$\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}$, $\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix}$ が移されるベクトルを調べることによって、次の対称移動変換の行列を求めます。 (1) $x$軸に関する対称移動 (2) $y$軸に関する対称移動 (3) 直線 $y=x$ に関する対称移動 (4) 原点に関する対称移動

はい、承知いたしました。画像にある数学の問題を解いていきます。

**問題5-1**

1. 問題の内容

$\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}$, $\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix}$ が移されるベクトルを調べることによって、次の対称移動変換の行列を求めます。

(1) $x$軸に関する対称移動

(2) $y$軸に関する対称移動

(3) 直線 $y=x$ に関する対称移動

(4) 原点に関する対称移動

2. 解き方の手順

(1) $x$軸に関する対称移動:

$\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}$ は変化せず、$\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix}$ は $\begin{pmatrix} 0 \\ -1 \end{pmatrix}$ に移ります。

したがって、変換行列は $\begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & -1 \end{pmatrix}$ です。

(2) $y$軸に関する対称移動:

$\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}$ は $\begin{pmatrix} -1 \\ 0 \end{pmatrix}$ に移り、$\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix}$ は変化しません。

したがって、変換行列は $\begin{pmatrix} -1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix}$ です。

(3) 直線 $y=x$ に関する対称移動:

$\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}$ は $\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix}$ に移り、$\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix}$ は $\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}$ に移ります。

したがって、変換行列は $\begin{pmatrix} 0 & 1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix}$ です。

(4) 原点に関する対称移動:

$\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}$ は $\begin{pmatrix} -1 \\ 0 \end{pmatrix}$ に移り、$\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix}$ は $\begin{pmatrix} 0 \\ -1 \end{pmatrix}$ に移ります。

したがって、変換行列は $\begin{pmatrix} -1 & 0 \\ 0 & -1 \end{pmatrix}$ です。

3. 最終的な答え

(1) $\begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & -1 \end{pmatrix}$

(2) $\begin{pmatrix} -1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix}$

(3) $\begin{pmatrix} 0 & 1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix}$

(4) $\begin{pmatrix} -1 & 0 \\ 0 & -1 \end{pmatrix}$

**問題5-2**

1. 問題の内容

次の直線を、与えられた変換によって移された図形の方程式を求めます。

(1) 直線 $y=-x+1$ を $x$軸に関して対称移動。

(2) 直線 $y=3x-2$ を直線 $y=x$ に関して対称移動。

(3) 直線 $y=2x+1$ を原点に関して対称移動。

(4) 直線 $y=x-1$ を $30^\circ$ 回転。

(5) 直線 $y=3x+2$ を $y$軸に関して対称移動した後に $45^\circ$ 回転。

(6) 直線 $y=-2x+1$ を $60^\circ$ 回転移動した後に $x$ 軸について対称移動。

2. 解き方の手順

(1) $x$軸に関して対称移動: $y$ を $-y$ に置き換えます。

$-y = -x + 1$ より、$y = x - 1$

(2) 直線 $y=x$ に関して対称移動: $x$ と $y$ を入れ替えます。

$x = 3y - 2$ より、$3y = x + 2$ なので、$y = \frac{1}{3}x + \frac{2}{3}$

(3) 原点に関して対称移動: $x$ を $-x$ に、$y$ を $-y$ に置き換えます。

$-y = 2(-x) + 1$ より、$y = 2x - 1$

(4) $30^\circ$ 回転: 回転行列 $\begin{pmatrix} \cos \theta & -\sin \theta \\ \sin \theta & \cos \theta \end{pmatrix}$ を用います。

$\theta = 30^\circ$ なので、$\cos 30^\circ = \frac{\sqrt{3}}{2}$, $\sin 30^\circ = \frac{1}{2}$.

$x' = \frac{\sqrt{3}}{2}x - \frac{1}{2}y$, $y' = \frac{1}{2}x + \frac{\sqrt{3}}{2}y$.

$x = \frac{\sqrt{3}}{2}x' + \frac{1}{2}y'$, $y = -\frac{1}{2}x' + \frac{\sqrt{3}}{2}y'$.

$-\frac{1}{2}x' + \frac{\sqrt{3}}{2}y' = \frac{\sqrt{3}}{2}x' + \frac{1}{2}y' - 1$.

$\sqrt{3}y' - y' = \sqrt{3}x' + x' - 2$.

$(\sqrt{3}-1)y' = (\sqrt{3}+1)x' - 2$.

$y' = \frac{\sqrt{3}+1}{\sqrt{3}-1}x' - \frac{2}{\sqrt{3}-1} = (\frac{(\sqrt{3}+1)(\sqrt{3}+1)}{2})x'- \frac{2(\sqrt{3}+1)}{2} = (2+\sqrt{3})x' - (\sqrt{3}+1)$.

$y = (2+\sqrt{3})x - (1+\sqrt{3})$.

