関数 $f(x)$ は $n$ 回微分可能である。このとき、$x^3f(x)$ の $n$ 次導関数を求めよ。

解析学導関数ライプニッツの公式微分二項係数
2025/6/2

1. 問題の内容

関数 f(x)f(x)nn 回微分可能である。このとき、x3f(x)x^3f(x)nn 次導関数を求めよ。

2. 解き方の手順

x3f(x)x^3 f(x)nn 次導関数を求めるには、ライプニッツの公式を利用する。ライプニッツの公式は、2つの関数 u(x)u(x)v(x)v(x) の積の nn 次導関数を求めるために使用される。
ライプニッツの公式は以下の通り。
(uv)(n)=k=0n(nk)u(nk)v(k)(uv)^{(n)} = \sum_{k=0}^{n} \binom{n}{k} u^{(n-k)}v^{(k)}
ここで、
u(x)=f(x)u(x) = f(x), v(x)=x3v(x) = x^3 とすると、それぞれの導関数は次のようになる。
v(x)=x3v(x) = x^3
v(x)=3x2v'(x) = 3x^2
v(x)=6xv''(x) = 6x
v(x)=6v'''(x) = 6
v(4)(x)=0v^{(4)}(x) = 0
以降も v(k)(x)=0v^{(k)}(x) = 0 for k4k \geq 4
したがって、x3f(x)x^3 f(x)nn 次導関数は次のようになる。
(x3f(x))(n)=k=0n(nk)f(nk)(x)(x3)(k)(x^3f(x))^{(n)} = \sum_{k=0}^{n} \binom{n}{k} f^{(n-k)}(x) (x^3)^{(k)}
上記の v(x)v(x) の導関数の結果から、k4k \geq 4 の項はすべて0になるので、実際に和を取る必要があるのは k=0,1,2,3k = 0, 1, 2, 3 の場合のみである。
したがって、
(x3f(x))(n)=(n0)f(n)(x)x3+(n1)f(n1)(x)3x2+(n2)f(n2)(x)6x+(n3)f(n3)(x)6(x^3f(x))^{(n)} = \binom{n}{0}f^{(n)}(x)x^3 + \binom{n}{1}f^{(n-1)}(x)3x^2 + \binom{n}{2}f^{(n-2)}(x)6x + \binom{n}{3}f^{(n-3)}(x)6
ここで、二項係数 (nk)\binom{n}{k}n!k!(nk)!\frac{n!}{k!(n-k)!} と表される。
したがって、
(x3f(x))(n)=x3f(n)(x)+3nx2f(n1)(x)+3n(n1)xf(n2)(x)+n(n1)(n2)f(n3)(x)(x^3f(x))^{(n)} = x^3f^{(n)}(x) + 3n x^2 f^{(n-1)}(x) + 3n(n-1)x f^{(n-2)}(x) + n(n-1)(n-2)f^{(n-3)}(x)

3. 最終的な答え

x3f(n)(x)+3nx2f(n1)(x)+3n(n1)xf(n2)(x)+n(n1)(n2)f(n3)(x)x^3f^{(n)}(x) + 3nx^2f^{(n-1)}(x) + 3n(n-1)xf^{(n-2)}(x) + n(n-1)(n-2)f^{(n-3)}(x)

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