質量 $m_A$ の物体Aと質量 $m_B$ の物体Bが糸でつながれており、物体Aは重力によって落下しようとしています。 このとき、糸に働く張力$S$は、物体Aに作用する重力 $m_A g$ よりも大きいか小さいか。また、$m_B$ が大きくなると、張力 $S$ は大きくなるか小さくなるかを問う問題です。

1. 問題の内容

質量 $m_A$ の物体Aと質量 $m_B$ の物体Bが糸でつながれており、物体Aは重力によって落下しようとしています。

このとき、糸に働く張力$S$は、物体Aに作用する重力 $m_A g$ よりも大きいか小さいか。また、$m_B$ が大きくなると、張力 $S$ は大きくなるか小さくなるかを問う問題です。

2. 解き方の手順

物体Aと物体Bの運動方程式を考えます。

まず、物体Aについて考えます。

物体Aには重力$m_A g$と張力$S$が働いています。

下向きを正とすると、運動方程式は次のようになります。

$m_A a = m_A g - S$

次に、物体Bについて考えます。

物体Bには張力$S$と摩擦力（もしあれば）が働いています。

物体Bが動いていると仮定し、摩擦力を無視できるとすると、運動方程式は次のようになります。

$m_B a = S$

これらの式を連立させて解きます。

2番目の式から $S = m_B a$を最初の式に代入します。

$m_A a = m_A g - m_B a$

$m_A a + m_B a = m_A g$

$(m_A + m_B) a = m_A g$

したがって、加速度 $a$ は次のようになります。

$a = \frac{m_A}{m_A + m_B} g$

張力 $S$ は $S = m_B a$ で与えられるので、

$S = m_B \frac{m_A}{m_A + m_B} g = \frac{m_A m_B}{m_A + m_B} g$

ここで、$S$ と $m_A g$ の大きさを比較します。

$\frac{S}{m_A g} = \frac{m_B}{m_A + m_B}$

$m_A + m_B > m_B$ なので、$\frac{m_B}{m_A + m_B} < 1$ となります。

したがって、$S < m_A g$ です。

次に、$m_B$ が大きくなると、張力 $S$ がどうなるかを考えます。

$S = \frac{m_A m_B}{m_A + m_B} g$

$m_A$ と $g$ は定数なので、$S$ は $m_B$ の関数とみなせます。

$S(m_B) = \frac{m_A m_B}{m_A + m_B} g$

$m_B$ で微分すると、

$\frac{dS}{dm_B} = \frac{m_A(m_A + m_B) - m_A m_B}{(m_A + m_B)^2} g = \frac{m_A^2}{(m_A + m_B)^2} g > 0$

したがって、$m_B$ が大きくなると、張力 $S$ も大きくなります。

3. 最終的な答え

張力 $S$ は、$m_A g$ より小さい。

$m_B$ が大きくなると、張力 $S$ は大きくなる。