区間$[-a, a]$ ($a > 0$) で定義された2つの関数 $f(t) = t$ と $g(t) = t^2$ がある。 (1) $f(t)$ のノルムを求めよ。 (2) $f(t)$ と $g(t)$ が直交することを証明せよ。

解析学積分関数ノルム直交内積
2025/6/7

1. 問題の内容

区間[a,a][-a, a] (a>0a > 0) で定義された2つの関数 f(t)=tf(t) = tg(t)=t2g(t) = t^2 がある。
(1) f(t)f(t) のノルムを求めよ。
(2) f(t)f(t)g(t)g(t) が直交することを証明せよ。

2. 解き方の手順

(1) 関数 f(t)f(t) のノルムは、定義より aaf(t)2dt\sqrt{\int_{-a}^{a} |f(t)|^2 dt} で計算できる。
したがって、f(t)=tf(t) = t のノルムは、aat2dt\sqrt{\int_{-a}^{a} t^2 dt} で計算できる。
aat2dt=[13t3]aa=13a313(a)3=13a3+13a3=23a3\int_{-a}^{a} t^2 dt = [\frac{1}{3}t^3]_{-a}^{a} = \frac{1}{3}a^3 - \frac{1}{3}(-a)^3 = \frac{1}{3}a^3 + \frac{1}{3}a^3 = \frac{2}{3}a^3
したがって、f(t)f(t) のノルムは 23a3=a2a3\sqrt{\frac{2}{3}a^3} = a\sqrt{\frac{2a}{3}} となる。
(2) 2つの関数 f(t)f(t)g(t)g(t) が直交することは、内積が0であることを示すことで証明できる。区間[a,a][-a, a]における f(t)f(t)g(t)g(t) の内積は aaf(t)g(t)dt\int_{-a}^{a} f(t)g(t) dt で計算される。
したがって、f(t)=tf(t) = tg(t)=t2g(t) = t^2 の内積は aatt2dt=aat3dt\int_{-a}^{a} t \cdot t^2 dt = \int_{-a}^{a} t^3 dt で計算できる。
aat3dt=[14t4]aa=14a414(a)4=14a414a4=0\int_{-a}^{a} t^3 dt = [\frac{1}{4}t^4]_{-a}^{a} = \frac{1}{4}a^4 - \frac{1}{4}(-a)^4 = \frac{1}{4}a^4 - \frac{1}{4}a^4 = 0
内積が0であるため、f(t)f(t)g(t)g(t) は直交する。

3. 最終的な答え

(1) f(t)f(t) のノルム: a2a3a\sqrt{\frac{2a}{3}}
(2) f(t)f(t)g(t)g(t) は直交する (証明は上記参照)。

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