1. 問題の内容
与えられた4つの統計学に関する記述の中から、適切でないものを選択する問題です。
2. 解き方の手順
各選択肢について、統計学の知識に基づいてその妥当性を検討します。
* **A:** のように 値が小さいほど、実質的に意味のある結果だと言える。
値は、帰無仮説が正しい場合に、観測されたデータまたはそれよりも極端なデータが得られる確率を表します。一般的に、 値が小さいほど、帰無仮説が正しくない可能性が高いため、統計的に有意な結果であると言えます。しかし、 値が小さいからといって、常に実質的に意味のある結果であるとは限りません。サンプルサイズが大きい場合、 値は小さくなりやすいですが、効果の大きさ(エフェクトサイズ)が小さければ、実質的な意味は薄い場合があります。したがって、この記述は必ずしも正しくありません。
* **B:** 統計分析では平均値や相関係数など、実質的な程度を表す値を確認する必要がある。
統計分析においては、統計的有意性だけでなく、効果の大きさ(エフェクトサイズ)を評価することが重要です。平均値や相関係数は、効果の大きさを表す指標の一つであり、実質的な意味を評価するために確認する必要があります。したがって、この記述は正しいです。
* **C:** 平均値差の検定において統計的に有意な結果であっても、それだけでは実質的に意味のある平均値差があるかは分からない。
統計的に有意な結果は、偶然によって得られた可能性が低いことを示しますが、平均値差の大きさが実質的に意味があるかどうかは、別の問題です。効果の大きさや、その差が実際にどれほど重要かなどを考慮する必要があります。したがって、この記述は正しいです。
* **D:** 平均値差の検定において帰無仮説が採択されても、平均値に差が無いことが証明された訳ではない。
仮説検定では、帰無仮説を棄却できなかった場合でも、帰無仮説が正しいことを証明したわけではありません。単に、データから帰無仮説を否定する十分な証拠が得られなかったというだけです。平均値に差が無い可能性もありますが、差があっても検出できなかった可能性もあります。したがって、この記述は正しいです。
以上の検討から、選択肢Aが適切でない記述であると判断できます。
3. 最終的な答え
A