問1では、7種類の糖AからGがあり、それらがグルコース、フルクトース、ガラクトース、マルトース、スクロース、ラクトース、アミロース、セルロースのいずれであるかを実験結果から特定する問題です。具体的には、C, F, Gおよび実験[エ]で生成したHがどの糖であるかを答えます。 問2では、マルトース水溶液を酸で処理した後、フェーリング液を加えて得られた赤色沈殿の質量から、元のマルトース水溶液中に含まれていたマルトースの質量を求める問題です。

その他化学分子量モル加水分解酸化還元反応
2025/3/27

1. 問題の内容

問1では、7種類の糖AからGがあり、それらがグルコース、フルクトース、ガラクトース、マルトース、スクロース、ラクトース、アミロース、セルロースのいずれであるかを実験結果から特定する問題です。具体的には、C, F, Gおよび実験[エ]で生成したHがどの糖であるかを答えます。
問2では、マルトース水溶液を酸で処理した後、フェーリング液を加えて得られた赤色沈殿の質量から、元のマルトース水溶液中に含まれていたマルトースの質量を求める問題です。

2. 解き方の手順

問1:
(ア) より、Gは冷水にも温水にも溶けにくいので、アミロースまたはセルロースの可能性があります。
(イ)より、A, B, C, Dは還元性を示します。
(ウ)より、EとFは加水分解するとフェーリング液を還元するので、加水分解により還元性を持つ糖を生成します。
(エ)より、Bは加水分解でAのみ、Cは加水分解でAとHを生成します。
以上の情報から、
- Bはマルトース(加水分解でグルコースになる)
- Cはラクトース(加水分解でグルコースとガラクトースになる)
- Hはガラクトース
- Gはアミロースまたはセルロース
- Eはスクロース
- Fはフルクトース
- Aはグルコース
したがって、Cはラクトース、Fはフルクトース、Gはアミロースまたはセルロース、Hはガラクトースです。アミロースまたはセルロースの判定には、(ア)の情報から、Gはアミロースと考えられます。
問2:
マルトースは二糖であり、加水分解されるとグルコース2分子になります。グルコースは還元性を示すため、フェーリング液を還元し、赤色沈殿(酸化銅(I))を生成します。マルトース1molが加水分解されるとグルコース2molが生じ、グルコース2molがフェーリング液を還元して赤色沈殿2molが生じます。ただし、問題文より、還元性を示す糖1 mol あたりから赤色沈殿は1 mol得られるものとあるため、加水分解後のグルコース1 molあたり赤色沈殿が1 mol得られると考えます。
赤色沈殿(Cu2OCu_2O)の分子量は、 63.5×2+16=14363.5 \times 2 + 16 = 143 なので、14.3g14.3 g の赤色沈殿は 14.3/143=0.1mol14.3/143 = 0.1 mol です。
マルトースを加水分解してグルコース2 molが生じ、グルコース2 molから赤色沈殿2 mol相当の還元が起こりますが、問題文のただし書きより赤色沈殿1 mol相当の還元が起こると考えます。
マルトース1molから赤色沈殿1 molが得られるので、マルトースは0.1 molであったと考えられます。
マルトース(C12H22O11)(C_{12}H_{22}O_{11})の分子量は、 12×12+1×22+16×11=144+22+176=34212 \times 12 + 1 \times 22 + 16 \times 11 = 144 + 22 + 176 = 342 なので、マルトースの質量は 342g/mol×0.1mol=34.2g342 g/mol \times 0.1 mol = 34.2 g となります。問題文より、加水分解されていることからグルコース2 molから赤色沈殿2molが生じるわけではない点に注意する必要があります。
マルトースの分子量は342です。
赤色沈殿のmol数は14.3/143=0.1mol14.3 / 143 = 0.1 mol
問題文よりマルトース1molあたり赤色沈殿は1mol得られるので、マルトースも0.1 molとなります。
マルトースの質量は342×0.1=34.2g342 \times 0.1 = 34.2 gです。
選択肢の中に34.2に近いものはないので、計算が間違っているか、考え方が間違っています。
マルトースは加水分解でグルコース2分子になる。マルトースは還元性があるため、加水分解しなくてもフェーリング液を還元する。マルトース1分子から赤色沈殿1分子生成されると考える。したがって、マルトースのmol数は、赤色沈殿と同じ0.1 mol。よってマルトースの質量は 342×0.1=34.2g342 \times 0.1 = 34.2 g
加水分解されずに直接フェーリング反応すると考えます。マルトース1 mol から赤色沈殿1 mol が得られるので、得られた赤色沈殿 14.3g14.3 g0.1mol0.1 mol)に対応するマルトースも 0.1mol0.1 mol。マルトースの分子量は342なので、マルトースの質量は 342g/mol×0.1mol=34.2g342 g/mol \times 0.1 mol = 34.2 g となる。
選択肢にないため、問題文をもう一度確認すると、「濃度不明のマルトース水溶液に酸を加えて十分に加熱した」とある。
つまり、酸を加えて加熱することで完全に加水分解されている。マルトースは加水分解されてグルコースになる。グルコースはフェーリング液を還元する。マルトース 1 mol が加水分解されると、グルコース 2 mol が生成する。問題文より、還元性を示す糖 1 mol あたりから赤色沈殿は1 mol得られるので、グルコース1 mol から赤色沈殿 1 mol が得られる。したがって、マルトース 1 mol から赤色沈殿 2 mol が得られる。
赤色沈殿が 0.1 mol 得られたということは、マルトースは 0.05 mol だったことになる。マルトースの質量は 342×0.05=17.1g342 \times 0.05 = 17.1 g

