正三角形ABCの頂点Aに点Pがある。硬貨を投げて表が出れば時計回りに、裏が出れば反時計回りに隣の頂点に移動する。硬貨をn回投げたとき、点Pが頂点Aに戻る確率を$a_n$とする。 (1) $n \ge 2$に対し、$a_n$を$a_{n-1}$を用いて表せ。 (2) $a_n$を求めよ。

確率論・統計学確率漸化式確率過程
2025/6/1

1. 問題の内容

正三角形ABCの頂点Aに点Pがある。硬貨を投げて表が出れば時計回りに、裏が出れば反時計回りに隣の頂点に移動する。硬貨をn回投げたとき、点Pが頂点Aに戻る確率をana_nとする。
(1) n2n \ge 2に対し、ana_nan1a_{n-1}を用いて表せ。
(2) ana_nを求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
n回目に点Pが頂点Aにあるのは、n-1回目に点Pが頂点BまたはCにあり、n回目に点PがAに戻る場合である。
n-1回目に点Pが頂点Aにない確率 1an11 - a_{n-1} であり、これは点Pが頂点BまたはCにある確率に等しい。点Pが頂点Bにある確率は(1an1)/2(1 - a_{n-1})/2、点Pが頂点Cにある確率は(1an1)/2(1 - a_{n-1})/2である。
n回目に点Pが頂点Aに戻る確率は、n-1回目に頂点Bにいた場合に裏が出る確率1/21/2、または、n-1回目に頂点Cにいた場合に表が出る確率1/21/2である。
したがって、
an=121an12+121an12a_n = \frac{1}{2} \cdot \frac{1 - a_{n-1}}{2} + \frac{1}{2} \cdot \frac{1 - a_{n-1}}{2}
an=12(1an1)a_n = \frac{1}{2} (1 - a_{n-1})
(2)
漸化式 an=12(1an1)a_n = \frac{1}{2} (1 - a_{n-1}) を解く。
an13=12(an113)a_n - \frac{1}{3} = -\frac{1}{2} (a_{n-1} - \frac{1}{3})
ここで、a1=0a_1 = 0 より、a2=12(1a1)=12a_2 = \frac{1}{2}(1 - a_1) = \frac{1}{2}
an13=(a213)(12)n2a_n - \frac{1}{3} = (a_2 - \frac{1}{3}) (-\frac{1}{2})^{n-2}
an13=(1213)(12)n2a_n - \frac{1}{3} = (\frac{1}{2} - \frac{1}{3}) (-\frac{1}{2})^{n-2}
an13=16(12)n2a_n - \frac{1}{3} = \frac{1}{6} (-\frac{1}{2})^{n-2}
an=13+16(12)n2a_n = \frac{1}{3} + \frac{1}{6} (-\frac{1}{2})^{n-2}
an=13+16(12)n2=13+23(12)na_n = \frac{1}{3} + \frac{1}{6} (-\frac{1}{2})^{n-2} = \frac{1}{3} + \frac{2}{3} (-\frac{1}{2})^n

3. 最終的な答え

(1) an=12(1an1)a_n = \frac{1}{2}(1 - a_{n-1})
(2) an=13+23(12)na_n = \frac{1}{3} + \frac{2}{3} (-\frac{1}{2})^n

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