$y$-$z$平面におけるベクトル場 $\mathbf{v} = v_y \mathbf{j} + v_z \mathbf{k}$ の回転(rot $\mathbf{v}$)が、なぜ次の式で与えられるのかを、2次元ベクトル場における水の流れと歯車の回転を利用して説明する問題です。 $$ \text{rot } \mathbf{v} = \left( \frac{\partial v_z}{\partial y} - \frac{\partial v_y}{\partial z} \right) \mathbf{i} $$

解析学ベクトル解析回転rot偏微分ベクトル場
2025/6/6

1. 問題の内容

yy-zz平面におけるベクトル場 v=vyj+vzk\mathbf{v} = v_y \mathbf{j} + v_z \mathbf{k} の回転(rot v\mathbf{v})が、なぜ次の式で与えられるのかを、2次元ベクトル場における水の流れと歯車の回転を利用して説明する問題です。
\text{rot } \mathbf{v} = \left( \frac{\partial v_z}{\partial y} - \frac{\partial v_y}{\partial z} \right) \mathbf{i}

2. 解き方の手順

回転(rot)の概念を理解するために、まず2次元ベクトル場における水の流れを考えます。
ある点 (y,z)(y, z) における回転は、その点の周りの水の流れの「渦」の強さを表します。
(1) vzy\frac{\partial v_z}{\partial y} の項の説明:
vzv_zzz 軸方向の流れの速さを表します。vzy\frac{\partial v_z}{\partial y} は、yy 軸方向に vzv_z がどのように変化するかを表します。
もし vzy>0\frac{\partial v_z}{\partial y} > 0 なら、yy 軸の正の方向に進むほど、zz 軸方向の流れが速くなることを意味します。
これは、点 (y,z)(y, z) の周りで反時計回りの回転を生じさせる効果があります。
例えば、歯車を yy 軸方向に並べ、上の歯車の回転速度が下の歯車の回転速度よりも速い場合、全体として xx 軸方向に軸を持つ回転が生まれます。
(2) vyz\frac{\partial v_y}{\partial z} の項の説明:
vyv_yyy 軸方向の流れの速さを表します。vyz\frac{\partial v_y}{\partial z} は、zz 軸方向に vyv_y がどのように変化するかを表します。
もし vyz>0\frac{\partial v_y}{\partial z} > 0 なら、zz 軸の正の方向に進むほど、yy 軸方向の流れが速くなることを意味します。
これは、点 (y,z)(y, z) の周りで時計回りの回転を生じさせる効果があります。
例えば、歯車を zz 軸方向に並べ、右の歯車の回転速度が左の歯車の回転速度よりも速い場合、全体として xx 軸方向に軸を持つ反対方向の回転が生まれます。
(3) 全体の回転:
rot v\text{rot } \mathbf{v} は、反時計回りの回転の強さから時計回りの回転の強さを引いたものを表します。
したがって、vzyvyz\frac{\partial v_z}{\partial y} - \frac{\partial v_y}{\partial z} は、点 (y,z)(y, z) 周りの正味の回転の強さを表し、xx 軸方向の回転成分として表されます。これが i\mathbf{i} 方向の成分となる理由です。

3. 最終的な答え

ベクトル場 v=vyj+vzk\mathbf{v} = v_y \mathbf{j} + v_z \mathbf{k} の回転は、微小な領域における zz 方向の速度の yy 方向の変化(vzy\frac{\partial v_z}{\partial y})と、yy方向の速度の zz 方向の変化(vyz\frac{\partial v_y}{\partial z})の差によって定まります。vzy\frac{\partial v_z}{\partial y}は反時計回りの回転を、vyz\frac{\partial v_y}{\partial z}は時計回りの回転を表し、これらの差が正味の回転の強さを表します。この回転軸は xx 軸方向であるため、i\mathbf{i} 成分として表されます。歯車の回転で例えると、vzy\frac{\partial v_z}{\partial y}yy軸方向に並んだ歯車の回転速度差、vyz \frac{\partial v_y}{\partial z}zz軸方向に並んだ歯車の回転速度差に対応し、それらの差が全体としての回転の度合いを表します。

「解析学」の関連問題

2つの曲線 $y = kx^2$ と $y = \log x$ が共有点Pで共通の接線をもつとき、$k$ の値と接線 $l$ の方程式を求める問題です。

微分接線対数関数二次関数
2025/6/6

媒介変数表示された曲線 $x = \frac{1+t^2}{1-t^2}$、 $y = \frac{2t}{1-t^2}$ について、$\frac{dy}{dx}$ を $t$ の関数として表す。

微分媒介変数表示導関数
2025/6/6

方程式 $y^3 = x^2 e^x$ で定められる $x$ の関数 $y$ について、$\frac{dy}{dx}$ を求めよ。

微分陰関数微分合成関数の微分積の微分
2025/6/6

関数 $y = \frac{(x-2)^3(x+1)}{(x-1)^2}$ を微分せよ。

微分関数の微分対数微分法
2025/6/6

次の関数を微分する問題です。ただし、$a$ は $1$ でない正の定数とします。 (1) $y = \frac{e^{2x}}{\cos x}$ (2) $y = a^{2x^2}$

微分指数関数三角関数対数微分法
2025/6/6

次の関数を微分せよ。ただし、$a$ は 1 でない正の定数とする。 (1) $y = \log_a(\cos x)$ (2) $y = \log_a \left| \frac{2x-1}{2x+1} ...

微分対数関数合成関数導関数
2025/6/6

次の関数を微分せよ。 (1) $y = 2\sin x \cos x (1 - 2\sin^2 x)$ (2) $y = (\sin x - \cos x)^2$

微分三角関数導関数合成関数
2025/6/6

$x \to \infty$のとき、次の各組の関数について、どちらの関数がより速く増大するかを比の極限値を用いて調べる問題です。 (1) $e^{2x}$ と $10x^9 + 5x^5 + 2x^2...

極限関数の増大指数関数多項式関数ロピタルの定理
2025/6/6

$\lim_{x \to \pi} \frac{1 + \cos x}{(x - \pi)^2}$ を計算します。

極限ロピタルの定理三角関数微分
2025/6/6

$\lim_{x \to \pi} \frac{1 + \cos x}{(x-\pi)^2}$ を計算する問題です。

極限ロピタルの定理三角関数
2025/6/6