数列$\{a_n\}$が、$a_1 = 1$, $a_2 = 1$, $a_n = a_{n-2} + a_{n-1}$ ($n = 3, 4, 5, \dots$)で定義されるとき、すべての正の整数$n$に対して、不等式 $a_n < (\frac{7}{4})^n$ が成り立つことを数学的帰納法で証明する。

数論数列数学的帰納法不等式フィボナッチ数列
2025/6/4

1. 問題の内容

数列{an}\{a_n\}が、a1=1a_1 = 1, a2=1a_2 = 1, an=an2+an1a_n = a_{n-2} + a_{n-1} (n=3,4,5,n = 3, 4, 5, \dots)で定義されるとき、すべての正の整数nnに対して、不等式 an<(74)na_n < (\frac{7}{4})^n が成り立つことを数学的帰納法で証明する。

2. 解き方の手順

(1) n=1n = 1のとき
a1=1a_1 = 1 であり、 (74)1=74=1.75(\frac{7}{4})^1 = \frac{7}{4} = 1.75 であるから、a1<(74)1a_1 < (\frac{7}{4})^1 が成り立つ。
(2) n=2n = 2のとき
a2=1a_2 = 1 であり、 (74)2=4916=3.0625(\frac{7}{4})^2 = \frac{49}{16} = 3.0625 であるから、a2<(74)2a_2 < (\frac{7}{4})^2 が成り立つ。
(3) k3k \ge 3 である整数kkに対して、n=k1n = k-1n=kn = kのとき、ak1<(74)k1a_{k-1} < (\frac{7}{4})^{k-1}ak<(74)ka_k < (\frac{7}{4})^kが成り立つと仮定する。このとき、n=k+1n = k+1のときも成り立つことを示す。
ak+1=ak1+aka_{k+1} = a_{k-1} + a_k (数列の定義より)
帰納法の仮定より、
ak+1<(74)k1+(74)ka_{k+1} < (\frac{7}{4})^{k-1} + (\frac{7}{4})^k
=(74)k1(1+74)= (\frac{7}{4})^{k-1}(1 + \frac{7}{4})
=(74)k1(114)= (\frac{7}{4})^{k-1}(\frac{11}{4})
ak+1<(74)k+1a_{k+1} < (\frac{7}{4})^{k+1} を示すためには、(74)k1(114)<(74)k+1(\frac{7}{4})^{k-1}(\frac{11}{4}) < (\frac{7}{4})^{k+1}を示せば良い。
(74)k1(114)<(74)k+1(\frac{7}{4})^{k-1}(\frac{11}{4}) < (\frac{7}{4})^{k+1}
114<(74)2\Leftrightarrow \frac{11}{4} < (\frac{7}{4})^2
114<4916\Leftrightarrow \frac{11}{4} < \frac{49}{16}
44<49\Leftrightarrow 44 < 49
これは成り立つので、ak+1<(74)k+1a_{k+1} < (\frac{7}{4})^{k+1}が成り立つ。
(1)(2)(3)より、数学的帰納法により、すべての正の整数nnに対して、an<(74)na_n < (\frac{7}{4})^n が成り立つ。

3. 最終的な答え

すべての正の整数nnに対して、an<(74)na_n < (\frac{7}{4})^n が成り立つ。

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