$a$ を正の定数とする。不等式 $|x-2| < a$ を満たす整数 $x$ がちょうど 5 個存在するような $a$ の値の範囲を求めよ。

1. 問題の内容

$a$ を正の定数とする。不等式 $|x-2| < a$ を満たす整数 $x$ がちょうど 5 個存在するような $a$ の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、不等式 $|x-2| < a$ を解きます。

これは $-a < x-2 < a$ と同値です。

各辺に 2 を加えると、

$2-a < x < 2+a$

となります。

この不等式を満たす整数 $x$ がちょうど 5 個存在するという条件を考えます。

整数 $x$ の範囲は $(2-a, 2+a)$ です。

$2-a$ より大きい最小の整数を $n$ とし、$2+a$ より小さい最大の整数を $m$ とすると、整数 $x$ は $n, n+1, \dots, m$ となります。

これらの個数が 5 であるので、$m - n + 1 = 5$ となります。つまり、$m - n = 4$ です。

$x$ の整数解が $2-a < x < 2+a$ を満たす整数が 5 個存在するためには、$x$ の値は整数である必要があるので、範囲を考えると、$x$ の中心は $x=2$ となります。

$x=2$ の周りに 5 個の整数が存在するということは、$x$ は $0, 1, 2, 3, 4$ となります。

したがって、$x=2$を中心として、$2-a < 0$ かつ $4 < 2+a$ が成り立てば良いです。また、$x$ の整数解は $0,1,2,3,4$ なので、$-1 \ge 2-a$ かつ $5 \le 2+a$ は成り立たない必要があります。

$2-a < 0$ より $a > 2$ です。

$4 < 2+a$ より $a > 2$ です。

$-1 \ge 2-a$ より $a \ge 3$ です。

$5 \le 2+a$ より $a \ge 3$ です。

$2-a < x < 2+a$ を満たす整数が 5 個であるためには、

$2-a < -1$ かつ $5 < 2+a$ が必要です。

$2-a < -1$ より $3 < a$ です。

$5 < 2+a$ より $3 < a$ です。

また、

$2-a \ge -2$ または $6 \ge 2+a$ である必要があります。

$2-a \ge -2$ より $4 \ge a$ です。

$6 \ge 2+a$ より $4 \ge a$ です。

したがって、$3 < a \le 4$ となります。

$x = 2$ の周りに 5 個の整数解を持つためには、$2-a < -1$ かつ $5 < 2+a$ であり、$3 < a$ である必要があります。

また、もし $a=4$ なら、$2-4 < x < 2+4$ より、$-2 < x < 6$ なので、$x=-1, 0, 1, 2, 3, 4, 5$ となり、整数解は 7 個になります。

$x$ が5個の整数解を持つためには、$2-a < x < 2+a$ の範囲に、$x=0, 1, 2, 3, 4$ が含まれていれば良いです。

そのためには、$2-a < 0$ かつ $4 < 2+a$ であり、かつ、$2-a > -1$ または $2+a < 5$ である必要があります。

$2-a < 0$ は $a > 2$ を意味します。

$4 < 2+a$ は $a > 2$ を意味します。

$2-a > -1$ は $a < 3$ を意味します。

$2+a < 5$ は $a < 3$ を意味します。

したがって、$3 < a \le 4$ となります。

3. 最終的な答え

$3 < a \le 4$