確率変数 $X$ の確率密度関数 $f(x)$ が以下のように与えられている。 $f(x) = \begin{cases} e^{-x} & (x \geq 0) \\ 0 & (x < 0) \end{cases}$ このとき、以下の値を求める。 (1) $P(0 \leq X < 1)$ および $P(2 \leq X)$ (2) $\mu = E[X]$ および $\sigma^2 = V[X]$

確率論・統計学確率密度関数指数分布期待値分散積分
2025/6/5

1. 問題の内容

確率変数 XX の確率密度関数 f(x)f(x) が以下のように与えられている。
f(x)={ex(x0)0(x<0)f(x) = \begin{cases} e^{-x} & (x \geq 0) \\ 0 & (x < 0) \end{cases}
このとき、以下の値を求める。
(1) P(0X<1)P(0 \leq X < 1) および P(2X)P(2 \leq X)
(2) μ=E[X]\mu = E[X] および σ2=V[X]\sigma^2 = V[X]

2. 解き方の手順

(1) P(0X<1)P(0 \leq X < 1) を求める。
P(0X<1)=01exdx=[ex]01=e1(e0)=1e1=11eP(0 \leq X < 1) = \int_0^1 e^{-x} dx = [-e^{-x}]_0^1 = -e^{-1} - (-e^0) = 1 - e^{-1} = 1 - \frac{1}{e}
よって、P(0X<1)=11eP(0 \leq X < 1) = 1 - \frac{1}{e} である。
次に、P(2X)P(2 \leq X) を求める。
P(2X)=2exdx=[ex]2=limt(et)(e2)=0+e2=1e2P(2 \leq X) = \int_2^\infty e^{-x} dx = [-e^{-x}]_2^\infty = \lim_{t \to \infty} (-e^{-t}) - (-e^{-2}) = 0 + e^{-2} = \frac{1}{e^2}
よって、P(2X)=1e2P(2 \leq X) = \frac{1}{e^2} である。
(2) μ=E[X]\mu = E[X] を求める。
μ=E[X]=xf(x)dx=0xexdx\mu = E[X] = \int_{-\infty}^\infty x f(x) dx = \int_0^\infty x e^{-x} dx
部分積分を用いて計算する。u=xu = x, dv=exdxdv = e^{-x}dx とすると、du=dxdu = dx, v=exv = -e^{-x} である。
0xexdx=[xex]00exdx=[xex]0+0exdx\int_0^\infty x e^{-x} dx = [-xe^{-x}]_0^\infty - \int_0^\infty -e^{-x} dx = [-xe^{-x}]_0^\infty + \int_0^\infty e^{-x} dx
limttet=limttet=limt1et=0\lim_{t \to \infty} -te^{-t} = \lim_{t \to \infty} \frac{-t}{e^t} = \lim_{t \to \infty} \frac{-1}{e^t} = 0 (ロピタルの定理)
よって、[xex]0=00=0[-xe^{-x}]_0^\infty = 0 - 0 = 0 である。
0exdx=[ex]0=0(1)=1\int_0^\infty e^{-x} dx = [-e^{-x}]_0^\infty = 0 - (-1) = 1
したがって、μ=E[X]=0+1=1\mu = E[X] = 0 + 1 = 1 である。
次に、σ2=V[X]\sigma^2 = V[X] を求める。
V[X]=E[X2](E[X])2=E[X2]μ2V[X] = E[X^2] - (E[X])^2 = E[X^2] - \mu^2
E[X2]=x2f(x)dx=0x2exdxE[X^2] = \int_{-\infty}^\infty x^2 f(x) dx = \int_0^\infty x^2 e^{-x} dx
部分積分を2回用いて計算する。u=x2u = x^2, dv=exdxdv = e^{-x} dx とすると、du=2xdxdu = 2x dx, v=exv = -e^{-x} である。
0x2exdx=[x2ex]002xexdx=[x2ex]0+20xexdx\int_0^\infty x^2 e^{-x} dx = [-x^2 e^{-x}]_0^\infty - \int_0^\infty -2x e^{-x} dx = [-x^2 e^{-x}]_0^\infty + 2 \int_0^\infty x e^{-x} dx
limtt2et=limtt2et=limt2tet=limt2et=0\lim_{t \to \infty} -t^2 e^{-t} = \lim_{t \to \infty} \frac{-t^2}{e^t} = \lim_{t \to \infty} \frac{-2t}{e^t} = \lim_{t \to \infty} \frac{-2}{e^t} = 0 (ロピタルの定理)
よって、[x2ex]0=00=0[-x^2 e^{-x}]_0^\infty = 0 - 0 = 0 である。
20xexdx=2×1=22 \int_0^\infty x e^{-x} dx = 2 \times 1 = 2
したがって、E[X2]=0+2=2E[X^2] = 0 + 2 = 2 である。
V[X]=E[X2](E[X])2=212=21=1V[X] = E[X^2] - (E[X])^2 = 2 - 1^2 = 2 - 1 = 1
よって、σ2=V[X]=1\sigma^2 = V[X] = 1 である。

