関数 $f(x) = \frac{\log x}{x}$ について、以下の問いに答える問題です。 (1) $y = f(x)$ の極値を求め、グラフを描け。ただし、$\lim_{x \to \infty} \frac{\log x}{x} = 0$ であることを用いて良い。 (2) (1)を利用して、$99^{101}$ と $101^{99}$ の大小を判定せよ。

解析学関数の極値対数関数微分グラフ大小比較
2025/6/5

1. 問題の内容

関数 f(x)=logxxf(x) = \frac{\log x}{x} について、以下の問いに答える問題です。
(1) y=f(x)y = f(x) の極値を求め、グラフを描け。ただし、limxlogxx=0\lim_{x \to \infty} \frac{\log x}{x} = 0 であることを用いて良い。
(2) (1)を利用して、9910199^{101}10199101^{99} の大小を判定せよ。

2. 解き方の手順

(1)
まず、f(x)f(x) の定義域は x>0x > 0 です。次に、f(x)f(x) を微分して、極値を求めます。
f(x)=1xxlogx1x2=1logxx2f'(x) = \frac{\frac{1}{x} \cdot x - \log x \cdot 1}{x^2} = \frac{1 - \log x}{x^2}
f(x)=0f'(x) = 0 となるのは 1logx=01 - \log x = 0、すなわち logx=1\log x = 1 のときです。これは x=ex = e を意味します。
x<ex < e のとき f(x)>0f'(x) > 0 であり、x>ex > e のとき f(x)<0f'(x) < 0 であるから、x=ex=e で極大となります。
極大値は f(e)=logee=1ef(e) = \frac{\log e}{e} = \frac{1}{e} です。
また、limx+0logxx=\lim_{x \to +0} \frac{\log x}{x} = -\infty (logx\log xx+0x \to +0-\infty に発散し、xx00 に近づくため) であり、limxlogxx=0\lim_{x \to \infty} \frac{\log x}{x} = 0 (問題文に与えられている)です。
これらの情報から、y=f(x)y=f(x) のグラフを描くことができます。x=ex=e で極大値 1e\frac{1}{e} をとり、xx が小さい方から増加していくと、yy-\infty から増加し、x=ex=e で極大値 1e\frac{1}{e} をとった後、xx が増加するとともに減少し、limxy=0\lim_{x \to \infty} y = 0 となります。
(2)
9910199^{101}10199101^{99} の大小を比較するために、両辺の自然対数をとります。
101log99101 \log 9999log10199 \log 101 の大小を比較します。
このとき、log9999\frac{\log 99}{99}log101101\frac{\log 101}{101} の大小を比較すれば良いことが分かります。
これは f(99)f(99)f(101)f(101) の大小を比較することと同じです。
(1)の結果から、x>ex > e の範囲では f(x)f(x) は単調減少であることが分かっています。
99>e99 > e かつ 101>e101 > e であり、99<10199 < 101 であるから、f(99)>f(101)f(99) > f(101) が成り立ちます。
したがって、log9999>log101101\frac{\log 99}{99} > \frac{\log 101}{101} であり、101log99>99log101101 \log 99 > 99 \log 101 となります。
ゆえに、log(99101)>log(10199)\log(99^{101}) > \log(101^{99}) が成り立ちます。自然対数関数は単調増加なので、99101>1019999^{101} > 101^{99} が成り立ちます。

3. 最終的な答え

(1) 極大値:x=ex = e のとき y=1ey = \frac{1}{e}
グラフ:省略(上記参照)
(2) 99101>1019999^{101} > 101^{99}

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