工場 A で作られた製品 P の重さに関する問題で、以下の内容を求める問題です。 - 100 個の標本の平均 $\overline{X}$ と分散 $\sigma^2$ を求める。 - 標本平均 $\overline{X}$ が従う正規分布のパラメータを求める。 - 母平均 $m$ に対する信頼度 95% および 98% の信頼区間を求める。 - 信頼度 98% の信頼区間の幅が、信頼度 95% の信頼区間の幅の何倍になるかを求める。

確率論・統計学標本平均分散正規分布信頼区間中心極限定理
2025/6/3

1. 問題の内容

工場 A で作られた製品 P の重さに関する問題で、以下の内容を求める問題です。
- 100 個の標本の平均 X\overline{X} と分散 σ2\sigma^2 を求める。
- 標本平均 X\overline{X} が従う正規分布のパラメータを求める。
- 母平均 mm に対する信頼度 95% および 98% の信頼区間を求める。
- 信頼度 98% の信頼区間の幅が、信頼度 95% の信頼区間の幅の何倍になるかを求める。

2. 解き方の手順

(1)
平均 X\overline{X} は、各重さに個数をかけて足し合わせ、総度数で割ることで求められます。
X=45.0×2+45.1×21+45.2×56+45.3×18+45.4×2+45.5×1100=4519100=45.19\overline{X} = \frac{45.0 \times 2 + 45.1 \times 21 + 45.2 \times 56 + 45.3 \times 18 + 45.4 \times 2 + 45.5 \times 1}{100} = \frac{4519}{100} = 45.19
したがって、X=45.19\overline{X} = 45.19 です。
分散 σ2\sigma^2 は、各重さの二乗に個数をかけて足し合わせ、総度数で割ったものから、平均の二乗を引くことで求められます。
σ2=45.02×2+45.12×21+45.22×56+45.32×18+45.42×2+45.52×110045.192\sigma^2 = \frac{45.0^2 \times 2 + 45.1^2 \times 21 + 45.2^2 \times 56 + 45.3^2 \times 18 + 45.4^2 \times 2 + 45.5^2 \times 1}{100} - 45.19^2
σ2=204210.741002042.1361=2042.10742042.1361=0.0287\sigma^2 = \frac{204210.74}{100} - 2042.1361 = 2042.1074 - 2042.1361 = -0.0287
しかし、これは標本分散の不偏推定量ではないので、正しい計算は下記となります。
σ2=i=1n(xiX)2n1=i=1n(xiX)299\sigma^2 = \frac{\sum_{i=1}^n (x_i - \overline{X})^2}{n-1} = \frac{\sum_{i=1}^n (x_i - \overline{X})^2}{99}
標本分散 s2=i=1n(xiX)2ns^2 = \frac{\sum_{i=1}^n (x_i - \overline{X})^2}{n}とすると、 σ2=nn1s2\sigma^2 = \frac{n}{n-1}s^2となります。
計算し直すと、標本分散s2s^2
s2=(45.045.19)2×2+(45.145.19)2×21+(45.245.19)2×56+(45.345.19)2×18+(45.445.19)2×2+(45.545.19)2×1100s^2 = \frac{(45.0 - 45.19)^2 \times 2 + (45.1 - 45.19)^2 \times 21 + (45.2 - 45.19)^2 \times 56 + (45.3 - 45.19)^2 \times 18 + (45.4 - 45.19)^2 \times 2 + (45.5 - 45.19)^2 \times 1}{100}
s2=0.0722+0.176421+0.005656+0.037242+0.01322+0.108361100=4.289100=0.04289s^2 = \frac{0.0722 + 0.176421 + 0.005656 + 0.037242 + 0.01322 + 0.108361}{100} = \frac{4.289}{100} = 0.04289
σ2=10099×0.04289=0.04332\sigma^2 = \frac{100}{99} \times 0.04289= 0.04332
よってσ2=0.043320.043\sigma^2 = 0.04332 \approx 0.043
(2)
中心極限定理より、標本平均 X\overline{X} は近似的に正規分布 N(m,σ2n)N(m, \frac{\sigma^2}{n}) に従います。ここで n=100n = 100 なので、
XN(m,0.043100)=N(m,0.00043)\overline{X} \sim N(m, \frac{0.043}{100}) = N(m, 0.00043)
したがって、XN(m,0.0212)\overline{X} \sim N(m, 0.021^2) とみなせます。
Z=Xm0.043/100=Xm0.021Z = \frac{\overline{X} - m}{\sqrt{0.043/100}} = \frac{\overline{X} - m}{0.021} は標準正規分布 N(0,1)N(0, 1) に従います。
(3)
P(kZk)=0.95P(-k \le Z \le k) = 0.95 を満たす kk は、標準正規分布表から k=1.96k = 1.96 であることがわかります。
X=45.19\overline{X} = 45.19 のとき、母平均 mm に対する信頼度 95% の信頼区間は、
X1.96×σ2nmX+1.96×σ2n\overline{X} - 1.96 \times \frac{\sqrt{\sigma^2}}{\sqrt{n}} \le m \le \overline{X} + 1.96 \times \frac{\sqrt{\sigma^2}}{\sqrt{n}}
45.191.96×0.021m45.19+1.96×0.02145.19 - 1.96 \times 0.021 \le m \le 45.19 + 1.96 \times 0.021
45.190.04116m45.19+0.0411645.19 - 0.04116 \le m \le 45.19 + 0.04116
45.14884m45.2311645.14884 \le m \le 45.23116
小数第四位を四捨五入して、45.15m45.2345.15 \le m \le 45.23
P(kZk)=0.98P(-k' \le Z \le k') = 0.98 を満たす kk' は、標準正規分布表から k=2.33k' = 2.33 であることがわかります。
信頼度 98% の信頼区間の幅は 2×2.33×σ2n=2×2.33×0.0210.097862 \times 2.33 \times \frac{\sqrt{\sigma^2}}{\sqrt{n}} = 2 \times 2.33 \times 0.021 \approx 0.09786
信頼度 95% の信頼区間の幅は 2×1.96×σ2n=2×1.96×0.0210.082322 \times 1.96 \times \frac{\sqrt{\sigma^2}}{\sqrt{n}} = 2 \times 1.96 \times 0.021 \approx 0.08232
よって、信頼度 98% の信頼区間の幅は、信頼度 95% の信頼区間の幅のおよそ 0.097860.082321.19\frac{0.09786}{0.08232} \approx 1.19 倍です。

3. 最終的な答え

- X=45.19\overline{X} = 45.19
- σ20.043\sigma^2 \approx 0.043
- 正規分布 N(m,0.00043)N(m, 0.00043)
- k=1.96k = 1.96
- 45.15m45.2345.15 \le m \le 45.23
- k=2.33k' = 2.33
- およそ 1.19 倍

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