3. 最終的な答え

(1) P(0X<1)=11eP(0 \leq X < 1) = 1 - \frac{1}{e}, P(2X)=1e2P(2 \leq X) = \frac{1}{e^2}
(2) μ=E[X]=1\mu = E[X] = 1, σ2=V[X]=1\sigma^2 = V[X] = 1

「確率論・統計学」の関連問題

1, 2, 3, 4 の数字が書かれた4枚のカードから、重複を許して3枚のカードを取り出して並べてできる3桁の整数は何通りあるかを求める問題です。

組み合わせ場合の数重複組合せ
2025/6/7

大小中3個のサイコロを同時に投げた時、出る目の和が4になる場合の数を求める問題です。

確率場合の数サイコロ
2025/6/7

50人にaとbの2問のクイズを出題した。aを正解した人は27人、bを正解した人は13人、aとbの両方を正解した人は4人である。 (1) aとbの少なくとも一方を正解した人の人数を求めよ。 (2) aも...

集合包除原理確率統計
2025/6/7

男子4人、女子3人が円形のテーブルの周りに座る。 (1) 座り方は全部で何通りあるか。 (2) 女子3人が隣り合う場合は何通りあるか。 (3) 女子が隣り合わない場合は何通りあるか。

順列円順列組み合わせ
2025/6/7

あるクラスの生徒30人の通学時間をまとめた度数分布表があり、通学時間の平均が19分であることがわかっている。表中の空欄(10-20分の人数と30-40分の人数)にあてはまる数を求める。

度数分布平均連立方程式
2025/6/7

あるクラスの生徒30人の休日の学習時間を調べた度数分布表が与えられている。学習時間の平均値が3時間であるとき、度数分布表の空欄(0~2時間の人数と6~8時間の人数)にあてはまる数を求める問題。

度数分布平均連立方程式統計
2025/6/7

あるクラスの生徒40人の通学時間をまとめた表を完成させ、通学時間の平均値を求める問題です。表の一部が空欄になっており、階級値と度数が与えられています。

平均値度数分布データの分析
2025/6/7

大文字A, B, C, D, E の5文字と小文字 a, b, c, d の4文字を1列に並べる場合の数について、以下の条件を満たす並べ方の総数を求める。 (1) 大文字が隣り合う (2) 両端が小文...

順列組み合わせ場合の数条件付き確率
2025/6/7

袋の中に赤玉4個、青玉3個、白玉2個が入っている。この袋から同時に3個の玉を取り出すとき、以下の確率を求める。 (1) 取り出した玉にすべての色が含まれる確率 (2) 取り出した玉の色が2色である確率...

確率組み合わせ条件付き確率
2025/6/7

アンケートの結果が分割表にまとめられています。質問は「30歳までに結婚したいか?」と「デートとアルバイトどちらを優先するか?」です。 (1) オッズ比を求めます。 (2) 30歳までに結婚したいか否か...

オッズ比相関統計的推論分割表
2025/6/7