確率変数$X$の確率密度関数$f(x)$が与えられたとき、以下の値を求めます。 (1) $P(0 \le X \le 2)$と$P(1 < X \le 4)$ (2) 期待値$E[X]$と分散$V[X]$

確率論・統計学確率密度関数確率期待値分散積分
2025/6/5

1. 問題の内容

確率変数XXの確率密度関数f(x)f(x)が与えられたとき、以下の値を求めます。
(1) P(0X2)P(0 \le X \le 2)P(1<X4)P(1 < X \le 4)
(2) 期待値E[X]E[X]と分散V[X]V[X]

2. 解き方の手順

(1)
確率P(0X2)P(0 \le X \le 2)は、確率密度関数f(x)f(x)を区間[0,2][0, 2]で積分することで計算できます。
P(0X2)=02f(x)dx=0229xdx=2902xdx=29[12x2]02=29(1240)=292=49P(0 \le X \le 2) = \int_0^2 f(x) dx = \int_0^2 \frac{2}{9}x dx = \frac{2}{9} \int_0^2 x dx = \frac{2}{9} [\frac{1}{2}x^2]_0^2 = \frac{2}{9} (\frac{1}{2} \cdot 4 - 0) = \frac{2}{9} \cdot 2 = \frac{4}{9}
確率P(1<X4)P(1 < X \le 4)は、確率密度関数f(x)f(x)を区間(1,4](1, 4]で積分することで計算できます。ただし、f(x)f(x)0x30 \le x \le 329x\frac{2}{9}xx>3x > 300なので、
P(1<X4)=14f(x)dx=13f(x)dx+34f(x)dx=1329xdx+340dx=2913xdx+0=29[12x2]13=29(129121)=2982=294=89P(1 < X \le 4) = \int_1^4 f(x) dx = \int_1^3 f(x) dx + \int_3^4 f(x) dx = \int_1^3 \frac{2}{9}x dx + \int_3^4 0 dx = \frac{2}{9} \int_1^3 x dx + 0 = \frac{2}{9} [\frac{1}{2}x^2]_1^3 = \frac{2}{9} (\frac{1}{2} \cdot 9 - \frac{1}{2} \cdot 1) = \frac{2}{9} \cdot \frac{8}{2} = \frac{2}{9} \cdot 4 = \frac{8}{9}
(2)
期待値E[X]E[X]は、確率密度関数f(x)f(x)を用いてxf(x)dx\int_{-\infty}^{\infty} x f(x) dxで計算できます。
E[X]=xf(x)dx=03x29xdx=2903x2dx=29[13x3]03=29(13270)=299=2E[X] = \int_{-\infty}^{\infty} x f(x) dx = \int_0^3 x \cdot \frac{2}{9}x dx = \frac{2}{9} \int_0^3 x^2 dx = \frac{2}{9} [\frac{1}{3}x^3]_0^3 = \frac{2}{9} (\frac{1}{3} \cdot 27 - 0) = \frac{2}{9} \cdot 9 = 2
分散V[X]V[X]は、V[X]=E[X2](E[X])2V[X] = E[X^2] - (E[X])^2で計算できます。まずE[X2]E[X^2]を計算します。
E[X2]=x2f(x)dx=03x229xdx=2903x3dx=29[14x4]03=29(14810)=29814=92E[X^2] = \int_{-\infty}^{\infty} x^2 f(x) dx = \int_0^3 x^2 \cdot \frac{2}{9}x dx = \frac{2}{9} \int_0^3 x^3 dx = \frac{2}{9} [\frac{1}{4}x^4]_0^3 = \frac{2}{9} (\frac{1}{4} \cdot 81 - 0) = \frac{2}{9} \cdot \frac{81}{4} = \frac{9}{2}
V[X]=E[X2](E[X])2=9222=924=9282=12V[X] = E[X^2] - (E[X])^2 = \frac{9}{2} - 2^2 = \frac{9}{2} - 4 = \frac{9}{2} - \frac{8}{2} = \frac{1}{2}

3. 最終的な答え

(1) P(0X2)=49P(0 \le X \le 2) = \frac{4}{9}, P(1<X4)=89P(1 < X \le 4) = \frac{8}{9}
(2) E[X]=2E[X] = 2, V[X]=12V[X] = \frac{1}{2}

「確率論・統計学」の関連問題

平均 $\mu$、分散 $\sigma^2$ の母集団から無作為に抽出した $n$ 個の標本 $X_1, \dots, X_n$ があるとき、標本平均 $\overline{X}$ を $\overl...

標本平均期待値分散中心極限定理確率分布
2025/6/6

確率変数 $X$ は、確率 $p$ で $1$ をとり、確率 $1-p$ で $0$ をとる。ただし、$0 \le p \le 1$ である。このとき、以下の問いに答える。 (1) $X$ の期待値 ...

確率変数期待値分散確率関数ベルヌーイ分布
2025/6/6

確率変数 $X$ が、確率 $p$ で 1 をとり、確率 $1-p$ で 0 をとるとします。ただし、$0 \le p \le 1$ です。 (1) $X$ の期待値 $E[X]$ と分散 $V[X]...

確率変数期待値分散確率関数ベルヌーイ分布
2025/6/6

白玉2つと赤玉5つが入っている袋から1個の玉を取り出し、色を調べてから袋に戻す操作を40回繰り返す。白玉を取り出す回数 $X$ は二項分布 $B(n, p)$ に従う。 (1) $n$ と $p$ を...

確率二項分布期待値分散標準偏差
2025/6/6

1から4までの数字が書かれたカードが合計10枚あります。1が4枚、2が3枚、3が2枚、4が1枚です。この中からランダムに1枚を選び、そのカードに書かれた数をXとします。Xの期待値E(X)、X^2の期待...

期待値分散確率分布
2025/6/6

8人を指定された人数でいくつかのグループに分ける場合の数を計算する問題です。 (1) 8人をA, B, C, Dの4つの組に、2人ずつ分ける場合の数を求める。 (2) 8人を2人ずつの4つの組に分ける...

組み合わせ場合の数順列二項係数
2025/6/6

確率変数 $X$ の期待値が $E[X] = \frac{5}{2}$、分散が $V[X] = \frac{5}{4}$ であるとき、確率変数 $-2X+3$ の期待値、分散、標準偏差を求める。

期待値分散標準偏差確率変数線形性
2025/6/6

1と書かれたカードが4枚、2と書かれたカードが3枚、3と書かれたカードが2枚、4と書かれたカードが1枚、合計10枚のカードがある。この中から無作為に1枚カードを取り出し、取り出したカードに書かれた数を...

期待値分散確率変数確率分布
2025/6/6

大小中3個のサイコロを投げるとき、以下の条件を満たす場合はそれぞれ何通りあるか。 (1) 目がすべて異なる (2) 少なくとも2個が同じ目 (3) 目の積が3の倍数 (4) 目の和が奇数

確率組み合わせサイコロ場合の数
2025/6/6

大小中3個のサイコロを投げたとき、以下の条件を満たす場合の数をそれぞれ求めます。 (1) 目がすべて異なる (2) 少なくとも2個が同じ目 (3) 目の積が3の倍数 (4) 目の和が奇数

確率場合の数サイコロ組み合わせ
2025/6/6