マクローリン展開で関数 $y = x^2 a^x$ のn次導関数を求める問題です。

解析学マクローリン展開導関数テイラー展開微分
2025/6/5

1. 問題の内容

マクローリン展開で関数 y=x2axy = x^2 a^x のn次導関数を求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、関数 y=x2axy = x^2 a^x をマクローリン展開します。マクローリン展開は、x=0x=0 におけるテイラー展開であり、以下の式で表されます。
f(x)=k=0f(k)(0)k!xkf(x) = \sum_{k=0}^{\infty} \frac{f^{(k)}(0)}{k!} x^k
ここで、f(k)(0)f^{(k)}(0)f(x)f(x)kk 次導関数の x=0x=0 における値です。
axa^x のマクローリン展開は
ax=exlna=k=0(lna)kk!xka^x = e^{x \ln a} = \sum_{k=0}^{\infty} \frac{(\ln a)^k}{k!} x^k
と表せます。
したがって、y=x2axy = x^2 a^x
y=x2k=0(lna)kk!xk=k=0(lna)kk!xk+2y = x^2 \sum_{k=0}^{\infty} \frac{(\ln a)^k}{k!} x^k = \sum_{k=0}^{\infty} \frac{(\ln a)^k}{k!} x^{k+2}
と表せます。
この級数表示から、yynn 次導関数を計算します。yynn 次導関数 y(n)y^{(n)} は、
y(n)=k=0(lna)kk!dndxnxk+2y^{(n)} = \sum_{k=0}^{\infty} \frac{(\ln a)^k}{k!} \frac{d^n}{dx^n} x^{k+2}
となります。
xk+2x^{k+2}nn 次導関数は、
dndxnxk+2=(k+2)!(k+2n)!xk+2n\frac{d^n}{dx^n} x^{k+2} = \frac{(k+2)!}{(k+2-n)!} x^{k+2-n}
となります。ここで、k+2n<0k+2-n < 0 ならば、dndxnxk+2=0\frac{d^n}{dx^n} x^{k+2} = 0 です。
したがって、y(n)y^{(n)} は、
y(n)=k=max(0,n2)(lna)kk!(k+2)!(k+2n)!xk+2ny^{(n)} = \sum_{k= \max(0, n-2)}^{\infty} \frac{(\ln a)^k}{k!} \frac{(k+2)!}{(k+2-n)!} x^{k+2-n}
となります。
特に、x=0x=0 の場合、
y(n)(0)=k=max(0,n2)(lna)kk!(k+2)!(k+2n)!0k+2ny^{(n)}(0) = \sum_{k= \max(0, n-2)}^{\infty} \frac{(\ln a)^k}{k!} \frac{(k+2)!}{(k+2-n)!} 0^{k+2-n}
k+2n0k+2-n \neq 0 のとき、0k+2n=00^{k+2-n} = 0 です。
したがって、y(n)(0)y^{(n)}(0) がゼロでない値を持つためには、k+2n=0k+2-n = 0 である必要があり、k=n2k = n-2 となります。
したがって、
y(n)(0)=(lna)n2(n2)!n!0!=n(n1)(lna)n2y^{(n)}(0) = \frac{(\ln a)^{n-2}}{(n-2)!} \frac{n!}{0!} = n(n-1)(\ln a)^{n-2}
(n2n \ge 2 の場合)
n=0n=0 の場合、y(0)=02a0=0y(0) = 0^2 a^0 = 0
n=1n=1 の場合、y(x)=2xax+x2(lna)axy'(x) = 2x a^x + x^2 (\ln a) a^x なので y(0)=0y'(0) = 0

3. 最終的な答え

n2n \geq 2 のとき、
y(n)(0)=n(n1)(lna)n2y^{(n)}(0) = n(n-1) (\ln a)^{n-2}
n=0,1n = 0, 1 のとき、
y(n)(0)=0y^{(n)}(0) = 0

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