マクローリンの定理を用いて、以下の空欄を埋める問題です。 (1) $\cos x = \sum_{k=0}^{n} (a) + R_{2n+2}$ であり、剰余項 $R_{2n+2} = (b)$ を求めます。ここで $0 < \theta < 1$ です。 (2) $f''(x)$ が連続で、$f''(0) \neq 0$ のとき、$f(x) = f(0) + xf'(cx)$ ($0 < c < 1$) について、$x \to 0$ のとき、$c \to (c)$ を求めます。 (3) $f'''(x)$ が連続で、$f''(0) = 0$, $f'''(0) \neq 0$ のとき、$f(x) = f(0) + xf'(cx)$ ($0 < c < 1$) について、$x \to 0$ のとき、$c \to (d)$ を求めます。

解析学マクローリン展開剰余項平均値の定理極限
2025/6/4

1. 問題の内容

マクローリンの定理を用いて、以下の空欄を埋める問題です。
(1) cosx=k=0n(a)+R2n+2\cos x = \sum_{k=0}^{n} (a) + R_{2n+2} であり、剰余項 R2n+2=(b)R_{2n+2} = (b) を求めます。ここで 0<θ<10 < \theta < 1 です。
(2) f(x)f''(x) が連続で、f(0)0f''(0) \neq 0 のとき、f(x)=f(0)+xf(cx)f(x) = f(0) + xf'(cx) (0<c<10 < c < 1) について、x0x \to 0 のとき、c(c)c \to (c) を求めます。
(3) f(x)f'''(x) が連続で、f(0)=0f''(0) = 0, f(0)0f'''(0) \neq 0 のとき、f(x)=f(0)+xf(cx)f(x) = f(0) + xf'(cx) (0<c<10 < c < 1) について、x0x \to 0 のとき、c(d)c \to (d) を求めます。

2. 解き方の手順

(1) cosx\cos x のマクローリン展開は、以下のようになります。
cosx=k=0n(1)k(2k)!x2k+R2n+2\cos x = \sum_{k=0}^{n} \frac{(-1)^k}{(2k)!} x^{2k} + R_{2n+2}
よって、(a) に入るべきは (1)k(2k)!x2k\frac{(-1)^k}{(2k)!} x^{2k} です。
剰余項 R2n+2R_{2n+2} は、ラグランジュの剰余項の公式より、
R2n+2=f(2n+2)(θx)(2n+2)!x2n+2R_{2n+2} = \frac{f^{(2n+2)}(\theta x)}{(2n+2)!} x^{2n+2} であり、f(x)=cosxf(x) = \cos x なので、
R2n+2=cos(θx+(n+1)π)(2n+2)!x2n+2=(1)n+1cos(θx)(2n+2)!x2n+2R_{2n+2} = \frac{\cos (\theta x + (n+1)\pi)}{(2n+2)!} x^{2n+2} = (-1)^{n+1} \frac{\cos(\theta x)}{(2n+2)!} x^{2n+2}
あるいは
R2n+2=(1)n+2sin(θx)(2n+2)!x2n+2R_{2n+2} = (-1)^{n+2} \frac{\sin(\theta x)}{(2n+2)!} x^{2n+2}
と書けます。
絶対値で評価すると、
R2n+2x2n+2(2n+2)!|R_{2n+2}| \le \frac{|x|^{2n+2}}{(2n+2)!}
(b) に入るべきは、例えば (1)n+1cos(θx)(2n+2)!x2n+2(-1)^{n+1} \frac{\cos(\theta x)}{(2n+2)!} x^{2n+2} です。
(2) f(x)=f(0)+xf(cx)f(x) = f(0) + xf'(cx) より、
f(cx)=f(x)f(0)xf'(cx) = \frac{f(x) - f(0)}{x}
f(cx)f'(cx) をマクローリン展開すると、
f(cx)=f(0)+cxf(0)+O((cx)2)f'(cx) = f'(0) + cxf''(0) + O((cx)^2)
f(cx)=f(0)+cxf(0)+f'(cx) = f'(0) + cxf''(0) + \dots
一方、平均値の定理より、
f(x)f(0)x=f(ξ)\frac{f(x) - f(0)}{x} = f'(\xi) (0<ξ<x0 < \xi < x)
したがって、f(cx)=f(ξ)f'(cx) = f'(\xi) となり、x0x \to 0 のとき ξ0\xi \to 0 なので、
f(cx)f(0)f'(cx) \to f'(0)f(ξ)f(0)f'(\xi) \to f'(0) に収束します。
x0x \to 0f(cx)=f(0)+cxf(0)+O(x2)f'(cx) = f'(0) + cxf''(0) + O(x^2) であるから、cxf(0)0cxf''(0) \to 0 となります。
f(0)0f''(0) \neq 0 であるので、cx0cx \to 0。したがって、
limx0c=limx0f(x)f(0)xf(0)xf(0)x=12\lim_{x \to 0} c = \lim_{x \to 0} \frac{f(x) - f(0) - xf'(0)}{xf''(0)x} = \frac{1}{2}
(c) に入るべきは 12\frac{1}{2} です。
(3) f(x)=f(0)+xf(cx)f(x) = f(0) + xf'(cx) において、(2) と同様に f(cx)=f(x)f(0)xf'(cx) = \frac{f(x) - f(0)}{x} です。
f(cx)f'(cx) をマクローリン展開すると、
f(cx)=f(0)+cxf(0)+(cx)22f(0)+O((cx)3)f'(cx) = f'(0) + cxf''(0) + \frac{(cx)^2}{2} f'''(0) + O((cx)^3)
f(0)=0f''(0) = 0 なので、
f(cx)=f(0)+c2x22f(0)+O((cx)3)f'(cx) = f'(0) + \frac{c^2 x^2}{2} f'''(0) + O((cx)^3)
平均値の定理より、
f(x)f(0)x=f(ξ)\frac{f(x) - f(0)}{x} = f'(\xi) (0<ξ<x0 < \xi < x)
f(ξ)=f(0)+ξ22f(0)+f'(\xi) = f'(0) + \frac{\xi^2}{2} f'''(0) + \dots
c2x22f(0)=ξ22f(0)\frac{c^2 x^2}{2} f'''(0) = \frac{\xi^2}{2} f'''(0)
limx0c2x2=limx0ξ2\lim_{x \to 0} c^2 x^2 = \lim_{x \to 0} \xi^2 となるので、c2=ξ2x2c^2 = \frac{\xi^2}{x^2} となります。
したがって、limx0c=±ξx\lim_{x \to 0} c = \pm \frac{\xi}{x} となります。ここで、平均値の定理より 0<ξ<x0 < \xi < x なので、limx0ξ/x<1\lim_{x \to 0} |\xi/x| < 1 であり、 0<c<10 < c < 1 なので、ξ=θx\xi = \theta x (0<θ<10 < \theta < 1) とおけて c=13c = \sqrt{\frac{1}{3}}.
(d) に入るべきは 13\sqrt{\frac{1}{3}} です。

3. 最終的な答え

(a) (1)k(2k)!x2k\frac{(-1)^k}{(2k)!} x^{2k}
(b) (1)n+1cos(θx)(2n+2)!x2n+2(-1)^{n+1} \frac{\cos(\theta x)}{(2n+2)!} x^{2n+2}
(c) 12\frac{1}{2}
(d) 13\sqrt{\frac{1}{3}}

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