$x$ に関する3次方程式 $x^3 - ax + 2 = 0$ が異なる2つの実数解を持つような $a$ の値と、実数解をただ1つ持つような $a$ の値のうち、最大の整数を求める問題です。問題文には $a=3$ と $a=4$ が答えとして書かれていますが、どのように導出されたのかを説明します。

代数学三次方程式実数解極値微分
2025/6/2

1. 問題の内容

xx に関する3次方程式 x3ax+2=0x^3 - ax + 2 = 0 が異なる2つの実数解を持つような aa の値と、実数解をただ1つ持つような aa の値のうち、最大の整数を求める問題です。問題文には a=3a=3a=4a=4 が答えとして書かれていますが、どのように導出されたのかを説明します。

2. 解き方の手順

与えられた方程式を f(x)=x3ax+2=0f(x) = x^3 - ax + 2 = 0 とおきます。
f(x)=0f(x) = 0 が異なる2つの実数解を持つためには、f(x)f(x) が極値を持ち、極大値または極小値が0になる必要があります。f(x)=3x2af'(x) = 3x^2 - a となります。
f(x)=0f'(x) = 0 となる xx の値は x=±a3x = \pm \sqrt{\frac{a}{3}} です。a>0a > 0 である必要があります。
f(x)f(x) が極値を持つためには、f(x)=0f'(x) = 0 となる xx の値が異なる2つ存在する必要があるからです。
x=α,βx = \alpha, \beta で極値を持つとします。f(α)=0f(\alpha) = 0 または f(β)=0f(\beta) = 0 である必要があります。
また、f(α)f(β)=0f(\alpha)f(\beta) = 0 が必要です。
f(x)=3x2af'(x) = 3x^2 - a より、f(x)=0f'(x) = 0 の解は x=±a3x = \pm \sqrt{\frac{a}{3}} です。
f(x)=x3ax+2f(x) = x^3 - ax + 2x=±a3x = \pm \sqrt{\frac{a}{3}} を代入すると、
f(a3)=(a3)32aa3+2=(a3)323(a3)32+2=2(a3)32+2f(\sqrt{\frac{a}{3}}) = (\frac{a}{3})^{\frac{3}{2}} - a \sqrt{\frac{a}{3}} + 2 = (\frac{a}{3})^{\frac{3}{2}} - 3 (\frac{a}{3})^{\frac{3}{2}} + 2 = -2 (\frac{a}{3})^{\frac{3}{2}} + 2
f(a3)=(a3)32+aa3+2=(a3)32+3(a3)32+2=2(a3)32+2f(-\sqrt{\frac{a}{3}}) = -(\frac{a}{3})^{\frac{3}{2}} + a \sqrt{\frac{a}{3}} + 2 = -(\frac{a}{3})^{\frac{3}{2}} + 3 (\frac{a}{3})^{\frac{3}{2}} + 2 = 2 (\frac{a}{3})^{\frac{3}{2}} + 2
f(a3)=0f(\sqrt{\frac{a}{3}}) = 0 のとき、2(a3)32+2=0-2 (\frac{a}{3})^{\frac{3}{2}} + 2 = 0 より (a3)32=1(\frac{a}{3})^{\frac{3}{2}} = 1 なので a3=1\frac{a}{3} = 1 となり、a=3a = 3 です。
f(a3)=0f(-\sqrt{\frac{a}{3}}) = 0 のとき、2(a3)32+2=02 (\frac{a}{3})^{\frac{3}{2}} + 2 = 0 となりますが、これは (a3)32=1(\frac{a}{3})^{\frac{3}{2}} = -1 となり、実数解を持たないため不適です。
a=3a=3 のとき、x33x+2=0x^3 - 3x + 2 = 0 を解くと、(x1)2(x+2)=0(x-1)^2(x+2) = 0 より x=1,2x=1, -2 となり、確かに異なる2つの実数解を持ちます。
実数解をただ1つ持つような aa の値の範囲を考えます。f(x)=x3ax+2f(x) = x^3 - ax + 2 のグラフを考えます。a<3a < 3 の時、実数解を1つ持ちます。aa を大きくすると f(x)=0f(x) = 0 の解が1つになることがあります。
f(x)=3x2a=0f'(x) = 3x^2 - a = 0 となる xx の値は x=±a3x = \pm \sqrt{\frac{a}{3}} です。このとき極大値と極小値を持つので、f(a3)f(a3)>0f(\sqrt{\frac{a}{3}}) f(-\sqrt{\frac{a}{3}}) > 0 であれば実数解を1つだけ持ちます。
f(a3)f(a3)=(2(a3)32+2)(2(a3)32+2)=44(a3)3>0f(\sqrt{\frac{a}{3}}) f(-\sqrt{\frac{a}{3}}) = ( -2 (\frac{a}{3})^{\frac{3}{2}} + 2 ) ( 2 (\frac{a}{3})^{\frac{3}{2}} + 2 ) = 4 - 4 (\frac{a}{3})^3 > 0
1>(a3)31 > (\frac{a}{3})^3 より 1>a31 > \frac{a}{3} なので、3>a3 > a です。
44(a3)3=04 - 4 (\frac{a}{3})^3 = 0 のとき、a=3a = 3 です。
f(x)=x3ax+2=0f(x) = x^3 - ax + 2 = 0x=2x=-2 を解に持つとき、(2)3a(2)+2=8+2a+2=0(-2)^3 - a(-2) + 2 = -8 + 2a + 2 = 0 より 2a=62a = 6 なので a=3a = 3 です。
f(x)f(x) が極大値と極小値を持たない場合、f(x)=3x2a=0f'(x) = 3x^2 - a = 0 が実数解を持たない場合なので、a<0a < 0 です。
a>3a > 3 のときを考えます。44(a3)3>04 - 4 (\frac{a}{3})^3 > 0 が成り立たないとき、実数解を1つだけ持ちます。
a3>1\frac{a}{3} > 1 なので a>3a > 3 です。
f(2)=82a+2=102af(2) = 8 - 2a + 2 = 10 - 2a.
a=4a=4 のとき、f(2)=108=2f(2) = 10-8 = 2.
f(3)=27+12+2=13f(-3) = -27 + 12 + 2 = -13.
したがって、求める最大の整数は 3 です。

3. 最終的な答え

異なる2つの実数解を持つような aa の値: 3
実数解をただ1つ持つような aa の値のうち、最大の整数: 3

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