 四面体 ABCD の体積を求める。 問題2は、座標空間において、A(1,2,3), B(6, 5, 4), C(5,3,8), D(-5,-5、2)とする。また、方程式 $3x-4y+5z+6=0$ によって定まる平面をIIとし、点Cを中心とする半径$\sqrt{21}$の球面をSとする。 (1) 直線ABの、媒介変数tによる方程式を求めよ。 (2) 球面Sの方程式を答えよ。 (3) 直線ABと球面Sの交点を求めよ。 (4) 直線ABと平面目の交点を求めよ。 (5) (3) の2つ交点のうち、点Aからより離れた方の点をE、(4)の交点をFとし、線分EFを2:3に内分する点をGとする。$\overrightarrow{DG}$を法線ベクトルとする任意の平面と平面IIとのなす角を$\theta(0 \leq \theta \leq \frac{\pi}{2})$として、$\cos{\theta}$の値を求めよ。

幾何学ベクトル空間図形平面直線球面体積距離交点内分点法線ベクトル
2025/5/31

1. 問題の内容

問題1は、3次元空間内の4点 A(2,1,3), B(3,3,5), C(4,-1,4), D(3,5,8) が与えられ、3点 A, B, C を含む平面Πについて、以下の問題を解くものです。
(1) ベクトル AB,AC,ABAC\overrightarrow{AB}, \overrightarrow{AC}, \overrightarrow{AB} \cdot \overrightarrow{AC} を計算し、AB\overrightarrow{AB}AC\overrightarrow{AC} のなす角θ\theta (0θπ0 \leq \theta \leq \pi) を求める。
(2) 平面Πの方程式を ax+by+cz+d=0ax+by+cz+d=0 の形で求める。
(3) 平面Πと点Dの距離を求める。
(4) 四面体 ABCD の体積を求める。
問題2は、座標空間において、A(1,2,3), B(6, 5, 4), C(5,3,8), D(-5,-5、2)とする。また、方程式 3x4y+5z+6=03x-4y+5z+6=0 によって定まる平面をIIとし、点Cを中心とする半径21\sqrt{21}の球面をSとする。
(1) 直線ABの、媒介変数tによる方程式を求めよ。
(2) 球面Sの方程式を答えよ。
(3) 直線ABと球面Sの交点を求めよ。
(4) 直線ABと平面目の交点を求めよ。
(5) (3) の2つ交点のうち、点Aからより離れた方の点をE、(4)の交点をFとし、線分EFを2:3に内分する点をGとする。DG\overrightarrow{DG}を法線ベクトルとする任意の平面と平面IIとのなす角をθ(0θπ2)\theta(0 \leq \theta \leq \frac{\pi}{2})として、cosθ\cos{\theta}の値を求めよ。

