## 1. 問題の内容

##

1. 問題の内容

与えられた3つの不等式を証明する問題です。

(1) $x \geq \log(1+x) \quad (x > -1)$

(2) $\log(x+1) \geq x - x^2 \quad (x \geq -\frac{1}{2})$

(3) $1 + x(e-1) \geq e^x \quad (0 \leq x \leq 1)$

##

2. 解き方の手順

### (1) $x \geq \log(1+x) \quad (x > -1)$ の証明

関数 $f(x) = x - \log(1+x)$ を定義します。$x > -1$ で $f(x)$ は微分可能です。

$f'(x) = 1 - \frac{1}{1+x} = \frac{x}{1+x}$

$x > 0$ のとき、$f'(x) > 0$ なので $f(x)$ は増加関数です。

$-1 < x < 0$ のとき、$f'(x) < 0$ なので $f(x)$ は減少関数です。

したがって、$f(x)$ は $x = 0$ で最小値をとります。

$f(0) = 0 - \log(1+0) = 0$

よって、$f(x) \geq 0$ となり、$x \geq \log(1+x)$ が証明されました。

### (2) $\log(x+1) \geq x - x^2 \quad (x \geq -\frac{1}{2})$ の証明

関数 $g(x) = \log(x+1) - x + x^2$ を定義します。$x \geq -\frac{1}{2}$ で $g(x)$ は微分可能です。

$g'(x) = \frac{1}{x+1} - 1 + 2x = \frac{1 - (x+1) + 2x(x+1)}{x+1} = \frac{2x^2 + x}{x+1} = \frac{x(2x+1)}{x+1}$

$x \geq -\frac{1}{2}$ の範囲で、$x+1 > 0$ です。

$-\frac{1}{2} \leq x < 0$ のとき、$g'(x) \leq 0$ なので、$g(x)$ は減少関数です。

$x > 0$ のとき、$g'(x) > 0$ なので、$g(x)$ は増加関数です。

したがって、$g(x)$ は $x = 0$ で最小値をとります。

$g(0) = \log(0+1) - 0 + 0^2 = 0$

よって、$g(x) \geq 0$ となり、$\log(x+1) \geq x - x^2$ が証明されました。

### (3) $1 + x(e-1) \geq e^x \quad (0 \leq x \leq 1)$ の証明

関数 $h(x) = 1 + x(e-1) - e^x$ を定義します。$0 \leq x \leq 1$ で $h(x)$ は微分可能です。

$h'(x) = e - 1 - e^x$

$h''(x) = -e^x$

$0 \leq x \leq 1$ の範囲で、$h''(x) < 0$ なので、$h'(x)$ は減少関数です。

$h'(0) = e - 1 - e^0 = e - 2 > 0$

$h'(1) = e - 1 - e^1 = -1 < 0$

したがって、$h'(x)$ は $0 \leq x \leq 1$ の範囲でただ一つの解を持ちます。それを $c$ とすると、$h'(c) = 0$ となります。

$0 \leq x < c$ のとき、$h'(x) > 0$ なので、$h(x)$ は増加関数です。

$c < x \leq 1$ のとき、$h'(x) < 0$ なので、$h(x)$ は減少関数です。

$h(0) = 1 + 0(e-1) - e^0 = 1 - 1 = 0$

$h(1) = 1 + 1(e-1) - e^1 = 1 + e - 1 - e = 0$

よって、$h(x) \geq 0$ となり、$1 + x(e-1) \geq e^x$ が証明されました。

##

3. 最終的な答え

(1) $x \geq \log(1+x) \quad (x > -1)$

(2) $\log(x+1) \geq x - x^2 \quad (x \geq -\frac{1}{2})$

(3) $1 + x(e-1) \geq e^x \quad (0 \leq x \leq 1)$