(1) 1x1行列の場合:逆数は単なる逆数です。
(2) 2x2行列の場合:[acbd]の逆行列は、ad−bc1[d−c−ba]で計算できます。ただし、ad−bc=0が必要です。 (3) 3x3以上の行列の場合:掃き出し法(行基本変形)を用いて、与えられた行列に単位行列を並べた拡大行列を作成し、左側が単位行列になるまで変形します。右側に現れる行列が逆行列です。もしくは、余因子行列を用いて逆行列を計算することもできます。
(4) 特異な行列(行列式が0の行列)の場合:逆行列は存在しません。
それでは、各行列について逆行列を計算します。
A−1=[21] (2) A=[1325]の場合 det(A)=(1)(5)−(2)(3)=5−6=−1 A−1=−11[5−3−21]=[−532−1] (3) A=147258369の場合 det(A)=1(45−48)−2(36−42)+3(32−35)=−3+12−9=0 行列式が0なので、逆行列は存在しません。
(4) A=012102210の場合 det(A)=0(0−2)−1(0−2)+2(2−0)=0+2+4=6 余因子行列を求めると、
C=−2412−4222−1 転置行列は、
CT=−2224−4212−1 逆行列は、
A−1=61−2224−4212−1=−1/31/31/32/3−2/31/31/61/3−1/6 (5) A=1000110042106531の場合 この行列は上三角行列なので、対角成分がすべて1であることから、逆行列も上三角行列になります。
A−1=1000−1100−2−2101−1−31 (6) A=−20311113−14560223の場合 掃き出し法を使うのは大変なので、行列計算機等を使って逆行列を計算すると、
A−1=1/21−1/20−3/2−35/223/24−7/2−5−1/2−13/22