等差数列 $\{a_n\}$ の初項 $a_1$ から第 $n$ 項 $a_n$ までの和を $S_n$ とするとき、$S_{10}=555$, $S_{20}=810$ である。 (1) この等差数列 $\{a_n\}$ の初項 $a_1$ と公差を求めよ。 (2) $S_{30}$ を求めよ。 (3) 不等式 $S_n < a_1$ を満たす $n$ の最小値を求めよ。

1. 問題の内容

等差数列 $\{a_n\}$ の初項 $a_1$ から第 $n$ 項 $a_n$ までの和を $S_n$ とするとき、$S_{10}=555$, $S_{20}=810$ である。

(1) この等差数列 $\{a_n\}$ の初項 $a_1$ と公差を求めよ。

(2) $S_{30}$ を求めよ。

(3) 不等式 $S_n < a_1$ を満たす $n$ の最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 等差数列の和の公式より、$S_n = \frac{n}{2} (2a_1 + (n-1)d)$ である。ここで、$a_1$ は初項、$d$ は公差である。

$S_{10}=555$ より、

$\frac{10}{2}(2a_1 + 9d) = 555$

$5(2a_1 + 9d) = 555$

$2a_1 + 9d = 111$ ...(1)

$S_{20}=810$ より、

$\frac{20}{2}(2a_1 + 19d) = 810$

$10(2a_1 + 19d) = 810$

$2a_1 + 19d = 81$ ...(2)

(2) - (1) より、

$10d = -30$

$d = -3$

(1) に代入して、

$2a_1 + 9(-3) = 111$

$2a_1 - 27 = 111$

$2a_1 = 138$

$a_1 = 69$

(2) $S_{30} = \frac{30}{2} (2a_1 + 29d) = 15(2(69) + 29(-3)) = 15(138 - 87) = 15(51) = 765$

(3) $S_n = \frac{n}{2}(2a_1 + (n-1)d) = \frac{n}{2}(2(69) + (n-1)(-3)) = \frac{n}{2}(138 - 3n + 3) = \frac{n}{2}(141 - 3n)$

$S_n < a_1$ より、$\frac{n}{2}(141 - 3n) < 69$

$n(141 - 3n) < 138$

$141n - 3n^2 < 138$

$3n^2 - 141n + 138 > 0$

$n^2 - 47n + 46 > 0$

$(n-1)(n-46) > 0$

$n < 1$ または $n > 46$

$n$ は自然数なので、$n>46$ である。したがって、最小の $n$ は 47 である。

3. 最終的な答え

(1) 初項 $a_1 = 69$, 公差 $d = -3$

(2) $S_{30} = 765$

(3) $n = 47$