複素数平面上の点 $z$ が与えられたとき、以下の変換によってどのように移動するかを答える問題です。 (1) $\left(\frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i\right)z$ (2) $(1-i)z$ (3) $-iz$

代数学複素数複素平面回転拡大複素数の積
2025/6/6

1. 問題の内容

複素数平面上の点 zz が与えられたとき、以下の変換によってどのように移動するかを答える問題です。
(1) (32+12i)z\left(\frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i\right)z
(2) (1i)z(1-i)z
(3) iz-iz

2. 解き方の手順

複素数の積は、複素数平面上の回転と拡大・縮小に対応します。
複素数 z1z_1z2z_2 の積 z1z2z_1 z_2 は、z1z_1 の絶対値 z1|z_1| と偏角 arg(z1)\arg(z_1)、および z2z_2 の絶対値 z2|z_2| と偏角 arg(z2)\arg(z_2) を用いて、以下のように表されます。
z1z2=z1z2|z_1 z_2| = |z_1||z_2|
arg(z1z2)=arg(z1)+arg(z2)\arg(z_1 z_2) = \arg(z_1) + \arg(z_2)
(1) w1=(32+12i)zw_1 = \left(\frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i\right)z について、
32+12i\frac{\sqrt{3}}{2} + \frac{1}{2}i の絶対値は、(32)2+(12)2=34+14=1=1\sqrt{\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\right)^2 + \left(\frac{1}{2}\right)^2} = \sqrt{\frac{3}{4} + \frac{1}{4}} = \sqrt{1} = 1 です。
偏角は、arctan(1/23/2)=arctan(13)=π6\arctan\left(\frac{1/2}{\sqrt{3}/2}\right) = \arctan\left(\frac{1}{\sqrt{3}}\right) = \frac{\pi}{6} です。
したがって、w1w_1zz を原点中心にπ6\frac{\pi}{6}回転させた点となります。(拡大・縮小はされません。)
(2) w2=(1i)zw_2 = (1-i)z について、
1i1-i の絶対値は、12+(1)2=2\sqrt{1^2 + (-1)^2} = \sqrt{2} です。
偏角は、arctan(11)=arctan(1)=π4\arctan\left(\frac{-1}{1}\right) = \arctan(-1) = -\frac{\pi}{4} です。
したがって、w2w_2zz を原点中心に π4-\frac{\pi}{4}回転させ、2\sqrt{2}倍に拡大した点となります。
(3) w3=izw_3 = -iz について、
i-i の絶対値は、02+(1)2=1\sqrt{0^2 + (-1)^2} = 1 です。
偏角は、π2-\frac{\pi}{2} です。
したがって、w3w_3zz を原点中心に π2-\frac{\pi}{2}回転させた点となります。(拡大・縮小はされません。)

3. 最終的な答え

(1) 原点中心に π6\frac{\pi}{6}回転
(2) 原点中心に π4-\frac{\pi}{4}回転し、2\sqrt{2}倍に拡大
(3) 原点中心に π2-\frac{\pi}{2}回転

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