2. 解き方の手順

問題1
(1)
AB=(32,31,53)=(1,2,2)\overrightarrow{AB} = (3-2, 3-1, 5-3) = (1, 2, 2)
AC=(42,11,43)=(2,2,1)\overrightarrow{AC} = (4-2, -1-1, 4-3) = (2, -2, 1)
ABAC=(1)(2)+(2)(2)+(2)(1)=24+2=0\overrightarrow{AB} \cdot \overrightarrow{AC} = (1)(2) + (2)(-2) + (2)(1) = 2 - 4 + 2 = 0
cosθ=ABACABAC=0ABAC=0\cos \theta = \frac{\overrightarrow{AB} \cdot \overrightarrow{AC}}{|\overrightarrow{AB}| |\overrightarrow{AC}|} = \frac{0}{|\overrightarrow{AB}| |\overrightarrow{AC}|} = 0
よって、θ=π2\theta = \frac{\pi}{2}
(2)
AB=(1,2,2)\overrightarrow{AB} = (1, 2, 2)AC=(2,2,1)\overrightarrow{AC} = (2, -2, 1)に垂直なベクトル n\vec{n} は、これらの外積で与えられます。
n=AB×AC=(212(2),2211,1(2)22)=(6,3,6)\vec{n} = \overrightarrow{AB} \times \overrightarrow{AC} = (2\cdot1 - 2\cdot(-2), 2\cdot2 - 1\cdot1, 1\cdot(-2) - 2\cdot2) = (6, 3, -6)
n=(6,3,6)\vec{n} = (6, 3, -6) は平面の法線ベクトルなので、平面の方程式は 6x+3y6z+d=06x + 3y - 6z + d = 0 と表せます。
点A(2, 1, 3) を通るので、
6(2)+3(1)6(3)+d=06(2) + 3(1) - 6(3) + d = 0
12+318+d=012 + 3 - 18 + d = 0
3+d=0-3 + d = 0
d=3d = 3
したがって、平面の方程式は 6x+3y6z+3=06x + 3y - 6z + 3 = 0
これは 2x+y2z+1=02x + y - 2z + 1 = 0 と簡略化できます。
(3)
点D(3, 5, 8) と平面 2x+y2z+1=02x + y - 2z + 1 = 0 の距離 ll は、
l=2(3)+52(8)+122+12+(2)2=6+516+14+1+4=43=43l = \frac{|2(3) + 5 - 2(8) + 1|}{\sqrt{2^2 + 1^2 + (-2)^2}} = \frac{|6 + 5 - 16 + 1|}{\sqrt{4 + 1 + 4}} = \frac{|-4|}{3} = \frac{4}{3}
(4)
四面体 ABCD の体積 V は、
V=16(AB×AC)ADV = \frac{1}{6} | (\overrightarrow{AB} \times \overrightarrow{AC}) \cdot \overrightarrow{AD} |
AD=(32,51,83)=(1,4,5)\overrightarrow{AD} = (3-2, 5-1, 8-3) = (1, 4, 5)
(AB×AC)AD=(6,3,6)(1,4,5)=6+1230=12(\overrightarrow{AB} \times \overrightarrow{AC}) \cdot \overrightarrow{AD} = (6, 3, -6) \cdot (1, 4, 5) = 6 + 12 - 30 = -12
V=1612=16(12)=2V = \frac{1}{6} |-12| = \frac{1}{6} (12) = 2
問題2
(1)
直線ABの媒介変数表示は、
p=(1t)a+tb=(1t)(1,2,3)+t(6,5,4)=(1+5t,2+3t,3+t)\vec{p} = (1-t)\vec{a} + t\vec{b} = (1-t)(1,2,3) + t(6,5,4) = (1+5t, 2+3t, 3+t)
つまり、 x=1+5t,y=2+3t,z=3+tx = 1+5t, y=2+3t, z=3+t
(2)
球面Sの方程式は、中心C(5,3,8)、半径21\sqrt{21}であるから、
(x5)2+(y3)2+(z8)2=21(x-5)^2 + (y-3)^2 + (z-8)^2 = 21
(3)
直線AB上の点を(1+5t, 2+3t, 3+t)とする。これが球面S上の点であるためには、
(1+5t5)2+(2+3t3)2+(3+t8)2=21(1+5t-5)^2 + (2+3t-3)^2 + (3+t-8)^2 = 21
(5t4)2+(3t1)2+(t5)2=21(5t-4)^2 + (3t-1)^2 + (t-5)^2 = 21
25t240t+16+9t26t+1+t210t+25=2125t^2 - 40t + 16 + 9t^2 - 6t + 1 + t^2 - 10t + 25 = 21
35t256t+42=2135t^2 - 56t + 42 = 21
35t256t+21=035t^2 - 56t + 21 = 0
5t28t+3=05t^2 - 8t + 3 = 0
(5t3)(t1)=0(5t-3)(t-1) = 0
t=1,t=3/5t=1, t=3/5
t=1t=1のとき、(6,5,4)
t=3/5t=3/5のとき、(1+3, 2+9/5, 3+3/5)=(4, 19/5, 18/5)
交点は (6,5,4) と (4, 19/5, 18/5)
(4)
直線AB上の点を(1+5t, 2+3t, 3+t)とする。これが平面II上の点であるためには、
3(1+5t)4(2+3t)+5(3+t)+6=03(1+5t) - 4(2+3t) + 5(3+t) + 6 = 0
3+15t812t+15+5t+6=03+15t - 8 - 12t + 15 + 5t + 6 = 0
8t+16=08t + 16 = 0
t=2t = -2
x=1+5(2)=9x = 1 + 5(-2) = -9
y=2+3(2)=4y = 2 + 3(-2) = -4
z=3+(2)=1z = 3 + (-2) = 1
交点は (-9,-4,1)
(5)
(3)の2つの交点のうち、点A(1,2,3)からより離れた方の点は (6,5,4)。よってE(6,5,4)
(4)の交点はF(-9,-4,1)
EFを2:3に内分する点G
g=35e+25f=35(6,5,4)+25(9,4,1)=(18185,1585,12+25)=(0,75,145)\vec{g} = \frac{3}{5} \vec{e} + \frac{2}{5} \vec{f} = \frac{3}{5}(6,5,4) + \frac{2}{5}(-9,-4,1) = (\frac{18-18}{5}, \frac{15-8}{5}, \frac{12+2}{5}) = (0, \frac{7}{5}, \frac{14}{5})
DG=(0(5),75(5),1452)=(5,325,45)\overrightarrow{DG} = (0-(-5), \frac{7}{5}-(-5), \frac{14}{5}-2) = (5, \frac{32}{5}, \frac{4}{5})
平面IIの法線ベクトルは、(3,-4,5)
cosθ=(5,325,45)(3,4,5)(5,325,45)(3,4,5)=151285+425+(325)2+(45)29+16+25=19128525+1024+162550=95128525+10402552=33552625+104025=33/55216655=3353330\cos\theta = \frac{|(5, \frac{32}{5}, \frac{4}{5}) \cdot (3, -4, 5)|}{|(5, \frac{32}{5}, \frac{4}{5})| |(3, -4, 5)|} = \frac{|15 - \frac{128}{5} + 4|}{\sqrt{25 + (\frac{32}{5})^2 + (\frac{4}{5})^2} \sqrt{9 + 16 + 25}} = \frac{|19-\frac{128}{5}|}{\sqrt{25 + \frac{1024+16}{25}} \sqrt{50}} = \frac{|\frac{95-128}{5}|}{\sqrt{25 + \frac{1040}{25}} 5\sqrt{2}} = \frac{\frac{33}{5}}{5\sqrt{2} \sqrt{\frac{625+1040}{25}}} = \frac{33/5}{5\sqrt{2} \frac{\sqrt{1665}}{5}} = \frac{33}{5\sqrt{3330}}

3. 最終的な答え

問題1
(1) AB=(1,2,2),AC=(2,2,1),ABAC=0,θ=π2\overrightarrow{AB} = (1, 2, 2), \overrightarrow{AC} = (2, -2, 1), \overrightarrow{AB} \cdot \overrightarrow{AC} = 0, \theta = \frac{\pi}{2}
(2) 2x+y2z+1=02x + y - 2z + 1 = 0
(3) 43\frac{4}{3}
(4) 2
問題2
(1) x=1+5t,y=2+3t,z=3+tx = 1+5t, y=2+3t, z=3+t
(2) (x5)2+(y3)2+(z8)2=21(x-5)^2 + (y-3)^2 + (z-8)^2 = 21
(3) (6,5,4) と (4, 19/5, 18/5)
(4) (-9,-4,1)
(5) 3353330\frac{33}{5\sqrt{3330}}

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