(5) $y$軸に関して対称移動後、$45^\circ$ 回転：まず、$x$を$-x$に置き換えると、$y=-3x+2$になる。

次に、$45^\circ$回転は、$\cos 45 = \sin 45 = \frac{1}{\sqrt{2}}$であるから、$x = \frac{x' - y'}{\sqrt{2}}, y= \frac{x' + y'}{\sqrt{2}}$。

$\frac{x' + y'}{\sqrt{2}} = -3(\frac{x' - y'}{\sqrt{2}})+2$

$x'+y' = -3x'+3y' + 2\sqrt{2}$.

$4x' - 2y' = 2\sqrt{2}$

$2x' - y' = \sqrt{2}$.

$y=2x-\sqrt{2}$.

(6) $60^\circ$ 回転移動した後に $x$ 軸について対称移動：$60^\circ$回転は、$\cos 60 = \frac{1}{2}, \sin 60 = \frac{\sqrt{3}}{2}$であるから、$x = \frac{x' - \sqrt{3}y'}{2}, y= \frac{\sqrt{3}x' + y'}{2}$。

$\frac{\sqrt{3}x' + y'}{2} = -2(\frac{x' - \sqrt{3}y'}{2})+1$

$\sqrt{3}x' + y' = -2x'+2\sqrt{3}y' + 2$

$(2+\sqrt{3})x' = (2\sqrt{3} - 1)y' + 2$.

$y' = \frac{2+\sqrt{3}}{2\sqrt{3}-1} x' - \frac{2}{2\sqrt{3}-1}$.

$y' = \frac{(2+\sqrt{3})(2\sqrt{3}+1)}{11} x' - \frac{2(2\sqrt{3}+1)}{11} = \frac{4\sqrt{3} + 2 + 6 + \sqrt{3}}{11}x' - \frac{4\sqrt{3}+2}{11} = \frac{5\sqrt{3}+8}{11}x' - \frac{4\sqrt{3}+2}{11}$.

次に$x$軸対称なので、$y \rightarrow -y$.

$y = -(\frac{5\sqrt{3}+8}{11})x + (\frac{4\sqrt{3}+2}{11})$.

3. 最終的な答え

(1) $y = x - 1$

(2) $y = \frac{1}{3}x + \frac{2}{3}$

(3) $y = 2x - 1$

(4) $y = (2+\sqrt{3})x - (1+\sqrt{3})$

(5) $y = 2x - \sqrt{2}$

(6) $y = -(\frac{5\sqrt{3}+8}{11})x + (\frac{4\sqrt{3}+2}{11})$

**問題5-3**

1. 問題の内容

(1) 放物線 $C: y = x^2 - x$ を、原点の周りに $45^\circ$ 回転して出来る図形 $D$ の方程式を求めよ。

(2) 円 $C: x^2 + y^2 = 1$ を $A = \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ -1 & -2 \end{pmatrix}$ で移して出来る図形 $D$ を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 原点の周りの $45^\circ$ 回転：

回転行列を用いて、$x = \frac{x' - y'}{\sqrt{2}}, y = \frac{x' + y'}{\sqrt{2}}$.

これを $y = x^2 - x$ に代入します。

$\frac{x' + y'}{\sqrt{2}} = (\frac{x' - y'}{\sqrt{2}})^2 - \frac{x' - y'}{\sqrt{2}}$

$\frac{x' + y'}{\sqrt{2}} = \frac{(x')^2 - 2x'y' + (y')^2}{2} - \frac{x' - y'}{\sqrt{2}}$

$2(x'+y') = \sqrt{2}((x')^2 - 2x'y' + (y')^2) - 2(x'-y')$

$\sqrt{2}((x')^2 - 2x'y' + (y')^2) - 2x' - 2y' -2x' + 2y' = 0$

$\sqrt{2}((x')^2 - 2x'y' + (y')^2) - 4x' = 0$

$\sqrt{2}(x^2 - 2xy + y^2) - 4x = 0$

$x^2 - 2xy + y^2 = 2\sqrt{2} x$

(2) 円 $C: x^2 + y^2 = 1$ を $A = \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ -1 & -2 \end{pmatrix}$ で移して出来る図形 $D$：

$\begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ -1 & -2 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}$, とすると、$x' = x + 2y$, $y' = -x - 2y$, $x' + y' = 0$.

すなわち、$y' = -x'$.

$A$は正則行列ではないので、円が線形変換で直線に移されます。

$A$で移された点は必ず$y' = -x'$を満たすので、$D$は直線$y=-x$上にあり、$-1 <=x'<=1, -1<=y'<=1$, つまり、$-1 <= x'< =1$.

$C:x^2+y^2 = 1$ のパラメーター表示は$x=\cos\theta, y = \sin \theta$です。

これを$A$で移すと、$x' = \cos\theta + 2\sin\theta, y' = -\cos\theta - 2\sin\theta$.

$-1<=x=\cos \theta <= 1, -1 <= y=\sin \theta <= 1$.

$-1 <= \cos\theta + 2\sin\theta <= 1$.

よって直線 $y = -x$, $- \sqrt{5} <= x <= \sqrt{5}$となります。

3. 最終的な答え

(1) $x^2 - 2xy + y^2 = 2\sqrt{2}x$

(2) 直線 $y=-x$, $- \sqrt{5} <= x <= \sqrt{5}$