与えられた問題は3つの部分から構成されています。 (1) 整数 $n$ に対して、$n^5 - n$ が 5 の倍数であることを証明します。 (2) 整数 $n$ が 2 で割ると 1 余る (奇数である) とき、$n^2 - 1$ が 8 の倍数であることを証明します。 (3) 整数 $n$ が 2 で割ると 1 余る (奇数である) とき、$n^5 - n$ が 120 の倍数であることを証明します。

数論整数の性質倍数合同式因数分解
2025/6/5

1. 問題の内容

与えられた問題は3つの部分から構成されています。
(1) 整数 nn に対して、n5nn^5 - n が 5 の倍数であることを証明します。
(2) 整数 nn が 2 で割ると 1 余る (奇数である) とき、n21n^2 - 1 が 8 の倍数であることを証明します。
(3) 整数 nn が 2 で割ると 1 余る (奇数である) とき、n5nn^5 - n が 120 の倍数であることを証明します。

2. 解き方の手順

(1) n5nn^5 - n が 5 の倍数であることの証明
n5nn^5 - n を因数分解します。
n5n=n(n41)=n(n21)(n2+1)=n(n1)(n+1)(n2+1)n^5 - n = n(n^4 - 1) = n(n^2 - 1)(n^2 + 1) = n(n - 1)(n + 1)(n^2 + 1)
n(n1)(n+1)n(n-1)(n+1) は連続する3つの整数の積なので、少なくとも2の倍数かつ3の倍数です。
さらに、n5n=(n1)n(n+1)(n2+1)n^5 - n = (n - 1)n(n + 1)(n^2 + 1) であることから、nn を 5 で割った余りで場合分けして考えます。
* n0(mod5)n \equiv 0 \pmod{5} のとき、nn が 5 の倍数なので、n5nn^5 - n も 5 の倍数。
* n1(mod5)n \equiv 1 \pmod{5} のとき、n1n - 1 が 5 の倍数なので、n5nn^5 - n も 5 の倍数。
* n2(mod5)n \equiv 2 \pmod{5} のとき、n2+122+150(mod5)n^2 + 1 \equiv 2^2 + 1 \equiv 5 \equiv 0 \pmod{5} なので、n2+1n^2 + 1 が 5 の倍数。したがって、n5nn^5 - n も 5 の倍数。
* n3(mod5)n \equiv 3 \pmod{5} のとき、n2+132+1100(mod5)n^2 + 1 \equiv 3^2 + 1 \equiv 10 \equiv 0 \pmod{5} なので、n2+1n^2 + 1 が 5 の倍数。したがって、n5nn^5 - n も 5 の倍数。
* n4(mod5)n \equiv 4 \pmod{5} のとき、n+14+150(mod5)n + 1 \equiv 4 + 1 \equiv 5 \equiv 0 \pmod{5} なので、n+1n + 1 が 5 の倍数。したがって、n5nn^5 - n も 5 の倍数。
したがって、n5nn^5 - n は常に 5 の倍数です。
(2) nn が 2 で割ると 1 余る (奇数である) とき、n21n^2 - 1 が 8 の倍数であることの証明
nn が奇数なので、n=2k+1n = 2k + 1kk は整数)と表すことができます。
このとき、
n21=(2k+1)21=4k2+4k+11=4k2+4k=4k(k+1)n^2 - 1 = (2k + 1)^2 - 1 = 4k^2 + 4k + 1 - 1 = 4k^2 + 4k = 4k(k + 1)
kkk+1k + 1 は連続する 2 つの整数なので、必ずどちらか一方は偶数です。したがって、k(k+1)k(k+1) は2の倍数です。k(k+1)=2mk(k+1) = 2m (mm は整数) と表せるので、
n21=4k(k+1)=4(2m)=8mn^2 - 1 = 4k(k + 1) = 4(2m) = 8m となり、n21n^2 - 1 は 8 の倍数です。
(3) nn が 2 で割ると 1 余る (奇数である) とき、n5nn^5 - n が 120 の倍数であることの証明
nn が奇数なので、n=2k+1n = 2k + 1kk は整数)と表すことができます。
(1)よりn5n=n(n1)(n+1)(n2+1)n^5-n = n(n-1)(n+1)(n^2+1)
(2)より n21n^2-1 は 8の倍数です。
n5n=(n21)n(n2+1)n^5-n=(n^2-1)n(n^2+1)
n2+1=(2k+1)2+1=4k2+4k+2=2(2k2+2k+1)n^2 + 1 = (2k + 1)^2 + 1 = 4k^2 + 4k + 2 = 2(2k^2 + 2k + 1)
n5n=(2k+1)(2k+11)(2k+1+1)((2k+1)2+1)=(2k+1)(2k)(2k+2)(4k2+4k+2)=(2k+1)(2k)(2(k+1))(2(2k2+2k+1))=8(2k+1)(k)(k+1)(2k2+2k+1)n^5 - n = (2k+1)(2k+1-1)(2k+1+1)((2k+1)^2+1) = (2k+1)(2k)(2k+2)(4k^2+4k+2) = (2k+1)(2k)(2(k+1))(2(2k^2+2k+1))=8(2k+1)(k)(k+1)(2k^2+2k+1)
(1)より、n5nn^5-n は5の倍数であり、nが偶数の場合と奇数の場合でn5nn^5-nが3の倍数になることを示します。
nが奇数なので、n=2k+1n=2k+1, n5n=(2k+1)5(2k+1)n^5-n = (2k+1)^5-(2k+1)
nが偶数ならば、nが3の倍数の場合か、n-1またはn+1が3の倍数です。
nが奇数の場合、n1n-1n+1n+1が偶数であり、どちらか一方が4の倍数になるので、n1n-1n+1n+1の積は8の倍数であり、nが3の倍数となるか、n-1またはn+1が3の倍数となります。
n5nn^5 - n は 3の倍数、5の倍数、8の倍数であることが示されたので、n5nn^5 - n は 3 * 5 * 8 = 120 の倍数となります。

3. 最終的な答え

(1) n5nn^5 - n は 5 の倍数である。
(2) n21n^2 - 1 は 8 の倍数である。
(3) n5nn^5 - n は 120 の倍数である。

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