a, b, c は相異なる実数である。数列 $\{x_n\}$ は等差数列で、最初の3項が順に a, b, c である。数列 $\{y_n\}$ は等比数列で、最初の3項が順に c, a, b である。 (1) b と c を a を用いて表し、等差数列 $\{x_n\}$ の公差を求める。 (2) 等比数列 $\{y_n\}$ の公比を求め、$\{y_n\}$ の初項から第8項までの和を a を用いて表す。

1. 問題の内容

a, b, c は相異なる実数である。数列 $\{x_n\}$ は等差数列で、最初の3項が順に a, b, c である。数列 $\{y_n\}$ は等比数列で、最初の3項が順に c, a, b である。

(1) b と c を a を用いて表し、等差数列 $\{x_n\}$ の公差を求める。

(2) 等比数列 $\{y_n\}$ の公比を求め、$\{y_n\}$ の初項から第8項までの和を a を用いて表す。

2. 解き方の手順

(1)

数列 $\{x_n\}$ は等差数列であるから、

$2b = a + c$

また、$\{x_n\}$ の最初の3項は a, b, c であるから、

$b = a + d$

$c = a + 2d$ (d は公差)

$2b = a + c$ に代入すると、

$2(a+d) = a + a + 2d$

$2a + 2d = 2a + 2d$

これは常に成り立つので、この式から b と c を a で表すことはできない。

数列 $\{x_n\}$ の最初の3項は a, b, c なので、

$b - a = c - b$

$2b = a + c$

数列 $\{y_n\}$ は等比数列で、最初の3項が c, a, b であるから、

$\frac{a}{c} = \frac{b}{a}$

$a^2 = bc$

$2b = a+c$ より $c = 2b-a$

$a^2 = b(2b-a)$

$a^2 = 2b^2 - ab$

$2b^2 - ab - a^2 = 0$

$(2b+a)(b-a) = 0$

$b = a$ または $b = -\frac{1}{2}a$

$a, b, c$ は相異なる実数なので $b \neq a$ であるから

$b = -\frac{1}{2}a$

$c = 2b - a = 2(-\frac{1}{2}a) - a = -a - a = -2a$

したがって、

$b = -\frac{1}{2}a$

$c = -2a$

公差 $d = b - a = -\frac{1}{2}a - a = -\frac{3}{2}a$

(2)

数列 $\{y_n\}$ の公比 $r = \frac{a}{c} = \frac{a}{-2a} = -\frac{1}{2}$

初項から第8項までの和 $S_8 = \frac{c(1-r^8)}{1-r}$

$c = -2a$ なので

$S_8 = \frac{-2a(1-(-\frac{1}{2})^8)}{1-(-\frac{1}{2})} = \frac{-2a(1-\frac{1}{256})}{\frac{3}{2}} = \frac{-2a(\frac{255}{256})}{\frac{3}{2}} = -2a \cdot \frac{255}{256} \cdot \frac{2}{3} = -\frac{255}{192}a = -\frac{85}{64}a$

3. 最終的な答え

(1)

$b = -\frac{1}{2}a$

$c = -2a$

公差 = $-\frac{3}{2}a$

(2)

公比 = $-\frac{1}{2}$

初項から第8項までの和 = $-\frac{85}{64}a$