(i) ウィーンの変位則を利用して温度を求めます。ウィーンの変位則は
λmaxT=b ここでλmaxは最も強度の高い波長、Tは絶対温度、bはウィーンの変位定数で、b=2.898×10−3 m Kです。λmax=1.07μm=1.07×10−6 mなので、 T=λmaxb=1.07×10−6 m2.898×10−3 m K=2708.41 K (ii) 問題文には(i)で求めた温度を用いてプランクの法則から可視光線と赤外線の放出エネルギーが与えられています。全エネルギーはこれらの和で与えられます。
WV=2.2×102 kW/m2=2.2×105 W/m2 WIR=2.8×103 kW/m2=2.8×106 W/m2 よって、単位時間・単位面積あたりの放出エネルギー W は W=WV+WIR=2.2×105 W/m2+2.8×106 W/m2=3.02×106 W/m2 (iii) 発熱体の表面積 A=0.30 cm2=0.30×10−4 m2 なので、放出されるエネルギーは W×A=3.02×106 W/m2×0.30×10−4 m2=90.6 W (iv) 全エネルギーに対する可視光のエネルギーの割合は
WV+WIRWV=3.02×1062.2×105=0.0728 全エネルギーに対する赤外線のエネルギーの割合は
WV+WIRWIR=3.02×1062.8×106=0.9272 赤外線の割合が非常に高いため、白熱電灯は照明器というよりは赤外線照射器(暖房機器)であると言えます。