3. 最終的な答え

問1: C: ①, F: ②, G: ⑦, H: ③
問2: ⑨

「その他」の関連問題

グラフから1986年~89年の成長量をおおよそで読み取り、選択肢の中から最も近いものを選ぶ問題です。グラフは、わが国の森林の成長量と伐採量を表しています。成長量は左軸(百万 $m^3$)、伐採量は右軸...

グラフ読解データ分析森林成長量近似値
2025/7/6

与えられた式 $(1-\sin\theta)(1+\sin\theta) - \frac{1}{1+\tan^2\theta}$ の値を求める問題です。途中の空欄を埋めながら計算を進めます。

三角関数相互関係式の計算数式処理
2025/7/5

全体集合$U = \{x | 1 \le x \le 10, xは整数\}$の部分集合$A = \{1, 2, 3, 5, 7\}$, $B = \{2, 3, 8, 10\}$について、以下の集合を...

集合集合演算部分集合和集合共通部分補集合
2025/7/4

数列 $0, 1, 1, 2, 2, 2, 3, 3, 3, 3, 4, \dots$ について、以下の2つの問いに答えます。 (1) 10 が最初に出現するのは第何項か。 (2) 第 290 項を求...

数列規則性Σ等差数列の和漸化式
2025/7/4

B判の紙のサイズに関する問題です。具体的には、B0判の紙の面積が1.5m²であり、長い辺を半分に切ることでB1判、B2判、B3判、B4判…とサイズが小さくなっていくという定義が与えられています。そして...

面積比比率サイズ近似製図
2025/7/3

次の等式を証明する問題です。 $\frac{sin(\alpha - \beta)}{sin(\alpha + \beta)} = \frac{tan \alpha - tan \beta}{tan ...

三角関数加法定理恒等式証明
2025/7/3

$\sin \theta = \frac{5}{7}$のとき、$\theta$が鋭角である場合と鈍角である場合について、それぞれ$\cos \theta$と$\tan \theta$の値を求める。

三角関数三角比sincostan角度鋭角鈍角
2025/7/3

サイコロが与えられており、向かい合う面の目の和が7になるという条件の下で、指定された回転操作を行った後の上面の目の数を求める問題です。具体的には、 (1) アの方向に180度回転させた後、イの方向に1...

サイコロ空間認識回転
2025/7/3

問題は、$2^{100}$が何桁の整数であるかと、$30^{-20}$を小数で表したとき、小数第何位に初めて0でない数字が現れるかを求めるものです。ただし、$\log_{10} 2 = 0.3010$...

対数指数桁数小数
2025/7/3

問題1は、自然数 $m$ に関する条件が、別の条件を満たすための必要条件、十分条件、必要十分条件のどれに当てはまるかを問う問題です。 問題2は、命題「$a+b$ は無理数 $\Rightarrow a...

論理必要条件十分条件必要十分条件命題対偶真偽
2025/7/2