与えられた2つの不定方程式の整数解を全て求める問題です。 (1) $3x - 5y = 1$ (2) $75x + 64y = 1$

代数学不定方程式整数解ユークリッドの互除法
2025/5/31

1. 問題の内容

与えられた2つの不定方程式の整数解を全て求める問題です。
(1) 3x5y=13x - 5y = 1
(2) 75x+64y=175x + 64y = 1

2. 解き方の手順

(1) 3x5y=13x - 5y = 1
まず、特殊解を1つ見つけます。
x=2x = 2, y=1y = 13x5y=13x - 5y = 1 を満たします。つまり、3(2)5(1)=13(2) - 5(1) = 1
与えられた方程式 3x5y=13x - 5y = 13(2)5(1)=13(2) - 5(1) = 1 の差をとると、
3x3(2)5y+5(1)=03x - 3(2) - 5y + 5(1) = 0
3(x2)=5(y1)3(x - 2) = 5(y - 1)
3と5は互いに素なので、x2=5kx - 2 = 5k (kk は整数) とおくことができます。
x=5k+2x = 5k + 2
このとき、3(5k)=5(y1)3(5k) = 5(y - 1) より、y1=3ky - 1 = 3k
y=3k+1y = 3k + 1
したがって、すべての整数解は x=5k+2x = 5k + 2, y=3k+1y = 3k + 1 (kk は整数) と表されます。
(2) 75x+64y=175x + 64y = 1
まず、特殊解を1つ見つけます。
ユークリッドの互除法を利用して、75756464 の最大公約数を求めます。
75=641+1175 = 64 \cdot 1 + 11
64=115+964 = 11 \cdot 5 + 9
11=91+211 = 9 \cdot 1 + 2
9=24+19 = 2 \cdot 4 + 1
2=12+02 = 1 \cdot 2 + 0
最大公約数は1なので、不定方程式の解が存在します。
次に、ユークリッドの互除法の式を逆にたどります。
1=9241 = 9 - 2 \cdot 4
1=9(1191)4=9114+94=951141 = 9 - (11 - 9 \cdot 1) \cdot 4 = 9 - 11 \cdot 4 + 9 \cdot 4 = 9 \cdot 5 - 11 \cdot 4
1=(64115)5114=6451125114=64511291 = (64 - 11 \cdot 5) \cdot 5 - 11 \cdot 4 = 64 \cdot 5 - 11 \cdot 25 - 11 \cdot 4 = 64 \cdot 5 - 11 \cdot 29
1=645(75641)29=6457529+6429=643475291 = 64 \cdot 5 - (75 - 64 \cdot 1) \cdot 29 = 64 \cdot 5 - 75 \cdot 29 + 64 \cdot 29 = 64 \cdot 34 - 75 \cdot 29
1=75(29)+64(34)1 = 75(-29) + 64(34)
したがって、x=29x = -29, y=34y = 34 が特殊解の1つです。
与えられた方程式 75x+64y=175x + 64y = 175(29)+64(34)=175(-29) + 64(34) = 1 の差をとると、
75(x+29)+64(y34)=075(x + 29) + 64(y - 34) = 0
75(x+29)=64(y34)75(x + 29) = -64(y - 34)
75と64は互いに素なので、x+29=64kx + 29 = 64k (kk は整数) とおくことができます。
x=64k29x = 64k - 29
このとき、75(64k)=64(y34)75(64k) = -64(y - 34) より、75k=(y34)75k = -(y - 34)
y34=75ky - 34 = -75k
y=75k+34y = -75k + 34
したがって、すべての整数解は x=64k29x = 64k - 29, y=75k+34y = -75k + 34 (kk は整数) と表されます。

3. 最終的な答え

(1) x=5k+2x = 5k + 2, y=3k+1y = 3k + 1 (kk は整数)
(2) x=64k29x = 64k - 29, y=75k+34y = -75k + 34 (kk は整数)

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