(1) $x > 0$のとき、以下の不等式を証明せよ。(ウ)では数学的帰納法を用いる。 (ア) $e^x > 1 + x$ (イ) $e^x > 1 + x + \frac{x^2}{2}$ (ウ) $e^x > 1 + \sum_{k=1}^{n} \frac{x^k}{k!}$ (ただし、$n$は自然数) (2) (1)を利用して、以下の極限を求めよ。 $\lim_{x \to \infty} \frac{x^m}{e^x} = 0$, $\lim_{x \to \infty} \frac{\log x}{\sqrt[m]{x}} = 0$, $\lim_{x \to +0} x \log x = 0$ (ただし、$m$は自然数)
2025/6/5
1. 問題の内容
(1) のとき、以下の不等式を証明せよ。(ウ)では数学的帰納法を用いる。
(ア)
(イ)
(ウ) (ただし、は自然数)
(2) (1)を利用して、以下の極限を求めよ。
, , (ただし、は自然数)
2. 解き方の手順
(1)
(ア)
とおく。
のとき、なので、は単調増加である。
よって、のとき、。したがって、
(イ)
とおく。
(ア)より、のとき、だから、。
よって、は単調増加である。
したがって、のとき、。すなわち、
(ウ) 数学的帰納法で証明する。
i) のとき、
となり、(ア)で証明済み。
ii) のとき、が成り立つと仮定する。
のとき、を示す。
とおく。
帰納法の仮定より、であるから、。
よって、は単調増加である。
したがって、のとき、。すなわち、が成り立つ。
i), ii)より、すべての自然数に対して、が成り立つ。
(2)
を示す。
(ウ)より、
よって、
なので、
を示す。
とおくと、のとき、
において、とおくと、であるから、
(で、のとき)
よって、
を示す。
とおくと、のとき、
(で、のとき)
よって、
3. 最終的な答え
(1)
(ア)
(イ)
(ウ)
(2)