実数 $a$ を定数とする。関数 $f(x) = x|x-2a|$ の $0 \leq x \leq 1$ における最大値を $M$ とする。 (1) $M$ を $a$ を用いて表せ。 (2) $a$ の値がすべての実数を変化するとき、$M$ の最小値を求めよ。

はい、承知いたしました。

1. 問題の内容

実数 $a$ を定数とする。関数 $f(x) = x|x-2a|$ の $0 \leq x \leq 1$ における最大値を $M$ とする。

(1) $M$ を $a$ を用いて表せ。

(2) $a$ の値がすべての実数を変化するとき、$M$ の最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)

まず、$|x-2a|$ の絶対値を外すために場合分けを行う。

(i) $2a \leq 0$ つまり $a \leq 0$ のとき、$0 \leq x \leq 1$ において $x-2a \geq 0$ であるから、$|x-2a| = x-2a$ となる。

したがって、$f(x) = x(x-2a) = x^2 - 2ax$ である。

$f(x)$ を平方完成すると、

$$f(x) = (x-a)^2 - a^2$$

$0 \leq x \leq 1$ における $f(x)$ の最大値 $M$ は、

(a) $a \leq 0$ より、$x=1$ のとき最大となる。

$M = f(1) = 1 - 2a$

(ii) $0 < 2a < 1$ つまり $0 < a < \frac{1}{2}$ のとき、$0 \leq x \leq 2a$ において $x-2a \leq 0$ であり、$2a \leq x \leq 1$ において $x-2a \geq 0$ である。

したがって、

$f(x) = \begin{cases}

x(2a-x) = -x^2 + 2ax & (0 \leq x \leq 2a) \\

x(x-2a) = x^2 - 2ax & (2a \leq x \leq 1)

\end{cases}$

$f(x)$ の最大値 $M$ は、$x=a$ または $x=1$ のときである。

$f(a) = -a^2 + 2a^2 = a^2$

$f(1) = 1 - 2a$

$M = \max(a^2, 1-2a)$

$a^2 = 1-2a$ を解くと、$a^2 + 2a - 1 = 0$ より、$a = -1 \pm \sqrt{2}$

$0 < a < \frac{1}{2}$ より、$a = -1 + \sqrt{2}$

$0 < a < -1 + \sqrt{2}$ のとき、$1-2a > a^2$ より、$M = 1-2a$

$-1 + \sqrt{2} \leq a < \frac{1}{2}$ のとき、$a^2 \geq 1-2a$ より、$M = a^2$

(iii) $1 \leq 2a$ つまり $\frac{1}{2} \leq a$ のとき、$0 \leq x \leq 1$ において $x-2a \leq 0$ であるから、$|x-2a| = -(x-2a) = 2a-x$ となる。

したがって、$f(x) = x(2a-x) = -x^2 + 2ax$ である。

$f(x)$ を平方完成すると、

$$f(x) = -(x-a)^2 + a^2$$

$0 \leq x \leq 1$ における $f(x)$ の最大値 $M$ は、

(a) $\frac{1}{2} \leq a \leq 1$ のとき、$x=1$ のとき最大となる。

$M = f(1) = 2a - 1$

(b) $1 \leq a$ のとき、$x=1$ のとき最大となる。

$M = f(1) = 2a - 1$

まとめると、

$M = \begin{cases}

1-2a & (a \leq 0) \\

1-2a & (0 < a < -1 + \sqrt{2}) \\

a^2 & (-1 + \sqrt{2} \leq a < \frac{1}{2}) \\

2a-1 & (\frac{1}{2} \leq a)

\end{cases}$

$M = \begin{cases}

1-2a & (a \leq -1 + \sqrt{2}) \\

a^2 & (-1 + \sqrt{2} \leq a < \frac{1}{2}) \\

2a-1 & (\frac{1}{2} \leq a)

\end{cases}$

(2)

$a \leq -1 + \sqrt{2}$ のとき、$M = 1-2a$ は単調減少である。

$-1 + \sqrt{2} \leq a < \frac{1}{2}$ のとき、$M = a^2$ は、$a = 0$ で最小値 $0$ を取る。

$\frac{1}{2} \leq a$ のとき、$M = 2a - 1$ は単調増加である。

$M$ の最小値は、$a = \frac{1}{2}$ のとき、$M = 0$ となる。

また、$a = -1+\sqrt{2}$のとき、$M = 1-2(-1+\sqrt{2}) = 3-2\sqrt{2}$

$M = a^2$は、$a=-1+\sqrt{2}$のとき、$M = (-1+\sqrt{2})^2 = 1 - 2\sqrt{2} + 2 = 3-2\sqrt{2}$

$2a-1$は、$a=1/2$のとき、$0$

$g(a) = \begin{cases}

1-2a & (a \leq -1 + \sqrt{2}) \\

a^2 & (-1 + \sqrt{2} \leq a < \frac{1}{2}) \\

2a-1 & (\frac{1}{2} \leq a)

\end{cases}$

$a=1/2$で、$a^2と2a-1$は一致する。

$a=-1+\sqrt{2}$で、$1-2a$と$a^2$は一致する。

$M=g(a)$の最小値を求める。

$g'(a)=\begin{cases}

-2 & (a < -1 + \sqrt{2}) \\

2a & (-1 + \sqrt{2} < a < \frac{1}{2}) \\

2 & (\frac{1}{2} < a)

\end{cases}$

$g(a)$は、$a^2$の部分で最小値候補を持つ。

$a^2$のグラフは、$a=0$の時最小値$0$を持つ。しかし、$0$は、$(-1 + \sqrt{2}, \frac{1}{2})$に含まれるので、$a=0$が採用される。

$a=0$の時、$g(a)=0$

$a=\frac{1}{2}$の時、$g(a)=0$

$M$の最小値は、0となる。

3. 最終的な答え

(1)

$M = \begin{cases}

1-2a & (a \leq -1 + \sqrt{2}) \\

a^2 & (-1 + \sqrt{2} \leq a < \frac{1}{2}) \\

2a-1 & (\frac{1}{2} \leq a)

\end{cases}$

(2) 0