コーシー・シュワルツの不等式を利用します。コーシー・シュワルツの不等式は、実数 xi,yi に対して、 (∑i=1nxi2)(∑i=1nyi2)≥(∑i=1nxiyi)2 が成り立つというものです。
x1=a2,x2=b2,x3=c2 y1=a,y2=b,y3=c とおくと、コーシー・シュワルツの不等式より、
(a4+b4+c4)(a2+b2+c2)≥(a3+b3+c3)2 が得られます。
次に、コーシー・シュワルツの不等式を以下のように適用します。
x1=a,x2=b,x3=c y1=1,y2=1,y3=1 とすると、
(a2+b2+c2)(12+12+12)≥(a+b+c)2 より、
3(a2+b2+c2)≥(a+b+c)2 が得られます。したがって、
a2+b2+c2≥3(a+b+c)2 この式より、
a2+b2+c2≥3a+b+c を得ます。
しかしながら、この方向では与えられた不等式を証明することが難しいです。代わりに、以下の方法を試します。
与えられた不等式を展開すると、
3(a4+b4+c4)≥a4+b4+c4+a3b+a3c+b3a+b3c+c3a+c3b すなわち
2(a4+b4+c4)≥a3b+a3c+b3a+b3c+c3a+c3b ここで、a4+b4≥a3b+ab3 が成り立つことを利用します。これは、 a4+b4−a3b−ab3=a3(a−b)−b3(a−b)=(a3−b3)(a−b)=(a−b)(a−b)(a2+ab+b2)=(a−b)2(a2+ab+b2) より、a4+b4−a3b−ab3≥0 となるからです。 同様に、b4+c4≥b3c+bc3、c4+a4≥c3a+ca3 が成り立ちます。 したがって、2(a4+b4+c4)≥a3b+ab3+b3c+bc3+c3a+ca3 となり、証明すべき不等式が示されました。